△探しのコミュニケーション | 村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

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元NHKエグゼクティブアナウンサー、村上信夫のオフィシャルブログです。


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きょうは、学生版のことば磨き塾。

きょうの参加者は、大学生3人、高校生4人。

参加者からディベートをやってみたいという意見があった。

ただ賛成意見と反対意見を述べ合う従来型だと平行線なまま。

○か×だけだと、相手の気持ちを汲み取れないまま。

○×の中間点△、○に近い△を見つけようと努力する過程が、

相手の想いに気づくことになるはず。

「コミュニケーションで△を見つけよう」というワークショップに

取り組んでもらった。

テーマ決め、司会者決めも、彼らに任せた。

「異文化」が候補に挙がった。

司会者に決まった大学1年生が、異文化では範囲が大きすぎると指摘。

「結婚申し込みに来たとき、

親に受け入れてもらえないとき、どういう態度をとるのがよいか」という

テーマで議論が始まった。確かに結婚も異文化の融合だ。

「恋人を守るため親にきちんと意見を言うのがいい」

「関係を崩さないため、1回で判断しないために、その場で意見は言わない」。

意見を言う、言わないという2つに分かれた中から、△を見つけていく。

議論の中身も、聞いていて面白かったが、

彼らがこれまで培ったことを生かしながら、議論しているのが嬉しかった。


まず、互いの意見をよく聴いていた。
発言に発言がかぶらないよう、ほどよい間があった。

互いの「想い」への気遣いがあった。

自分が親の立場だったらどう考えるかという見方のチェンジもあった。

みんな均等に発言していた。

司会者も、意見をせきとめながら、見事な進行ぶりだった。


わずか5ケ月前の第1回(5月28日)の時、

話している途中で泣きだしてしまった人や、

なかなかことばが出てこなくてオドオドしていた人が、

楽しそうに語らい合っている。

彼らが、こうまで変化したのは、

「自分をまるごと受け入れる素直さ」があるからではないだろうか・・・



△さがしの面白さに、気づいてくれたようだ。

△は決して、あいまい、いいかげんではない。

△は、知恵だと思う。

○だけがまかり通ると、押しつけがましくなる。

×は、否定、切り捨ての論理だ。

△は、想像をめぐらせながら、ほどのよい折衷案、妥協点を探る。

△は、存外、心地よいことがわかってくれたようだ。

△は、よかった探しなのだ。