オンボーディング・プロセス 「腎臓」の役割を体験② | 続・ティール組織 研究会のブログ

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ティール組織が話題になっているが、具現化するにはどうしたらよいか?
その研究を続けるにあたり、さらに次の形態である、続・ティール組織なるものまで視野に入れ、具体的な施策・行動内容を研究・支援する会。

先にオンボーディング・プロセスに

ついて記載した。当研究会が考える

オンボーディング・プロセスは「役割」

と「ゆらぎ」を体験してもらうことだ。

その「役割」について暫く記載して

いきたい。

 

”腎臓”の役割つづき こちらを参照

・血圧を調節する。

腎臓は血圧を安定させるために、血圧が高い

時は下げるように、低い時は上げるように

コントロールする。腎臓が上手く働かないと、

高血圧になる。また、高血圧が続くと腎臓に

さらに負担がかかるのだ。

 

血圧とは、情報のスピードであろう。すぐに

伝えないといけないのか、2,3日の猶予が

あるのか、それを上手くコントロールせねば

ならない。情報が輻輳してくると、このコン

トロール力が試される。

 

腎臓の本当の役割は、おしっこをつくること

ではなく血液の成分を厳密に適正に維持する、

「血液の管理者」だと先にも記載した。

いま、体にどんな成分がどれだけ必要なのか。

「再吸収」を行う際、腎臓はさまざまな臓器

から情報を受け取って、血液の成分を絶妙に

コントロールしている。そしてスピードも

またコントロールしているのだ。

まさに「人体ネットワーク」の要ともいうべ

き存在だ。だからこそ腎臓の異常が全身の他

の臓器にも悪影響をもたらし、逆に他の臓器

で異常が起きると、その影響が腎臓に及ぶ。

 

体に必要な成分を調整しているということ

だが、ナトリウム、カルシウム、カリウム、

リン、マグネシウム、は何に相当するのか?

腎臓の再吸収の仕組みはどのように考えれば

良いのか?

それは、「ツイートや投稿」は流れるという

ことであり、その流れていった投稿を、再吸

収する仕組みを導入するのが腎臓の仕事とい

うことになる。流れるとは、いったん捨てさ

られるのと同じであり、せっかく全従業員が、

必死でメッセージを投稿しているにもかかわ

らず、注目されるのは一瞬であり、注目され

ないメッセージはそのまま流れて、捨て去ら

れてしまう。それを再吸収する仕組みが腎臓

の役割であり、最大の役割ということになる。

では、どうやって再吸収するのか?

 

その前に、血液中の各成分については下記の

ように定義していけば、しっくりくるのでは

ないかと、先にも記載した。

赤血球:愛の行動、つまり”ゆらぎ”

ナトリウム:市場・顧客情報

ホルモン:自身の状況のつぶやき

カリウム:評価・批判

マグネシウム:通達・通知(フォーマル)

カルシウム:法律

リン:社内規則・ルール

水分:考え・思い・メッセージ

 

これらの量を調節することが腎臓の最重要

の役割ということになる。”ゆらぎ”は全体

の半分程度を占める情報の主力となるべき

であり、この量が減ると、生命体は生きら

れない。自身の状況もしっかり報告してい

かないと苦しいのか楽なのかが見えず、

適切な判断が出来なくなる。評価・批判は

成長の材料にはなるが、多すぎると死に至

るので厳密に質や量を管理せねばならない。

通達・通知が多すぎると身動きとれなくな

るので、適量が良い。

法律を全面に押し出すと、これまた動きが

とれなくなり、適量が良い。

社内規則は、法律などを加味して、わかり

やすく伝えることで活きてくる。

考えや思いは、常に発信していくことで、

つまらない思いでも良い。発信することが

重要なのである。

 

では、どうやって再吸収するか?

それは、情報を発信する際に、カテゴリー

を選択してもらえれば、カテゴリー別に

量を管理できる。評価・批判なのか、自身

の状況報告なのか、カテゴリーを選択して

もらい、投稿してもらうのだ。こういう

システムにしておく必要はあるのだが。

 

あとは、フィードバック機能として、

毎日、毎週、毎月、などで集計をし重要な

情報は別途メールやDMで伝えるような仕

組みにすればよい。このフィードバック

機能というのが、極めて重要なのである。

いかに見えやすく、いかにわかりやすく、

重要な情報を再吸収できるかどうかだ。

 

このフィードバック機能が組織での情報

のスピードということになる。それゆえ、

毎日で速すぎるのであれば、毎週などで

集計したり、情報量が少ない期間なら、

毎日に変更したりと、スピードを変えて

調整していくのも腎臓の役割なのだ。

 

オンボーディング・プロセスでは、フィ

ードバック機能について体験してもらう。

実際の”ゆらぎ”に対し、カテゴリー別に

集計してもらう。

例えば、イノベーションの中でも評価に

かかわるような内容もあるかもしれない。

もっと細かい指標を拾ってほしいなど、

人それぞれ思いはあるだろう。

それを”ゆらぎ”システムへ投稿し、他の

人からもフォローされたりすると、

それに対するメッセージなどで投稿の

内容も膨れ上がってくる。このような

投稿は、カテゴリーでいうと評価・批判

というカテゴリーに集計される。

そのカテゴリーの中でも同じような内容

は纏めたり、要約したりして、一覧表の

ようにし、メンバーにフィードバックし

ていくのである。

 

