脊髄の役割:各部位からの情報を脳へ伝達する | 続・ティール組織 研究会のブログ

続・ティール組織 研究会のブログ

ティール組織が話題になっているが、具現化するにはどうしたらよいか?
その研究を続けるにあたり、さらに次の形態である、続・ティール組織なるものまで視野に入れ、具体的な施策・行動内容を研究・支援する会。

今回から、ティール組織で重要になる「役割」について記載していきたい。「役割」については以前から記載しているように、10もしくは12の役割という、数字にこだわった方が良い。つまり、6や7の役割だけに留めても生命体が動かないのである。逆に、15、16などのように多すぎても今度は組織として上手く機能しなくなるという事で、当研究会では、10もしくは12の役割にすることを推奨しているが、基本は12の役割としている。

 

・12の役割の場合

・腎臓の役割② 役割①

・両足の役割③ 役割② 役割①

・脊髄の役割② 役割①

・脳の役割④ 役割③ 役割② 役割①

・顔の役割② 役割①

・口の役割② 役割①

・両手の役割② 役割①

・心臓の役割①

・膵臓の役割② 役割①

・腸の役割② 役割①

 

それでは、これらの役割を1つずつ体験するという意味で、見てみたい。今回は、”脊髄”の役割について、1つずつ項目を確認していくことにする。

”脊髄”の役割

・脳とともに中枢神経を司る。

・脳からの情報を各部位に伝達する。

・各部位からの情報を脳へ伝達する。

・刺激に対して大脳皮質を介さず反応する。

・体幹を支持する働き。

・体幹に可動性を与える働き。

・手足の筋肉を動かす働き(運動神経)。

・手足の感覚を伝える働き (知覚神経)。

・内蔵の働きを調節する働き(自律神経)。 

・第8チャクラを開く

 

これほどたくさんの役割項目があり、全てを完璧にこなしていると、”脊髄”の役割1級となれるのだが、1/3にも満たない項目しかこなせないようでは、”脊髄”の役割5級となる。役割等級制度にて、等級が運用されていくのであるが、各項目について、難易度は異なるので、1つずつ見ていきたい。

 

・各部位からの情報を脳へ伝達する。

脊髄の重要な機能は、①脳からの情報を骨格筋へ伝え(下行性)、脳への情報を伝える(上行性)伝導路、②脊髄反射の2つである。今回は、①の上行性について詳しく記載したい。以下、こちらより抜粋

感覚に関する神経路

皮膚や筋などの感覚(知覚)情報は、後根から入り後角神経細胞に伝えられ、上行性知覚路によって脳に伝えられる(図3)。

感覚情報の伝達

図3感覚情報の伝達 (増田敦子:新訂版 解剖生理をおもしろく学ぶ.p.187、サイオ出版、2015)

 

感覚受容器には、触圧覚を受容するもの、深部覚を受容するもの、温冷覚を受容するもの、痛覚を受容するものがある。これらの受容器から得た情報は、末梢神経を伝わり、脊髄神経節を通って脊髄の後根に至る。脊髄(あるいは延髄)内で2次ニューロンにシナプスして情報をさらに上方へ伝えていくことになる。以下、こちらより抜粋

脊髄(または延髄)から視床へ

2次ニューロンの経路には後索路系、脊髄視床路、三叉神経伝導路、脊髄小脳路、脊髄網様体路がある。以下にそれぞれについて説明していく。

後索路系

触圧覚、振動覚、深部覚を伝える。脊髄に入った後に同側の後索を上行して、延髄の後索核(薄束核、楔状束核)でニューロンをかえて(2次ニューロン)、交差して内側毛帯となり、視床腹側後外側核(VPL核)に到達する(図1参照)。

 

図1 後索路系

 

後索路系では、脊髄に入った末梢神経が、すぐにニューロンを変えるのではなく、延髄後索核まで上行する点がポイントである。

脊髄視床路

温度覚、痛覚、一部の触覚を伝える。脊髄に入った後に脊髄後角でニューロンをかえて(2次ニューロン)、交差後に反対則の前側索を上行して、視床の後腹外側核、後核群、髄板内核群などに到達する。

 

図2 脊髄視床路

 

三叉神経伝導路

顔面、口腔や舌の感覚を伝える。これらの感覚は脳神経である三叉神経によって伝えられ、三叉神経核は主知覚核と脊髄路核に分かれる。主知覚核は後索路系でいうところの後索核に相当し、視床腹側基底核群の後内腹側核に向かう。また、脊髄路核は、脊髄視床路でいうところの脊髄後角に相当し、後腹内側核や髄板内核群などに投射する。

脊髄小脳路

脊髄小脳路は、深部覚を脊髄から直接小脳に伝える。この経路は意識に上らないような筋紡錘や腱器官からの情報を伝え、姿勢や運動の調節に関係しているといわれている。この経路には以下のようなものがある。

 

1. 楔状束小脳路(CCT)

上肢からの深部感覚を小脳中間部の皮質に伝える(非交叉性)

 

2. 後脊髄小脳路(DSCT)

下肢からの深部感覚を小脳中間部の皮質に伝える(非交叉性)

 

3. 吻側脊髄小脳路(RSCT)

上肢からの深部感覚を小脳虫部の皮質に伝える(非交叉性)

 

4. 前脊髄小脳路(VSCT)

下肢からの深部感覚を対側小脳虫部の皮質に伝える(交叉性)

 

図3 脊髄小脳路

 

