村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

元NHKエグゼクティブアナウンサー、村上信夫のオフィシャルブログです。

人生は、自問自答の連続だ。

孔子自身も、その弟子たちも、自らに問い、自ら答えを求めてきた。

「朝に道聞かば夕べに死すとも可なり」。

孔子が「死」ということばを用いるのは珍しい。

何のために生まれてきたのか、死ぬまで問い続けよと教える。

生きる意味に、常に意識を向けていよと強い口調で迫る。

己を磨いていれば、磨いている人に出会える。

自分に見合った人にしか出会わない。

 

孔子は「中庸の徳」も説く。

「中庸の徳たるや、其れ至れるかな」中庸に至れば、最高だという。

やれ右だ、やれ左だと極端になるのは簡単だ。

だが、中庸ほど難しいことはない。

高橋源一郎さんは、「中庸とは、歴史の真ん中」と考える。

時代が移り変わっても、変わることのない本質的な正義を指す。

だから「流行」ばかりに目を奪われず「不易」を見定める必要がある。

「中庸」も自問自答し続けることになる。

 

渋沢栄一は、来る人拒まずで、すべての訪問客に面会した。

「玉石混交して、一様に断り、門戸を閉ざせば、礼を失するのみばかりか、社会に対する義務を完全に遂行出来ない」とまで言い切っている。

かつて中国の王様で、ご飯の途中であろうと、髪を梳いている途中であろうと、訪問客に応対した人がいたという故事を紐解いている。

富豪や名士で、うるさいとか億劫だと、来客を厭う傾向があるのは、国家社会に徳義上の義務をまっとうしていないと批判している。

富豪は、自分一人で儲けたわけではない。社会に儲けさせてもらったようなものだ。だから徳義上の義務として、社会に尽くすことを忘れてはならないのだ。

ここに「論語と算盤」の真骨頂がある。

「中庸」がある。

「生まれてきた意味」がある。

 

クラブハウス「ことば湯」にゲストスピーカーとして、

落語家の桂三輝さんが来てくれた。

三輝と書いて、サンシャインと読む。

カツラ サンシャイン。

カナダはトロント生まれ。

 

日本の伝統芸能である能に興味を持ち、1999年来日。

日本語は、週に2回は通っていた焼き鳥屋で覚えた。

その後、落語に惹かれ、2008年、桂三枝(現・文枝)に入門。

1人話芸は世界的に珍しい。

海外にもピン芸人がおしゃべりするのはあるが、みな好き勝手にやっている。その点、落語には「型」や「決まり事」がある。

「リミットがあるほうが個性を出しやすい」という。

古典落語を英語に翻訳し、海外公演も数多くこなし、

世界に日本文化を発信してきた。

高座で着る衣装には、岡山産のデニム生地を使用。

男性用には珍しい振袖にして、ファスナーをつけて袖は着脱可能。

 

日本語には、英語に訳し難いことばがあるという。

中でも、「縁」は難しい。

chanceでもない。destinyでもない。fateでもない。

「縁」は「縁」なのだ。

彼は、日本に来てから、「縁」によって今日があると思っている。

このクラブハウス自体が、まさに「一期一会の縁」で成り立っている。

彼は、「このクラブハウスがなかったら、ムラカミさんと話すことはなかった」と、縁を噛み締めていた。

会話の中に、何度も「ムラカミさん」と言ってくれた。

 

東京ことば磨き塾。

昨日の信州に続いて、中川隆志さんが参加してくれた。

当日の早朝、小淵沢を出て、来てくれたのだ。有難い。

 

きょうは、長田弘さんの詩「あのときかもしれない」を

読んだあと、子どもだった自分が大人になったのはいつなのか?

スピーチしてもらった。

●18歳 初めてアルバイトをしたとき

●17歳 イギリスのサマースクールにいったとき

●15歳 プチ家出して、年齢を偽り、運送屋でアルバイトしたとき

      「分別のある大人に憧れていた」

●23歳 ツアコンで海外添乗したとき

●60歳 還暦のとき。32歳で旅立った母の墓参りをして自立を意識。

●13歳 無邪気さが希薄になったとき

●46歳 夫がガンになったとき 自分がしっかりしなければと自覚。

●26歳 子どもが誕生したとき。この子のためなら死ねると思った。

●32歳 同じ年に祖父母が相次いでなくなり、死を身近に意識。

 

長田さんの「最初の質問」から、ためらわず美しいといえるものは?

●山梨の白州町の尾白川。

 南アルプス・甲斐駒ヶ岳を源とする清流。日本名水百選に選定された北杜の名水の一つ。 ご存知「サントリー南アルプス天然水」のふるさとでもある。

●多摩川の丸子橋のたもとにあった中州。自分で「マルコ島」と名付けて楽しんでいた。

●茅ヶ崎海岸に昇る朝日。エネルギーチャージしている。

●江戸川から見える富士山。

●赤城山から望む八ヶ岳。

●実家の裏山の紅葉。

●大晦日は、鎌倉詣でが恒例。夕陽に一年の無事を感謝。

●60年ほど前、高校の修学旅行で北海道から持ち帰ったスズラン。

●花弁の黄金比。