覚え書き 今年、2013年を振り返って | なかのたいとうの『童話的私生活』

覚え書き 今年、2013年を振り返って

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振り返ってみれば、今年は体調が優れない1年でした。

昨年の今頃から既に調子は下り坂で、年末年始、2月下旬、4月、5月と、航空機が着陸体勢に入って段階的に高度を落としていくかのように、節々で病状は悪化していきます。

けれども、そうした中でも地上すれすれで推力を取り戻し、やがては上昇するはずなんだという錯覚、あるいは妄想は消えることがなく、夏を迎えることになります。

今年の夏の気候は不順の域を通り越して、熾烈で過酷なものでした。

それが弱った体に最後の一撃を与えたのでしょう。

結局、このままでは墜落は避けられないと、自分の判断で主治医のもとを訪れ、秋は病院で過ごすことになります。

結果論でしかないわけですが、ソフトランディングする道を選択したというわけです。

人は、たとえその生きる世界が、どれほど小さく縮退していようと、うまく順応してしまいます。

様々な環境に対応していくこの適応能力こそが人類繁栄の鍵なはずなのですが、同時にそれは破滅へのトリガーともなります。

近いものほど、じつはよく見えません。

身近なものへ向けられる視線は、どうしても微視的なものになりがちで、その近さゆえに俯瞰できているはずだという思い込みを孕むことにもなります。

いかに客観的であり続けられるか。

いかに自己と距離を保って巨視的な視点で自分を見つめられるか。

多くの人が語る教訓です。

ただそれは、究極的には不可能です。

フッサールという哲学者が20世紀になるかならないかくらいの時期に起こした現象学しかり、それより以前、仏教の僧坊で星の数ほどの僧侶たちが長い間目指し続けた涅槃寂静の境地しかり。

人は1人では存在不可能な存在であるということを認識していれば、答えはまた違っていたはずです。

自己を客観的に見つめられる存在は他者です。

他者の存在が自己を生むとも言えるでしょうか。

けれども、そうした他者の存在は、ときに不安をもたらします。

その不安と、どう向き合い、どう折り合いをつけられるか。

他者の存在こそが真実の鏡です。

そして絶望に立ち塞がれた世界を抜け出すために必要な鍵、それをもたらす存在もまた、他者なのです。
 
病院から見た新宿の街( IMG_0208 )
大久保(百人町)にある病院から見た新宿の街


というわけで、今年は創作的には完全に不毛な年でした。

結局、8月に電書館から出版された電子マガジン『月天』に載せた短編『死神の住む町1 クタラの魔窟』しか完成させていません。

電書館ロゴ

ただ、その代わりというわけではありませんが、3月(電書館は4月から)から始めたAmazonでの電子出版を通じて、ぼくの過去作、そして他の作家たちの様々な作品の、校正、改訂を行ってきました。

 3月 絵本『つぶっち』(新規制作;ぼくは文章担当)
 3月 童話『灰色の虹』(改訂)
 4月 童話『雪だるまのアルフレッド』(改訂)
 5月 絵本『くじらのましゅう』(挿絵追加)
 5月 絵本『はりねずみのふぃりっぽ』(挿絵追加)
 5月 絵本『ねずみのらんす』(挿絵追加)
 5月 小説『深海の鼓動』(ズズキヒデアキ氏に寄稿を依頼)
 6月 絵本『こうもりおばさん』(新規制作)
 8月 雑誌『月天』(寄稿)
12月 絵本『るどるふ』

ぼくが直接関わった作品だけ数えても10作品あります。

調子が悪い中でよくできたものだと、今、あらためて思います。

ただ、そうはいっても、ブログの更新がなかなかできなかったりしましたので、挿絵が追加されている絵本作品に関しては特に、もう少し詳しくこのブログで解説できればよかったと思っています。

2013_Xmas_campaign

さて、去年制作して、先頃電子版を出版した最新刊の絵本『るどるふ』は、クリスマスのお話しですので、昨年同様、クリスマスプレゼントとして皆さんのもとへお届けできればと考えています。

