だから構造家は、楽しい -32ページ目

近代都市計画的農園

僕の事務所の目の前には世田谷区の区民農園があります。


4月17日定点1


先日まで、とある仮設庁舎が建っていたのですが、その本庁舎の建替えが済んで元の場所に戻っていったその跡地なのです。


農地ではなかったところを農地にしたばかりのこの農園。


近代都市計画のごとく綺麗に区画され、区画毎にナンバリングまでされています。(白い札に番号が書かれています)


定年退職したばかりの感じの60代くらいの夫婦が平日午前中からせっせと耕している区画もあれば、親子連れが土日にだけ土いじりに来ている区画もあり、耕作の状況に差がありとても面白いです。


耕す方向がX方向の区画もあれば、Y方向の区画もあります。


4月17日定点2


買ってきた苗を植えるところからスタートさせる区画もあれば、種を蒔くところからスタートする区画もあります。

種蒔きどころではなく、まずは藁を巻いて、そもそも土から育ててやろうという区画もあります。


藁敷きタイプ


つい先日まで原っぱみたいだった土地が、ある日突然、無機的に白縄で整然と区画され、そして今は、整然とした区画分けのみを残して全くバラバラに成長していっています。その様子がなんだかシムシティ みたいでとても面白く、僕の毎日の通勤の楽しみの一つになっています。


道路を隔てた僕の事務所内からはこんな感じで見えます。


松もいい感じ


松の葉の根元にある花?も成長中。
そちらはまた後日。

気が利いているということ

事務所にADSL導入+無線LAN化をいたしました。


椅子やデスクトップPCが届いていませんが、

ノートPCや折りたたみ椅子が使えますので、ようやく形が整ってきた感じです。


ADSLモデムや無線LANのルータ、電話機、FAX&プリンタ複合機をほぼ同じ位置にセッティングしているため、それらの電源が1箇所に集中してしまいました。

四つ口(三つ口+一つ口)の蛸足延長ケーブルを引っ張ってきて、そいつにさしています。


で、無線LANルータをcoregaの機器にしたのですが、そのACアダプタがこいつ。


coregaのACアダプタ


通常、コンセントのところに塊があるわけですが、それが真横に飛び出ているのですね。


ので、三つ口の中央に使うと、


ACアダプタ差し込んだ状態


ジャストフィットしてくれました。


ADSLモデムと電話機のアダプタは、従前のタイプなので、もし、このcoregaのアダプタがこのタイプでなければ、うまく収まっていませんでした。


無線LANルータなど、単独で用いられることなどほとんどないわけで、必ず他の機器のアダプタとバッティングします。それを見越しているかのような、こういう気の利いたデザインというのはユーザーとして非常に好感がもてますね。


自分の構造設計でも、何気なく『一般的』と呼ばれる慣習に従って採用してしまっている(=もう少し気配りできたのではないかと思える)ディテールがあるんじゃないかと、ふと考えさせられてしまいました。



