オンボーディング・プロセス 「脳」の役割を体験③ | 続・ティール組織 研究会のブログ

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ティール組織が話題になっているが、具現化するにはどうしたらよいか?
その研究を続けるにあたり、さらに次の形態である、続・ティール組織なるものまで視野に入れ、具体的な施策・行動内容を研究・支援する会。

先にオンボーディング・プロセスに

ついて記載した。当研究会が考える

オンボーディング・プロセスは「役割」

と「ゆらぎ」を体験してもらうことだ。

その「役割」について暫く記載して

いきたい。

 

”脳”の役割つづき こちらを参照

・創造、想像などをする。

人間の脳には創造の可能性が平等に

与えられている。脳の構造と機能の基礎

は、遺伝子の情報によって決められるに

しても、人間は神経細胞の可塑性を基に

後天的に脳内に情報を表現できる創造の

機能をもっている。

つまり、性格に関わらず、イノベーション

の力は後天的に養われていくのであり、

その方法も複数の方法を表現できると

言うことなのだ。

それをイノベーションの10の人材像と

当方は呼んでおり、その10の人材像を

深く知っていくことで、どうやったら創造的

な脳の使い方が出来るのかが解ってくる

のである。

 

組織でも同様で、脳の役割の担当者が

イノベーションを誘導していく役割となる

のである。人によって得意な方法で創造

していくと、より良いアイデアが生まれる

のであるから、人ごとにきちんとタイプを

把握しておきたいのだ。

イノベーションの10の人材像はこちら

 
オンボーディング・プロセスでは、上記の
イノベーションの10の人材像について、
まずは座学から入る。
次に、実際に自分の得意なタイプを把握
してみる。上記の10の人材像との相性に
ついてで記載したような方法で、自分の
得意なタイプがある程度はわかるだろう。
それがわかれば、現場でもイノベーション
を発揮していけるのであるから、是非把握
しておきたいのだ。
 
そして、実際に10の人材像について体験
してみる。体験に際し、下記の書籍内にて
記載されている体験談などを模倣して教材
1.人類学者
人類学者は人間の行動を観察し、提供さ
れている製品やサービスやスペースと
人間がどのように(身体的にも感情的にも)
相互作用しているかを深く理解することに
よって組織に新しい情報や発見をもたらす。
例えば、ある病院の一室にまる2日間張り
込んで、手術を受ける高齢の患者とずっと
一緒に過ごすとすれば、これは言わば人類
学者のようなことをしているわけで、その
経験が新しい医療サービスの開発に役立
つのである。
 
2.実験者
実験者は常に新しいアイデアのプロトタイプ
をつくりながら、建設的な試行錯誤を繰り返
すことによって新しい情報を得る。計算され
たリスクをおかし、「実験を現実化させる」
ことを通じて成功に達する。
例えば、BMWが従来の広告経路をいっさい
避け、劇場映画レベルの高品質なショート・
フィルムを製作してBMWフィルムズ・ドット
コムで流したとき、この実験が成功するか
どうかは誰にもわからなかった。これが爆発
的に成功して、実験者の功績を明確に示した。
 
3.花粉の運び手
花粉の運び手は異なる業界や文化を探り、
そこで発見したことを自分の事業特有の
ニーズに見合うように変換する。
例えばある柔軟な日本人ビジネス・ウーマン
が5000マイルも旅して新しいブランドに
うってつけの斬新な着想を得たとき、彼女は
海の向こうにあるコンセプトが10億ドルの
小売帝国の火付け役となることを発見して、
花粉の運び手が果たす、テコの作用を実証
した。
 
4.ハードル選手
ハードル選手はイノベーションに至る道程に
多くの障害物がばらまかれていることを知っ
ており、そうした障害物を乗り越えたり、時に
はやり過ごしたりするコツを心得ている。
例えば、数十年前にスコッチ・テープを発明
したスリーエムの社員は、当初そのアイデア
を却下されたが、諦めようとはしなかった。
100ドル未満の購入権限の範囲内に収める
ため、99ドルの発注書に何枚もサインして、
最初のバッチをつくるのにどうしても必要な
機器を購入した。彼の不屈の努力は報いら
れ、スリーエムは数十億ドルの累積収益を
あげた。
 
