昔は、3分間スピーチなどと言ったが、いまは3分だと長く感じる。
簡潔に1分で伝わるように話すことが求められる。
その手引書ともいえる『1分で話せ』は57万部のベストセラーだ。
人の話の80%は聞かれていない。
聞いてもらうには、「伝えたいこと」を1分でまとめる習慣をつけたらいい。ごく簡潔にいうと「結論+根拠+例えば」で右脳と左脳を動かすのだ。左脳が理解するロジックに加え、右脳を刺激して感情に訴えないと伝わらない。
●根拠は3つ示すと理解されやすい。我々は3次元に生きているから「タテヨコ高さ」などの3軸はイメージしやすい。
●プレゼンとは、自分だけが伝える行為ではなく、「相手の頭の中に、自分の伝えたい骨組みや中身を移植していくこと」だ。「想像してみてください」というような表現も有効。
●覚えやすいキーワードを考えておくのもいい。それを著者は「超一言」と呼ぶ。
●ことば選び、話し方だけではない。姿勢、立ち居振る舞い、意気込み、顔つき、目つき、声の出し方、間の取り方…すべてフル動員して、聞き手を動かす。
●話している自分と相手を俯瞰で見る。相手から自分がどう映り、どんな話をしてほしいと思っているのか感じる。客観的な自分が自分を見ながら言うべきことを決めていく。(これ、世阿弥の言う『離見の見』と同じ考え方)(いまどきの言葉では『メタ認知』かな)
●「想い」のない言葉は伝わらない。心の底から強く想うことを、情熱を持って自分の存在をかけて語る。想いを込めないと、言葉が単なる記号の羅列になってしまう。
●いちばん遠い人に「声」というボールを届ける意識で話す。声が相手に吸い込まれるように。
●いろんな「みなさん!」「こんにちは!」があるはず。状況をよく考えると、声のトーンも変わってくるはず。何気ない一言にも全力を注ぐ。
●「話し手」と「聴き手」という関係を「私たち」にする。