迷える子羊

正午すぎ、就職活動中の京大の院生が来所。


午前中にアラップジャパンを訪問した直後に、僕の事務所(世田谷のおんぼろアパート)に来たわけだから、さぞかしそのギャップに驚いたことでしょう。


独立したてのペッペーの事務所ってこんなもんですよ。

しかも、まだ荷物整理がついていないから、ただのガラクタ部屋

もうちょっと落ち着いてから来てもらいたかったところですが、見栄を張ったところでしれてるので「来てもええよ。」と言ってしまいました。


いま進行中のプロジェクトをいくつか紹介したあと、近くのイタリア料理屋で食事。


就職全般に対する、学生からの悩み相談室。

どういう道へ進むべきかかなり迷っていました。

アトリエ系への憧れはあるようでしたが。


独立して仕事をすること・建築家と仕事をするスタイルの面白さなんかは説明できるのだけれど、面白いことばかりではないです。

やはり『安全を担保すること』が最大の使命なわけだから、胃が痛くなる瞬間は多ものですよ。

特に、攻めたデザインをやる場合は、これで良いのだとジャッジしていくのに普段の倍以上に神経を使うし。


僕は僕自身を否定するわけにはいかないので、「アトリエ系はやめとけ」などとは決して言わないし、かといって、パラダイスだとはとてもじゃないけれど言えません。


なんぼ有名な会社かって、いつつぶれるかわかれへん。

ゼネコンの設計部に入ったつもりでも施工部門への異動命令が出るかもしれん。

外資系なら、その会社が日本から撤退しないって保証は誰がしてくれるんか。

アトリエ系は給料も低めやし、そこから独立しても収入なんて誰も保証してくれへん。


悪いこと考え出したらキリがないんやから、極力ポジティブに行ってください。


ま、何事にしても最後は本人の腹のくくり方次第。

設計って多くの可能性を捨てて一つに決断することですから。

大手だろうがアトリエだろうが、腹のくくれない人にはそもそも向かない仕事だと僕は思います。


前向きに考えるための言葉であれば、いくらでも聞かせてあげるから、迷ったらまた遊びに来て下さい。


また京都でも会いましょう。




入園式

朝から二女の入園式


昨日の自分の入学式はサボりましが、さすがに娘の入園式はサボれません。


二人目ともなると、余裕をもって臨めます。


幼稚園そのものにも随分慣れましたし。

できる先生・イマイチな先生の区別もつきます。


周りの父兄を見ても、


あ、この人、一人目の入園式だな。


ということもすぐにわかります。

一人目の親は妙にソワソワしていますから。


そんな風に自分の子供以外のことを冷静に観察しちゃったりしてました。


悪く言えば、緊張感がありません


長女のときと同じ位に感激してあげたいところですが、中々そうはいかないのが二女の宿命

(僕自身も2番目の子供だったので、自分もきっとそうだったんだろうな、と今になって思います。)


長女とくらべ、ややモジモジしがちな二女ですが、何とかやっていけそうな雰囲気は醸し出してました。

長女が同じ幼稚園に在籍していて先生からの覚えも良い、という強みもあるでしょう。


長女のときと同じほどに二女のことが心配にならないのが、親として良いことなのか悪いことなのかがイマイチ判断しづらいところです。



夷川通りと大龍堂書店

あいにくの小雨模様ということもあり、子供をつれ、こどもみらい館 へ。


つれて来てしまえば、後は勝手に遊んでくれるので、比較的楽な家族サービス。


こういうところへ来ると、家庭内だけではわからない躾だとか性格だとかがよくわかります。順番を守ったりすることは出来るほうでした。


しかし、紙芝居を見るとき、周りの子は、正座したり、きちんと座っているというのに、なぜかうちの子だけは、馬(ロディ)に乗ったまま・・・。

なぜ降りぬ・・・
↑一番です。エラそうに。


なぜ降りぬ・・・。父の馬好が遺伝したか・・・。


途中、子守を家内と母に任せ、夷川通りを河原町方面へ散策。

夷川通りは、家具専門店街です。


京都らしく座敷机専門店なんかもあります。

座敷机専門店

↑櫻井さん


火鉢も店頭に山積みです。

万市

↑万市さん



家具の宮崎さんは、うちの親戚筋です。(3代前が従兄弟同士だそうな)

宮崎

新館も近日オープンするみたいです。

実家に案内状が届いておりました。


で、夷川通りを西に歩いた理由は、京都の建築専門書店である大龍堂書店 へ注文の品を取りにいくため。


京都市内ボーリングデータ集を購入しました。


そんなに詳しいものではありませんが、ざっくりと概要を把握するには十分に役立ちそうです。

京都が全般的に良好な礫質層の上にできた都市であることがわかりました。

やはり1200年もの間住み続けてきた事実(=歴史)というのはダテではありません。


本当に22000円も払って手に入れる必要があったかどうかは別として、京都で仕事をやっていくんだという自己暗示をかけるというか気合を入れるために買いました。


リフレッシュ休暇も今日でおしまい。


明日は朝11時半から大学で新入生ガイダンス。


大学の用を済ませた後は、午後3時から森田さんと打合せ。

いよいよ京都の建築家との仕事がスタートします。


夜には東京へ戻ります。


スタッフ候補生?第2号

午後イチで授業料免除申請の手続き。


久々に農学部前のコレクションでオムライスを食べる。


その後、バス・電車を乗り継いで桂キャンパスへ。

掲示板で6日午前にガイダンスがあることを知る。


(というわけで、東京に戻るのは1日遅れ、6日夜となります。)