このような研修をすることで、腎臓の

役割の担当者がどこに意識を向け、どの

ように日々、情報を取得していけばよい

のかが、理解できるようになる。

これは現場で、とても役立つのだ。

 

 

・EPOというホルモンを作り赤血球を増やす。

腎臓はEPO(エポ、正式にはエリスロポ

エチン)という物質をさかんに放出する。

この物質は、「酸素がほしい!」という

腎臓からのメッセージを全身に伝える、

いわば“メッセージ物質”である。EPOは

血液の流れに乗って全身に広がり、骨に

受け取られる。骨の内部、「骨髄」では、

酸素を運ぶ「赤血球」がつくられている。

ここにEPOが届くと赤血球が増産され、

体中に効率よく酸素を運べるようになる。

腎臓が上手く働かないと、必要な量の赤

血球が作られずに、貧血になることがある。

 

組織でも同様で、腎臓が組織全体の状態

を管理するかのごとく、愛がほしい、

情報がほしい、もっとゆっくり、もっと

早く、などの様々な状態を調整している

のである。これは、管理職が行う指揮と

は少し異なっており、命令するわけでは

ない。調整しているだけだ。これは常に

組織の全メンバーに目配せをしていない

とできないことである。管理職は常に目

配せすることは難しく、時には会社に目

を向け、時には役員に目を向け、時には

メンバーに目を向けと、目配せする方向

がメンバーだけとは限らないのだから。

 

 

・活性型ビタミンDというホルモンを作り骨を強くする

ビタミンDは食品に含まれる栄養素だが、

そのままの形で働くことはできない。

肝臓と腎臓の尿細管で酵素の働きを受け、

活性型ビタミンDに変化する。

活性型ビタミンDは腸からのカルシウム

吸収を促し、骨を丈夫にする働きがある。

このようにして、腎臓でつくられるホル

モンにより、私たちの体は健康な状態に

保つことができているのだ。

腎臓が上手く働かないと、必要な量の

カルシウムが不足して、骨がもろくなる

ことがある。

 

組織でも同様で、両手や両足も骨で支え

られているし体も脊柱で支えられている。

この骨を丈夫にする働きを腎臓の役割の

担当者が担っているということなのだ。

 

カルシウムというのは、法律のような

情報をいう。つまり、法律的な情報を多

く取得したり、投稿したり、集計していく

ことで、組織は骨太になって、丈夫になる

ということだ。

 

オンボーディング・プロセスでも、法律

については、全省庁の動向を注視し、

改正にしっかり対応していくことを研修

で教えていく。

例えば、厚生労働相がらみでいうと、

2021年4月から同一労働同一賃金が

中小企業にも適用される。

それに伴う、施行規則やQ&Aも随時出さ

れており、評価制度や対象となる相手の

選別、手当類、割増し賃金、教育訓練、

交通費、退職金、賞与、出張規定にまで

ありとあらゆる項目が、同一労働同一

賃金の比較検討項目となっている。

この項目に対し、どれほどの差異がある

のかを調べたり、差がある場合の理由を

文章化したりと、やるべきことは多い。

 

このような事例を座学で教育し、全省庁

へのアンテナを張ることを教えていく。

厚生労働相だけでも膨大なのに、総務相、

法務省、経済産業相、外務省、などなど

を考慮していくと膨大な情報量となる。

それゆえ、アンテナを張りつつ、他の

組織の腎臓の担当者ともネットワークで

つながりながら、手分けして担当省庁を

もつなど、工夫は必要だろう。

 

いずれにしても、このような法律がらみ

の情報をしっかりと組織にもフィード

バックし、各メンバーが法に詳しくなる

だけでも、組織は骨太になり、安定して

くる。従来の組織では、法務部任せに

なっていたり、管理職任せになって、

各メンバーが法律に興味を持つことが

少なかったのであろう。

実は、ここが盲点であって、組織を強く

するには、まず骨をしっかりと強くして

いき、そこから動きを俊敏にしていく等

のことをしていけばよいのだ。

全省庁の法改正に対応していくには、

それなりの意識と体制を組まないと難し

く、細かいところまで押さえていくと

なると、大変な労力なのだ。

研修では、このようなことも教えていく

と良いのであろう。

 

 

・他臓器との強い相関をもつ。

・肝腎相関について

・心腎連関について

・腸腎連関について

他の臓器とも深い相関関係を持つのが

腎臓の役割なのである。

 

橫連携、臓器ネットワークについては、

応用編ということになるため、入社当初

のオンボーディング・プロセスで教育する

には少し難易度が高すぎるため、割愛し、

現場で、OJTにて教えてもらうことになる。

 

 

いかがであろう。これが腎臓の役割だった。

大きな組織になればなるほど、この腎臓の

役割は複雑になってくる。小さな組織では

さほど連携は難しくないが、大きな組織に

なると外との連携もあるので、より一層

複雑になるのだ。

その複雑に関連した情報関係、人間関係、

そして愛の関係などを読み解き、腎臓の

役割の担当者は日々働き続けるのである。

大変な役割だ。