5.コラボレーター
コラボレーターは多彩な集団をまとめ上げ、
たいてい集団の中央から指揮をとり、新しい
組み合わせや分野横断的なソリューション
を生み出す。
例えば、あるカスタマー・サービスのマネー
ジャーが懐疑的な社内のバイヤーを説き
伏せて、新しい形の協力体制についてブレ
イン・ストーミングするというアイデアを認め
させ、その結果、新しいプログラムによって
会社の売り上げが2倍に伸びた。
 
6.監督
監督は、才能あるキャストやクルーを集め
てくるだけでなく、彼らのクリエイティブな
才能を開花させる手助けもする。
例えば、玩具メーカーのマテルのエグゼ
クティブが臨時チームを結成して「プラティ
プス」というチーム名をつけ、斬新なプロ
セスに着手して、のちに一億ドルを売り上
げる玩具の土台をわずか三ヶ月で作った。
 
7.経験デザイナー
経験デザイナーは、単に機能的なだけで
なく、表に出てこない潜在的な顧客の
ニーズにもっと深いレベルで結びつく、
説得力のある経験デザインをする。
例えば、あるアイスクリーム店がフロー
ズン・デザートをつくる過程を楽しいドラ
マチックなパフォーマンスに変えるとすれ
ば、その店は新しい顧客経験をデザイン
して成功させていることになる。
 
8.舞台装置家
舞台装置家は、イノベーション・チームの
メンバーに最も良い仕事をさせる舞台を
設営して、ただの物理的環境を、行動や
姿勢に影響をおよぼす強力なツールに
変換する。
例えば、ピクサーやインダストリアル・
ライト・アンド・マジックのような会社は、
適切なオフィス環境がクリエイティブな
文化の育成や維持の一助となれること
を認識している。ビジネス・チームが
空間を改装しあことによって使えるスペ
ースが2倍になったり、スポーツ・チーム
が新しいスタジアムに移ったとたん再び
勝てるようになったりしたら、それはまさ
しく舞台装置家の価値を証明している。
 
9.介護人
介護人は、理想的な医療専門家がやっ
ているように、単なるサービスを超えた
ケアを顧客に提供する。優れた介護人
は顧客のニーズを予測し、つねに即応
できるようにする。
例えば本当に求められているサービス
がそこにあるのを目にしたとき、その
中心にはたいてい介護人がいる。
決して見下した態度は取らずにワイン
の喜びを満喫する方法を顧客に教えて
いるマンハッタンのワイン・ショップは、
介護人の役割がどういうものであるか
を示している。
 
10.語り部
語り部は、人間の根本的な価値を伝え
たり、特定の文化の特質を強固にした
りする説得力に満ちた語りを通じて、
内部の士気を高め、外部からの評判
も高める。
例えば、デルやスターバックスなどの
会社には多くの企業伝説があり、それ
が会社のブランドを支え、チーム内に
仲間意識を培っている。製品のイノベ
ーションと右肩上がりの成長率で知ら
れる医療機器のメドトロニック社は、
自社の製品が顧客の生活をどう変えた
か、さらには生命を救ったか、を顧客
自身に話してもらい、彼らの心からなる
正直なストーリーテリングで、自社の
文化を強化している。
 
 

・食欲、性欲などの欲を司る。

組織でいう性欲とは、男性性と女性性の

統合という解釈をすると、どちらの性でも

充分に活躍の余地がある組織となってい

るし、女性の目線が必要となる場面も多く、

しっかりと意見を求める動きも必要となる。

 

男性だけでなく、女性が求められる環境

を作りだしていくのも脳の役割の担当者

ということになる。以前にも記載したが、

男性性は感情を制限する枠の数が多く、

自由に感情を動かしにくく理性で感情を

動かすことしかできない。

それに対し女性性は感情を制限する枠

の数が少なく、自由に感情を動かせる。

 

 

それゆえ、感情をもっと表現していい!