3Fの教授室に移動し、先生・助手と打ち合わせ。

今年前半の研究の進め方について議論。

まずは、過去に設計された実建物について動的応答解析を行い試設計的な作業を通して、今後の見通しを立てていくことに。

いよいよ研究活動もスタート。


打ち合わせ終了後研究室へ挨拶へ。

丁度、今年度の修士の学生たちが席替えをしているところだった。

僕の席となる場所は、出て行く留学生の荷物が残っており、使える状態ではなかったけれど、自分の座席も用意してもらえていた。

6日のガイダンス後に再度訪れることを伝え、退散。


その後、四条河原町まで出て、

「建築に密接に関わるスタイルの構造設計に興味があり、僕に会って話を聞いてみたい」

という大阪大学の大学院生に会って食事をする。


僕の出身小学校のすぐ近くに住んでいる等、何かと親近感のわく、好青年でした。

僕へのたどりつき方にも引きの強を感じました。


僕は、佐々木さんの下で7年頑張ってきたのは事実だけれど、今はまだ何の実績もないわけで、過度に期待するんじゃないよ、

ということをまず言い聞かせた上で、僕のスタンスを中心に2時間ちょっと話をする。

あくまでも『僕の』考えです。

色々な人のお話を聞いてみるといいと思いますよ。


京大のYJ君といい、関西の大学からもそうした学生たちが増えてきているのは非常にうれしい限りです。


後に続こうとする若者たちを励ますことができるよう、しっかり頑張っていかねば、と気持ちが引き締まります。


スタッフ候補生?

朝から入学手続き


手続き場所が吉田キャンパスだったので、久々に自転車で賀茂川沿いに下り大学へ。

加茂川

天気もよくとても気持ちよかったです。


あと10日~2週間もすれば、桜も満開となり、もっと気持ちよい風景となるでしょう。



入学手続きの際、4月以降は定収もない独立生計者となることもあり、入学金免除の申請をさせていただきました。

一昔前は、独立生計者はかなりの率で免除してもらっていたようですけれど、独法化後は、予算も厳しく、昨年は88人の申請者のうち1人しか全額免除にならなかったらしい。

どういう結果がでるやら。

とりあえず、半額でもいいから免除してもらいたいところです。


手続き終了後、再び自転車で実家に戻り、午後からは、車で桂キャンパスへ。

研究室に寄って、手続き完了の挨拶をする。


その後、構造設計者になりたいという修士の学生と会って話しをする。

彼は計画系の研究室に在籍しているのだけれど、スイスへの留学・実務研修を経て、構造設計者になりたいと思ったそうだ。


計画系で修士まで進んでしまっていることを踏まえ、今後、構造設計者としてちゃんとやっていけるのか?という不安が少しばかりあるようでした。

僕自身が、ここまでやってこれたのは、一重に独立へのモチベーションを保てたからだと思っています。


実務をやり始めて2年目の終わりころのことですが、

「自分は本当に構造設計に向いているか?このまま構造設計を続けるのは適切か?」

ということを将来を見据えてちゃんと冷静に考えましたよ。


ので「何となく惰性で建築の仕事をやっている感じ」が伝わってくる人はあまり好きにはなれません。

とくに「建築学科に入っちゃったんで、建築関係の中で仕事を探してます」的な人や

「(つまらないプライドが原因で)後戻りできなくなってしまっているだけなのに前を向いているフリしてごまかしている」感じが伝わってくる人は、ゴメンナサイサヨウナラ、です。


今日の学生さんは、建築に対する自分の言葉をもっており、意識・モチベーションの高い点は非常に評価できました。

もちろん、構造系の修士の学生並みの成績を修めてくれればもっと評価できるわけですが。

今の所属が計画系とは言え、京大の院試に受かっているのだから、常識的に考えれば構造系の学部卒レベルの知識はあるということでしょう。あとは、この1年しっかり高い意識を持って構造の勉強をすれば、いいんじゃないでしょうか。


僕の事務所がうまく軌道にのれば、早速にでも採用してあげたいところだけれど、どこまで仕事を増やすことができるか全く読めないので、今は確約できません。

前向きには考えておいてあげるけれど、僕はきちんと賃金を支払ってあげられる会社にしたいしね。


ちょくちょく京都には行くわけだから、京都の現場とかは連れて行ってあげるし、バイトもさせてあげますよ。

とにかく、今しばらくはしっかり構造お勉強を頑張ってください。

実力が備わっていれば、どこででもやっていけますから。


僕も早くスタッフを持てるよう頑張ります。

(が、妙な期待はしないでください)



高耐候性鋼

夕方、伊東事務所にて住友金属の技術者を交えて打合せ。


高耐候性鋼板を構造かつ仕上げとして用いるか否かの判断をそろそろしないといけない。


メーカーの技術者と話すのは、面白いというか、色々とためになります。


高耐候性鋼なのに、錆びるんですか?

