『北海道の地質的景観』
第2回
<知床半島>
知床半島が世界自然遺産にに登録された評価内容は、①生物の多様性 ②生態系 です。
①生物の多様性は、種類の多い生物が生存していることです。ヒグマ、エゾシカ、シマフクロウ、オジロワシ、キタキツネ、サケ、マスなど多くの種類が上げられます。
②生態系は、食物連鎖のみごとさです。流氷による植物プランクトン⇒マス・サケ⇒ヒグマ・ワシ・フクロウといった一連のものです。
険しい地形のため、人の入植が限られ、それによって自然がそのまま保たれました。
知床半島北西側の海岸線
激しい波浪による浸食の為、切り立った海食崖が続いています。数百万年前の海底火山の噴火でできた凝灰角礫岩などからできています。柱状節理や海に流れ込んだ溶岩が見られます。
知床連山
知床連山は、数百万年前にかつて海底だったところが、海底火山の押上げで半島中央部が盛り上がって羅臼岳や硫黄山といった新しい火山の連山となりました。カムチャッカ半島まで続く火山群で、噴出するマグマは千島海溝での太平洋プレートの沈み込みによって押し上げられました。
知床岬
標高30~40mの台地で、周辺は断崖となっています。
特別保護区として、一般観光客の接岸、立ち入りは出来ません。
オシンコシンの滝
第三紀中新世の頁岩層に粗粒玄武岩の岩脈が貫入するという地下でのマグマの活動に加え、オホーツク海の激しい風化作用によって岩石が浸食されて生まれました。美しい縞模様が特徴となり、横向きの柱状節理と岩柱に直角に発達する縞状構造が見られます。
カシュニの滝
滝のかかる断崖は、数百万年前の海底火山でできた凝灰角礫岩などからできています。
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次回は 第3回「有珠山・昭和新山」
(担当 G)
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