村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

元NHKエグゼクティブアナウンサー、村上信夫のオフィシャルブログです。

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ことば磨き塾の学生版では、何回か取り組んできた△探し。

大人の塾では、初めて試みた(11月22日の名古屋塾で)。

テーマは、「夫婦は一生添い遂げるべきか」。

微妙なテーマだが、意見が2つに分かれた。

〇×の対立だけで終わればディベートだが、

互いの意見をくみ取りながら、△つまり融和点を探すのが、

△探しのコミュニケーション。

 

「破局一歩手前だが(笑)、一生添い遂げる」

「完璧に嫌いなところがないなんてありえない。

だから、嫌いなところも認めて一生添い遂げる」

「離婚調停していると、縁は本人の思いだけのこと」

「ダメとわかったら、若い人は早く別れたほうがいい」

〇×意見がでたところで、△探しをしていく。

「夫婦になるなら覚悟が必要」と独身女性。

「ありがとうとおかげさまが足りないから離婚になる」と反省の弁。

「家族は人間磨き塾」と主体的意見。

「いい夫になろう。いい妻になろう。いい子どもになろうなんて考えない。

家族は子育ち妻育ち夫育ちの場」と建設的意見。

 

言いっぱなしでないのが、△探し。

否定批評しないのが△探し。

時に笑いを交えながら、微妙な問題なのに、和やかに話しあった。

もちろん結論を出すものではないが、

「ことば」を選んで「ことば」を意識して話すことも、佳き「ことば磨き」になる。

 

 

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永六輔さんの尽きない話を、さだまさしさんが聴講生として聴く。

永さんの話は、

何度聴いても聴き足りない、汲めども汲めども尽きぬ泉のよう。

教養の高さ、話題の量の豊富さ、幅の広さ、深い洞察力、表現の面白さに、

いつもワクワクする。

さださんに言わせると、

永さんは「好奇心という名のたくさんの紐を腰にぶらさげていた人」。

なかでも変な人や変なことが大好き。

永さんだけが知り得る知識や知見を後世に伝えるべく、

最初で最後の公式対談を、一冊の本にまとめた。

2人の蘊蓄の宝庫だ。

 

永六輔は、「永六輔」というひとつのジャンル。

放送作家、作詞家、ラジオパーソナリティ、歌手、ベストセラー作家・・・。

一つには収まりきらない。

多芸多才だが、特に詩人としてのすごさに、さださんは感じいる。

歌は、いわば生鮮食品。ことばが傷むのは早く、すぐ古びる。

だが、永さんの歌は、時が経っても全然古びない。

わかりやすいことばで深い世界を描いている。

 

永さんの話が面白いのには、理由が2つある。

一つは「愚痴を言わない」。

パーキンソンのキーパーソンと言って、辛い病気も笑いに変えた。

もう一つは「ひけらかさない」。

自慢をしている永さんを見たことがない。

自分の出した本の宣伝をすることを佳しとしなかった。

 

永さんがいたころの早稲田大学には、綺羅星のごとく人材がいた。

俳句研究会に大橋巨泉、短歌研究会に寺山修司、落語研究会に小沢昭一、

野坂昭如や五木寛之もいた。そして中村八大も大隈講堂でピアノコンサートを開いていた。

永さんの行動力と好奇心に吸い寄せられて、人が集まる。

さださんは、「永さんはターミナル」という。

 

永六輔は、右も左も上も下もない人。

何かに傾倒することも、一つの主義主張に与することもない。

だが、絶対に譲れない「正義感」は強かった。

憲法もたった一行。世界でいちばん短い憲法にしたらと提案していた。

その条文とは「二度と飢えた子どもの顔は見たくない」。

 

さださんは、永さんから受け取ったバトンを、しっかり握りしめている。

他人に渡すには、まだ重すぎる。

受け取ったバトンの何たるかが、まだわかっていないから。

いま、ようやく永さんの生き方をトレースしているところだという。

残された我々は、みんな同じ気持ちだと思う。

 

永六輔という人が、この世からいなくなったということは、一つの文化の消滅だ。

だが、永さんの遺したことばを伝えることを通して、開かれる扉もあるはずだ。

さださんの思いに、同感だ。

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明治学院大学で所属していたゼミの担当教授だった

三浦恵次先生が、今年5月亡くなられた。享年83。

 

先生を偲びながら、ゼミ生が集まろうということになったが、

個人情報の壁があり、なかなか連絡が取れなかった。

とりあえず集まれる人間だけでということで、今夜5人が「三浦会」を開いた。

先生のいないところで先生の話に花を咲かせた。

さぞ、先生も苦笑いされていたことだろう。

 

三浦教授定年退官の記念論文集に、三浦教授の魅力を5つあげている人がいた。

「大変な情熱家」

「ものあたりはソフトだが、意外と強引」

「さびしがり屋さん」

「笑顔が曲者」

「奥様が魅力的」

確かにどれもあたっている。

あと、秋田生まれらしく、酒豪であった。

「ぼくは、酒は升々しかやりません」と豪語されていた。

よく飲みに連れていただいたが、完全に割り勘負けしていた。

学生たちを名前で呼ばず「おたく」「おたく」と呼ぶのが癖だった。

 

ボクが、NHKに就職したことを、ことのほか喜んでくださり、

後輩のゼミ生に、自慢をされていたと聞き、

面映ゆくもあり、恩師孝行が出来て嬉しくもあった。

卒業後、何度か先生の部屋をお訪ねしたとき、

保存してあるボクの卒業論文を取り出し、改めて褒めていただいた。

渾身の力を込めて書いた160ページを超える論文に「A」をいただいて、

有終の美を飾れたことは、何より嬉しいことであった。

大学4年の1年間は、「卒論」のためにだけ費やした。

これまでの人生でいちばん学問をした1年といえる。

それも、三浦ゼミにいたから為し得たことだ。

三浦先生のことも忘れない。だから三浦先生も死なない。

 

(きょう集まった三浦ゼミ卒業生)

(三浦恵次先生 1933~2016)

(1977年卒業の三浦ゼミメンバー

 ムラカミはどこかな?)

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