錆と腐食の違いって何?

高耐候性鋼を室内で使うのはよろしくないって、どうして?


錆ってわかりづらくて苦手なんです。


が、今日は、その苦手意識から脱却することができました。


わかっていながら、ついつい、忘れがちなのですが、

普段ついつい「鉄」と呼んでしまっているその材料は「」であるということ。

Feが「鉄」の元素記号なわけですが、「鋼」はFeの塊ではなく、炭素やらニッケルやらクロムやら、

色々と混ざっていて、ようするに合金なのです。

高対候性鋼も、普通鋼と呼んでいるものから、組成の割合を少し変えて作ることで、腐食しにくい鋼材としているわけです。

そして、ひとつの鋼部材や鋼板においても、分子レベルでの状態は均一ではなく電位にも差があるそうですね。


「錆」っていう言葉が漠然としすぎているのでわかりづらいのですが、結局は、電位差からe-が移動して化学反応が生じて「錆」と呼ばれるものに状態が変化するわけで、電池と同じ原理によっているのだとわかると、

 水に触れると錆やすい

 海辺だと錆やすい

 キズがつくとそこから錆びる

 溶接部から錆が出やすい

といった風に、これまで漠然と別々に理解していたことが、

1つの事象としてにスーッと身体に入ってきました。


僕は、こうした、

『腑に落ちない』 から 『合点が行く』

へシフトする瞬間が昔から好きです。


性質を逐一暗記するのではなく、化学で考えればよかっただけの話しです。

駿台の石川正明先生の化学の授業が懐かしいです。


構造設計をやっていると、物理的思考に頭の中が支配されがちなのですが、

こうやって、ふっと化学などの普段とは違う位置に視点を移動せてみと、妙なしこりも取れたりするもんですね。

忘れていた大事な原則を思い出したという感じです。



化学的思考とは別のことですが、これまで誤解していたことがありました。

それは、

 高耐候性鋼=コールテン鋼

だと思っていたこと。

コールテン(COR-TEN)、というのは、新日鐵系の商品名 だそうです。

ので、今日の住友金属の人は、コールテン鋼とは決して言いませんでした。


ウォークマンはソニーの商品名、というのと同じ話ですね。



Kodak EasyShare V570

買ってしまいました。


Kodak V570

Kodak EasyShare V570 です。


昨年末あたりから、デジカメを買い換えるつもりで色々と検討していたのですが、どの製品も決め手に欠けており、結局年を越していました。


そして、今年になって登場してきたのがこの製品でした。


特徴は見た目の通り、二眼レンズ


39ミリ―117ミリの標準サイズレンズに加え、広角23ミリのレンズも搭載しています


建物外観や室内を撮影することが多いものですから、気軽に持ち歩ける広角が欲しかったのです。

一眼レフみたいなごっついボディじゃなくて。


小型デジカメにコンバータをつけるのも「なんか違うなぁ・・・。」と、納得できていなくて、まさにこういう製品を待ち望んでいたのです。

Kodakさん、ありがとう。


とった写真たちは、このブログにもちびちびとアップして行きたいと思います。


さぁ、あと5週間。


鮭の会

shu先輩から、おいしそうな鮭をたくさんいただいたので、スタッフを家に招き鮭パーティを開くことに。


当初の予定では、今日のボスは大学に行ったまま直帰だったので、スタッフも8時頃で退社するつもりでした。

しかし、ボスが5時に事務所での予定を入れて戻って来たもんだから、ボスが帰るまで帰れない、という展開に。


10時半、ようやく、ボスが退社。


鮭パーティーの開催を迷ったけれど、僕が日曜の法事のために、明日の夜から京都に戻ることが決まっていたので、「鮮度が命」、ということで、予定決行。


家についたのは11時半頃でしたが、

それからちゃんちゃん焼きを作りいただきました。


ちゃんちゃん焼き


↑銀鮭にトラ鮭をミソベースで


おいしゅうございました。

3時頃まで、飲んだでしょうか。。。


shu先輩、ごちそうさまでした。