オンボーディング・プロセス 「両手」の役割を体験 | 続・ティール組織 研究会のブログ

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ティール組織が話題になっているが、具現化するにはどうしたらよいか?
その研究を続けるにあたり、さらに次の形態である、続・ティール組織なるものまで視野に入れ、具体的な施策・行動内容を研究・支援する会。

先にオンボーディング・プロセスに

ついて記載した。当研究会が考える

オンボーディング・プロセスは「役割」

と「ゆらぎ」を体験してもらうことだ。

その「役割」について暫く記載して

いきたい。

 

”両手”の役割 こちらを参照

・身の周りの事物を操作する。

手には利き手とそうでない手がある。

右利きならば左脳とつながっており、

左利きならば右脳とつながっている

のである。利き手は器用に、細かい

作業が得意である。逆利き手をつかう

と、脳が酸素を多く使い、集中力が上

がるし、記憶力もアップすると言われ

ている。さらに、脳の自制心を司る

神経を刺激するので、怒りの感情を

コントロールできるとも言われている。

 

組織でも、利き手の担当者は器用に

次々と細かい事務処理をこなしてくれ

るのであり、逆利き手の担当者は不

器用ながら、確実に事務処理をこなし

てくれ、しかも感情にムラが無いので

頼みやすいしミスも少ないという特徴

があるのだ。

 

オンボーディング・プロセスでは、

利き手と逆利き手の違いを体験して

もらうため、右手で文章を書くのと、

左手で文章を書くのを両方5分程度

書き続けてもらう。

これにより、あきらかにスピードも字

の綺麗さもまったく異なることが解る

であろう。しかし、意外にも逆利き手

の方がミスが少ないことに気づくで

あろう。なぜなら、神経を余計に使う

ために、ミスしにくいのである。

 

オンボーディング・プロセスでは、

この逆利き手の方がミスが少ないと

いうことを体験してもらう。速さも無い

し、綺麗さも無い。しかし、ミスは少な

いのであるから、実際の事務作業等

では、右手の担当者が主となり量を

こなしていき左手の担当者がチェック

をするというダブルチェック体制にて

行われると最も良いのだ。

だからこそ、細かい作業や事務作業

などは両手の役割であり、二人が

ペアで仕事をして始めて効果が出る

のであるから、知っておくと良い。

 

 

・首や頭をコントロールする。

両手で頭を抱えたり、両手で顔を支

えたり、色んなしぐさを人間はするで

あろう。手があることで、重い重い頭を

支えることができるのであって、両手

がないと、頭がふらつくという場面も

多々あるのだ。

 

組織でも同じで、管理職という脳や顔

は、とても重いのだ。そしてふらつくの

である。それを支えることが出来るのは、

他の部位では難しく、両手しかできない

のである。よって、危機に陥ったり、ふら

ついたりした際に一番に活躍するのは、

実は両手の役割の担当者なのである!

このことをやはり良く管理職や社長は

理解しておく必要がある。

 

両手が事務担当という職種であれば、

事務担当者に支えられることも多々ある

のだし、経営書類や契約書類、監査書類

などなど数々の管理職や社長が必要とな

る書類をやはり事務担当者が作成する事

になるだろうから、支えられているのだ。

 

オンボーディング・プロセスでは、脳の

役割の担当者が頭の中でイメージする

ことを、実際の書類に落とし込む作業

を体験してもらう。

脳の担当者は生命体の全体を常に見て

いるのであり、上位次元の生命体をも

常に見ているのである。その頭の中の

イメージは抽象的でもあり、とても複雑

であろう。それを文章や書類、図表や

グラフ、パワーポイント資料にまとめて

もらうということをやってもらう。

 

教材は、具体的な経営資料の方が良い

のであり、それを講師側がこんな感じ!

