『北海道の地質的景観』 第1回 北海道の成り立ち | 奈良の鹿たち

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『北海道の地質的景観』 

第1回

<北海道の成り立ち>

 

北海道は日高山脈から大雪山を境に東側の地域と、石狩低地を挟んで西の渡島半島の地域が衝突して現在の姿になりました。ふたつの地域は全く別の成り立ちで、東側(日高・大雪山~知床)は海洋で、西側(札幌~函館)は大陸で生まれました。両方のプレートのせめぎ合いで境目の日高山脈が隆起し、反動ですぐ西の石狩低地(石狩川流域)が出来ました。

 

●8000万年前

北海道はまだ、大陸の一部とその島々などで、何千kmもの範囲に散らばっていました。海ではアンモナイトや海棲は虫類などが生息していました。北海道の西半分はユーラシア大陸の一部(西方古陸)、東半分はそのはるか沖に浮かぶ島々(オホーツク古陸)でした。

 

●4500万年前 

プレートの動きによって北海道の西半分の大地は、次第にユーラシア大陸に近づいていきました。やがてぶつかり合うようになり、境目で大地は盛り上がって高い山脈をつくりました。

陸地には広大な湿地に、のちの石炭を生み出す森林が広がっていました。

 

●4000万年前

北海道の東西地域のあいだはプレートの衝突で深い海になり、現在では想像もつかない景観でした。

 

2000万年前

北海道の大地はほぼ現在の位置にやってきました。激しくぶつかり合う大地の境目では、のちの日高山脈となる高い山地が隆起していきました。またその反動で西側の地殻が押し下げられました。

 

●300万年前

激しくなった大地のぶつかり合いによって、ついに地球の地下深くのマントルの上部で形成された岩石が地表近くまで顔を出すようになりました(アポイ岳のかんらん岩)。

一方で、北海道をとりまく台地では巨大な割れ目から膨大な溶岩が噴き出し、そこに海水が入り込んで海へと姿を変えていきました(石狩低地)。そして北海道のあちこちで火山活動が激しくなりました(知床半島)。このころ、白滝では黒曜石が形成されました。

 

●2万年前

その後、地球はだんだん寒くなり、厳しい寒冷期(氷期)と間氷期を繰り返しました。山に降った雪はそのまま融けずに残り、一部は氷河となって日高山脈などの高い山を削っていきました(幌尻岳のカール)。陸地に降った雪が融けなくなり氷河が成長したことで海面は大きく下がり、陸続きになった大陸からはマンモスやオオカミ、オオツニジカ、ナウマン象などの動物と、それらを追いかけて大陸人たちもやってきました。

 

●現在

地球はだんだんと暖かくなり、氷河や雪や氷が溶けたことで海面は再び上昇し、北海道は今のような島となりました。寒い時代に北海道に住み着いていた動物や植物は、高山などの涼しいところを見つけ、今はそこをすみかとしていまする(エゾナキウサギ)。

プレートのぶつかり合いは今も続き、それによって北海道では多くの火山が活動し地震も頻発ますいます。

 

 

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次回は 第2回 「知床半島」

 

 

(担当 G)

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