という雰囲気作りも重要であり、論理で

相手をねじ伏せるディベート的な達人が

認められるという雰囲気を変えていかね

ばならない。ティベートでいくら相手を打

ち負かし、勝者となったところで誰からも

共感されねば、ゆらぎの1つも起こせない

のであり、プロジェクトに発展させることも

できず、ティール組織では活躍の場が無

くなってしまうのだから。

 

勝者になることよりも、共感を得るという

SNS的なビジネスがティール組織では、

主流になるのであり、従来までの勝者の

理論はもはや通用しないので変えていか

ねばならない。もっと感情を表現していき、

共感を得られるような言動を多用してい

かねばならないのだ。それを脳の役割の

担当者が誘導していくことになる。

重要な仕事だ。

 

オンボーディング・プロセスにおいて、

ティール組織で大切になる感情表現と

いうものを強化しておく必要がある。

喜怒哀楽という感情を自由に表現でき

ることが、共感を得られる条件となって

くるのだから。従来の組織ではインテリ

の理論責めの冷たい目をした人が出世

していくという階層社会であった。しかし、

ティール組織には階層がない。代わりに

あるのは共感社会であり、共感されて

一気にいいね!やシェア!によって

拡散されて広まるというビジネスモデル

が市場だけでなく、会社の組織内にも

導入されるようになる。想像が出来ない

かもしれないが、それがティール組織と

いうものなのだ。

 

演劇トレーニングで、喜怒哀楽を1つ

ずつ表現していくトレーニングは、とても

難しいし、やっておく必要がある。

演技力の向上には、単に台詞を言えば

良いわけではない。笑いは腹から笑う

必要があるし、怒るには怒る理由に注

目していかねばならないし、悲しみでは

涙が溢れるし、楽しみでは体いっぱい

に楽しさを表現せねばならない。

詳細はこちら

 

 

・痛い、熱いなどの感覚を司る。

組織体として痛い、苦しいなどの感情を

部長が全面的に担っている。会社から

求められる目標に対し、達成できなけれ

ば、責任をとるという痛さも痛感するし、

危機も察知するという感覚もある。

 

このような感覚は、第3次元の会社や、

第4次元の団体・連合会といった次元

に意識を合わせていないと得られない

感覚なのだ。

第2次元の組織だけを見ていれば、

会社全体が苦しんでいるとか、痛いと

いうような感覚がわからないのだ。

だからこそ、脳の役割の担当者がこの

ような感覚を代弁して伝えていかねば

ならないのだ。

その伝え方は、神経系ネットワークの

神経伝達物質なるものを投下して伝達

していくことになるのだから、複雑怪奇

な伝わり方をしていくということだ。

以下こちらを参照

 

オンボーディング・プロセスでは、痛み

について体験してもらう。

1次元の肉体での痛みは誰もが知る

ところであろうから、良い。

2次元の組織での痛みも自分に降り

かかるのでわかるだろう。

3次元の会社での痛みとなると、社長

であれば自分に降りかかるのでわかる

のだが、従業員となると当事者意識が

なければ痛みがわからない。

4次元の団体・連合会も同様だ。

 

よって、当事者意識というものが痛みを

知る最大のポイントということになる。

それゆえ、会社の実際の失敗事例等

を教材として、経営者の立場となって

判断する体験をしてもらう。

当事者として判断してもらった結果が

どうなるかも模擬でやってもらえば

良い。そうすればリアルに感覚がつか

めるのであるから。

 

このような研修をしていくと、当事者

意識を持つことがいかに難しいことか

がわかる。耐えきれないほどの責任

が降りかかるので、とても苦しいのだ。

それゆえ、当事者意識を持つには覚悟

が必要となる。脳の役割の担当者は

その覚悟を持った人がなるべき役割

なのである。

 

 

いかがであろうか。

脳の役割の担当者についての記載

であった。さらに続きは次回記載して

いきたい。