脊髄網様体路

触覚、痛覚、温度覚などの情報を脳幹網様体に伝え、意識水準の維持・調節、姿勢の維持や歩行など自動運動の調節、あるいは怒りや恐れなど情動行動の誘発に関与する。この経路は自律神経系の活動に大きく影響を及ぼす。

 

視床から大脳皮質へ

体性感覚受容器からの情報はほぼ全て視床に至る。視床には多数の核があって、上行性伝導路によって到達する核も異なる。視床に届いた情報は、その後、大脳皮質に到達する。そこで初めて、われわれは届いた情報を感じることができるのである。

 

体性感覚に関わる上行性神経伝導路は、伝える感覚情報によって複数の経路に分けられ、それぞれが異なった道を通り、そのほぼ全てが視床を通って大脳皮質に向かう。

われわれは様々な動作にアプローチする。また、円滑に動作するには体性感覚情報が必要である。それらの情報がどのような経路で脳に向かっているのかを学ぶことが動作を理解する上でとても大切である。

 

これは組織でも同様で、触覚、痛覚、温度覚、体勢の感覚、顔の感覚などの情報を脳の担当者に伝える際に、それぞれの感覚ごとに、報告の仕方を変えていく。体勢の感覚であれば、微妙な動作や立ち位置などの情報を細かく網羅してメール等で報告したり、顔の感覚であれば直接口頭などで報告したり、触覚・痛覚・温度覚であれば感情を交えて口頭で伝えたり、慎重に報告書にして伝えたりするのであろう。

 

いずれにしても脳の担当者に伝えるのだが、口頭で伝えるのと、メールで伝えるのと、報告書のようにして伝えるのとでは、まったく伝え方が異なる。微妙なニュアンスは口頭の方がより伝わりやすいのであろう。ある程度、この情報はこの伝え方で!というようなパターン化をしておく必要があり、日々、膨大な情報が入ってくるので、いちいち考えている時間も無いのだから。日々、的確に伝えていくということを重視し、パターン化しておくことが望ましいということだ。

 

・事例

例えば、脳の担当者が部長で、脊髄の担当者がリーダーで、顔の担当者が課長であったとしよう。脊髄の担当は常に各メンバーと連携を密にしている。また部長とも連携を密にしている。

 

日々、事件は起きる。今日は、Aさんが休みをもらっているが、実は発熱した!という情報が飛び込んできた。すぐに、PCR検査を受けてもらう手配をとり、さらに、家族の状態は?PCR検査はいつ?などの情報を取り纏めて、部長に報告せねばならない。

 

Aさん曰く、PCR検査が明日で、家族は発熱者なしという状況であった。まずはAさん本人がPCR検査を受けた結果を報告してもらい、その後、陽性であれば、10日間の待機になるので、Aさんの仕事の状況、顧客との宿題、事務処理の未処理分、などを明日確認するかもしれないので、まとめておいてくれと指示を出す。なお、リーダーから部長へは、口頭にて現時点での報告がなされる。

 

そして、翌日、PCR検査の結果、陽性となってしまった。結局Aさんは、休みの期間に発熱し、そのまま10日間の待機に突入してしまったので、仕事が途中のものが沢山ある状態で待機に入ってしまった。まず、Aさんの2日前までの行動履歴、家族のPCR検査の結果報告、Aさんの仕事の状況、顧客との宿題、事務処理の未処理分、などを纏めて確認し、やらねばならないことを整理し、書類にまとめ上げた。

 

こうして、コロナ陽性の件は、会社経営陣への報告書となるので、既定のフォーマットにて入力し、書面にて部長へ報告した。Aさんの仕事の件は、簡単な書類にまとめ上げ、誰がいつ対応するのかを確認し、リストにして部長に報告した。こうして、突然、長期間の不在となったAさんの残務処理を皆でカバーしていくことになるし、報告書も作成せねばならないしで、パニックになるほどだ。これが1人なら良いが、さらに、組織内でほかのメンバーもコロナに感染したとなると、もはや機能停止に至るほどの状況になる。

 

日々、いろんな事件は起きるが、あらゆる情報を取り纏め、現場での指示も行うリーダーは、目まぐるしい忙しさだ。それでも、エネルギーを切らすことなく、縦横無尽に動き続けるリーダーは、尊敬のまなざしで見られるのであろう。

 

・オンボーディング・プロセス

今度は逆で、末端からの様々な情報を温度感を変えずに上手く脳へ伝達する役割がある。そのためには、あらゆる末端との神経網を構築している必要があるし、その神経網からの情報に対して、逐次対処していかねばならない。組織でいうと、各メンバーのリーダー的な役割となり、口頭だけでなく、メールやSNSを駆使して、メンバーから情報や感情や温度感を受け取っていくのである。

 

オンボーディング・プロセスでは、先とは逆で、様々な次元・レベルの言動をごちゃまぜに報告されてきた際に、どのように次元・レベルを整理し、まとめていくかを体験する。同じ波動レベルであればまとめられるし、違う波動レベルであれば分けて要約していくことで、脳の担当者にスムーズに伝わるのである。

 

このような研修をすることで、波動レベルに合わせて要約するという意味を理解するのであり、現場でも大いに役立つのである。

 

 

いかがであろうか。今回は、各部位からの情報を脳へ伝達する、について記載した。脊髄の役割の担当者は、脳への報告という責任を負っているが、あらゆる情報をどのようにまとめ、どのように報告するか、ある程度はパターン化しておかねば、スピードが追いつかない。それほど、日々、様々な情報が入ってくる位置にいるということだ。