と漠然と伝えて行く。それに対し、手の

役割となる受講生は、質問などしていき、

どうしたら具体的なヒントが得られるか、

工夫していくという具合だ。

 

ポイントは、質問の仕方、途中経過の

報告の仕方、曖昧な表現をしてきたとき

にいかにして方向性を導き出すか、さら

には、どんな形で、どんな長さで、どんな

出来映えが良いのかなどを確認できる

かどうかにかかっている。

 

日々、手の役割のような仕事は、皆が

やってきたであろうから理解できるだろう。

そして、人によってセンスが違い、すばら

しいアウトプットを出す人もいれば、全く

見当違いなアウトプットを出してくる人も

いる。それが研修では見える化できれ

ば良いだろう。正解はないので、センス

の違いをみて、手の役割の担当者とは

どのようなことを求められているのか、

皆が理解できればそれでよい。

 

 

・呼吸機能を高める。

呼吸機能は口が主に担っているが、その

口は両手が広がると呼吸しやすく、閉じる

と呼吸しにくくなるのだ。このように、両手も

呼吸機能を高める役割をしているのである。

 

組織でも同じで、両手の役割の担当者が

2人でバランスよく広がったりしてくれると、

口の役割の担当者も動きが取りやすく、

社内外からたくさんの情報を収集できる

ようになるのだ。中には、事務処理上で

重要になってくるような情報も多々収集し

てくるようになるのだ。

 

オンボーディング・プロセスでは、口の

役割の担当者を補助するような動きを

体験してもらう。

口の役割の担当者はお話が好きで、

とても話術も巧みだ。しかし、皆は忙し

くて、話を聞いてくれる人が少ない。

そんな口の役割の担当者の話を聞いて

あげることで、生命体全体にとって有益

な情報が入ってくることもある。

そのため、話を聞くという方法を知る必

要がある。話を聞く方法は、カウンセリ

ングでよく使われる技法が有効だ。

傾聴、自己開示、うなずき、あいづち、

繰り返し、要約、明確化などの技法だ。

 

詳細はこちらを参照。

 

このような話を聞くということを研修で

やってみることで、カウンセリング経験

者でないかぎり、意外と話を遮ったり、

うなずきが少なかったり、要約できて

なかったりと、話を聞けていないことに

気づくであろう。これはとても有意義で

あって、現場では話を聞く機会はとても

多く、活躍の場が多いのが現実だ。

 

 

・視野を確保する。

顔の前に障害物があったりした場合に、

手で、障害物を払いのけたりするだろう。

 

組織でも同じで、手が顔の前の障害物

を取り除く役割をするのだ。脳や顔の

担当者はやっかいな問題を常に抱えて

いることが多い。そのやっかいな問題を

両手の役割の担当者が、細かい作業を

することで、払いのけることができる。

 

オンボーディング・プロセスでは、厄介

な問題を細かい要素に分解し、それら

を段取りよく並び替えて処理していく事

によって、問題を解決するということを

体験してもらう。

例えば、とても運べないほどの重い箱

を用意する。それを棚の上にのせると

いう作業をしてもらう。

その際に、脚立や鉄柱や板、小道具等

あらゆるものを用意しておく。どの道具

を使うかは人によって違うとしよう。

ある人は板を上手に斜めに使うことで、

1段高い場所まで箱をすべらせて運び、

さらに1段、もう1段、という具合に上に

運んで、最終的には棚の上にのせる事

が出来たとしよう。

 

このように、段取りや小道具、適切な

手順によって、人の手では動かせない

ほどの重荷であっても、動かすことが

できるという体験ができる。

現場でも同じで、とてつもないクレーム

や解決しがたい人間関係なども同じで、

1つ1つ要素に分解していき、どうしたら

重荷を動かすことが出来るか、段取りを

考えるのである。

こういった段取りを考えるプロフェッショ

ナルが両手の役割ということだ。他の

人では考えつかないようなことを小道具

などを駆使して、重荷を取り除くのだ。

 

これは、日々、細かい作業をしている

からこそ、視野も細かい所にまで行き

届き、段取り組みも得意なのである。

きめの細かい配慮、作業、などが上手

であり、こういう担当者がチームに2人

いれば、ペアで何でも解決してくれる

ので、重宝されるだろう。

これが両手の役割の存在意義である。

 

 

長くなるので、この両手の役割の続き

はまた次回記載していきたい。