去年のちょうど今頃は、必死で『るどるふ』を製本していたはずです。

絵本『るどるふ』をはじめ、絵本『つぶっち』、童話『灰色の虹』、童話『雪だるまのアルフレッド』の4作が、クリスマス無料キャンペーンの対象です。


Amazon Kindle PaperWhite / Kindle fire / Kindle fire HD、Apple iPhone / iPod touch / iPad用のKindleアプリ、一部機種を除く各種Androidスマートフォンまたはタブレット用のKindleアプリで見ることができます。

12月20日(金)夕方より12月25日(水)夕方まで無料キャンペーンを行っています。

この機会にぜひダウンロードされて電子書籍を体験してみてはいかがでしょう。

なお、無料キャンペーン中の『月天』を入手する手順は以下の通りです。
1)Amazon.co.jpのアカウントを作成する(無料)
  http://www.amazon.co.jp
2)お手持ちのスマートフォンまたはタブレットにKindleアプリをダウンロードする(無料)
  http://amzn.to/16esNpI
3)ダウンロードしたKindleアプリを開き、サインインする(Amazonに端末が登録されます)
4)無料キャンペーン中の作品をゲット
 『るどるふ』 http://amzn.to/1gIGsdC
 『つぶっち』 http://amzn.to/151oZ5C
 『灰色の虹』 http://amzn.to/11YoVDM
 『雪だるまのアルフレッド』 http://amzn.to/17b4YNS

※Kindle本は誤購入を防ぐためAmazonに事前に登録された端末がなければ入手できないシステムになっています







 
なかのたいとう童話の森 出版局


現在、以下の本がAmazon Kindleストアで販売中です。

Kindle PaperWhite / Kindle fire / Kindle fire HD / iPhone, iPod touch & iPad版Kindleアプリ / Android版Kindleアプリで、ご覧いただけます

 
また、2012年9月に開催されたTHE TOKYO ART BOOK FAIR 2012に向けて制作した本は、価格を改定した上で、在庫があるうちは販売を継続しています。

下記のお問い合わせ先にご連絡いただければ、折り返しご連絡いたします。
なかのたいとう童話連絡先
Book:
¥1,200
深海の鼓動』×ナオゲリータ[B5判 12ページ]
灰色の虹』 ×菅谷さやか[B5判 38ページ]
雪だるまのアルフレッド』×和華[B5判 42ページ]
オイディプスとスフィンクス』×相田木目[B5判 52ページ]
くじらのましゅう』×鏡安希[B5判 22ページ カラー挿絵8枚]
はりねずみのふぃりっぽ』 ×たぐちななえ[B5判 22ページ カラー挿絵7枚]
ねずみのらんす』×かわつゆうき[B5判 22ページ カラー挿絵8枚]
¥2,400
フローラの不思議な本』×鈴木匠子[B5判 211ページ カラー挿絵15枚]
ZINE:
無料
side by side 』×実鈴×小野祐佳
(『夜空の星と一輪の花』の朗読CD付き(朗読:我竜麻里子))
[A5判 オールカラー34ページ]
※本をお買い上げ頂いた方には無料で差し上げます
※送料分の切手(¥200)をご送付願えれば郵送いたします
Audio Book:
¥600
朗読『くじらのましゅう』×我竜麻里子 [オーディオCD 7分23秒]
朗読『はりねずみのふぃりっぽ』×我竜麻里子 [オーディオCD 7分56秒]
朗読『ねずみのらんす』×我竜麻里子 [オーディオCD 6分09秒]
朗読『雪だるまのアルフレッド』×我竜麻里子 [オーディオCD 53分04秒]
朗読『灰色の虹』×我竜麻里子 [オーディオCD 50分弱]
送料一律 ¥500(ただし1回で送れる量を超えた場合は別途ご相談)

 

なかのたいとう童話の森は、童話作家なかのたいとうの個人出版レーベルです。自作の出版の他、絵本、童話、児童小説を電子書籍で自費出版したいという方たちのための窓口として2013年に設けられました。初期コストをかけずに出版することは可能ですので、自作の電子書籍化をお考えの方はぜひご相談ください。


また、なかのたいとう童話の森は、電子書籍専門のインディーズブック出版レーベル 電書館 (http://denshokan.jp) に協賛しています。以下のタイトルが電書館より発売中です。
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