村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

元NHKエグゼクティブアナウンサー、村上信夫のオフィシャルブログです。

高野登さんから「川越から越川さんところへ行くとは、いいアイデアでしょ」と茶目っ気たっぷりのお誘いがあった。

ゆえに、川越から一緒に電車旅を楽しんだのだ。

 

江戸しぐさの伝承者、越川禮子さんを敬し愛する男2人。

越川さんも、ことあるごとに、

ボクたち2人のことを話してくれているそうだ。

嬉しい三角関係なのだ。

伺う前に越川さんに電話したら、「ずいぶんご無沙汰ね。もう顔をわすれちゃったわ」と言い放ったあと、「声は忘れてないけどね」と、人の心をぎゅっと掴む術を心得ている。

2人とも、かなり久しぶりの再会。玄関で熱烈ハグ。

越川さんがハグする男性は、ボクたち2人だけとか。光栄だ。

 

久しぶりにお会いした越川さんは、若返っていた。

スペシャルケアを受けて、筋力も増してきたそうだ。

パーマをかけ髪型も変わっていた。

高らかな笑い声を聞いているだけで憂さを忘れる。

江戸しぐさについて熱く語る姿は、

ほんとに93歳なのと思ってしまう。

 

今月、アメリカにいる次男の威夫さんが帰国する。

去年、撮り貯めたインタビューの編集が終わり、

ドキュメント映画に仕上がったのを、越川家で鑑賞する予定だ。

越川さんが、どんな反応をするのか楽しみだ。

来年早々94歳になる越川さんは、まだまだ先を見据えている。

 

 

 

高野登さんと、川越から武蔵新城までプチ旅行。

話の尽きない心弾む時間だった。

10:04川越発の東武東上線急行に乗ると、

11:16に武蔵新城に着く。

東上線、副都心線、東横線が繋がって武蔵小杉まで乗り換えなし。

「便利になりましたねー」などと、たわいもない話から、

「ここだけの話」もあれば、メモに書き留めておきたくなるような話まで、

間断なく続く。

どちらかが一方的に話すことはない。

互いに聴き上手だから、ほどよいバランスだ。

穏やかな時間。ほっとする秋の日だまりのような雰囲気。

1時間あまり、あっという間だった。

 

初めて会ったのは、2016年10月27日。

大阪の隆祥館書店レジスター前でのこと。

わずかの間隙の出会いが、

そののちのボクの多くの密度濃い出会いに繋がっていく。

翌日には、高野さんからサイン入りの著書が届いた。

高野さんを世に知らしめた『サービスを超える瞬間』。

刊行から14年、56刷30万部を超えるロングセラーだ。

この本のタイトルは、温泉に浸かっているときに、ふとひらめいたと、電車の中で伺った。ホスピタリティということばをあえてタイトルに入れなかった。

このたびの対談に備えて、改めて拝読したが、

高野さんの人柄がしのばれる温かな本だ。

リッツカールトンホテルのホスピタリティの極意が書かれている。

サービスを超える瞬間というのは、

客がことばにしないニーズまでを十二分に満たされたとき。

心がこもったサービスをするには、客と従業員が同じ目線で尊敬しあうことが必要不可欠。客も従業員も、ともに紳士淑女としての堂々とした振舞いや豊かな感性を身につける必要がある。

ホテルには温度が大事。といっても気温や室温のことではない。

従業員が醸し出す温かみ、客が心からリラックス出来る雰囲気、人が触れ合う活気…それらをひっくるめて「温度」という。人や店が発するメッセージを、知らず知らずのうちに「温度」として感じ取っているのだ。

高野さんもまた、心地よい温度の人だ。

リッツカールトンの初代社長シュルツイは、「感動を個人の能力だけに頼ってはいけない。サービスは科学なのだから」と言っている。運がよければ感動体験出来るというのではなく、同じ価値観で支えられた仕組みで生み出されるべきものだ。

「満足」から「感動」「感謝」のレベルを目指して初めて、サービスを超える瞬間が訪れる。

 

高野さんには、今月29日のトークライブで再び語らうことになっている。行き当たりバッチリの対談を、サービスを超える瞬間にしたいものだ。

(車内で自撮り)

小江戸川越ホスピタリティ塾にゲストで招かれた(10月31日)。

ホスピタリティといえば、高野登さん。

この塾は、高野さんからホスピタリティの極意を学び、

感性を磨き、自分の在り方を育むことを目指している。

 

今回は「ホスピタリティあふれる組織づくり」というテーマで、

まず高野さんが講演。

「挨拶をしよう」とスローガンを貼り紙にしたら、挨拶が出来たつもりでいる。実行しないと意味がない。

知識には限界があるが、想像力には限界がない。ホスピタリティを発揮するには、想像力を巡らせることが大事。観察することが大事。

観察とは、観て察する。ここにホスピタリティのタネがある。

人には、「ネガティブ検索システム」が組み込まれている。

ゆえに、後天的に陽転思考をプログラム化しなければならない。

いささか表現の仕方は違うが、ボクが常日頃言っていることと、

ほとんど同じことを考えていると思うと嬉しくなる。

 

続いて、「ことばが組織の品格をつくる」というテーマで、

高野さんとムラカミが対談した。

高野さんと出会って3年。同志の間に打ち合わせはいらない。

互いの気持ちがわかり合っているから、とても話しやすい。

ことばのホスピタリティを五か条にまとめてみた。

①沈黙

 高野さんは、「コミュニケーションで最も大切なことは沈黙だ」といったボクの意見に感心したという。

 沈黙は、想像力がフル活動。いろんなことばが行きかう。

②相手主語

 自分主語で話す人が多い。自分はさておき。

 アウトプットよりインプットした方が、ことばの引き出しが増える。

③〇×△

 「いい」「悪い」で決めつけない。

 断定しないほうが、ことばの広がりがある。△大事。△は知恵。

④本気

 上辺だけのことばは届かない。

 本気で伝えたいことばだけが伝わる。

⑤臨機応変

 マニュアル的なことに縛られない。

 自分の感性を信じて、行き当たりバッチリ。

 

(運営事務局代表 江守哲也さんと)

(右は、ホスピタリティあふれる川越胃腸病院院長 望月智行さん)

(受付もハロウィンモード)

会場前、机の並びを指示する高野さん。

ここにもホスピタリティ精神が…。