モノローグ㉝
つくばマラソンでラン仲間の古山 誠さんから「ゴミ箱ランナー」で走りますとご連絡をいただきまして、M高史もスタート前に応援させていただきました!
ゴミを拾い、ゴミ箱が9回満杯になりながらも、4時間06分で完走された古山さんから熱いゴミ箱RUNレポートをいただきましたので、掲載させていただきます!
【古山 誠さん ゴミ箱RUNレポート】
(原文ママ)
昨日論文を書くと言ってしまったので、その思いを忘れないうちに・・・
どうも文才が無くダラダラと書いたので、お時間のある方だけお付き合いください(^^ゞ
それでも書いていないことはたくさんあるのですが、私の本業ではないのでこの程度でご容赦を(*^_^*)
<どうしてゴミ拾いランを>
9月末に自分の不注意からムチ打ちになってしまい、シカゴを走ってから後遺症に悩まされています。眩暈や吐き気でポイント練習はおろかjogすらやる気力が湧かず、つくばも棄権しようかと悶々としていました。
ところが、M高史さんのブログでさいたま国際でゴミ拾いして完走された方が掲載されていて、これなら退屈せずにロング走になるいいトレーニングかな、と直感。
https://ameblo.jp/monomane-athlete-mikami/entry-12328133951.html
すぐに連絡を取り、彼の「公認ゴミ拾いランナー」として準備して当日を迎えました。
<想定>
ペースも何もわからないので、とりあえず基本キロ5で。ゴミを見つけたら止まって拾って、多分4時間から4時間半くらいでゴールかな、というイメージを持ちました。
ゴミは多分ジェルの袋だろうな?
でもさいたまの方のように3回も一杯になるんだろうか?
給水所はボランティア方が掃除するからお任せしてスルーだ。
とか、浅い考えのままスタート
Aブロックではありましたが、やはり背負いカゴはシリアスランナーには危険なので、沿道でスタートを見送り、自分のペースに合うBブロックの後半くらいで出発です。
<レース中の気づき>
1.掛けられる言葉
お疲れさま、って言われるのは想定通りでした。
沿道の皆さんからは「えぇ~」って叫ばれるのが殆ど・・・
でも、ランナーの皆さんから「ありがとうございます」って言われることが一番多かったのは意外でした。彼らはゴミを捨てているわけでもないのに・・・
自分がシリアスランの時もそういう気持ちをもっと持たなきゃ、と思わせてくれました。
2.ゴミの種類
a. ジェル:これがもちろん一番目立つのですが、拾っていくうちに「序盤・中盤・終盤」で違いがあることに気づきます。
(商品)序盤、圧倒的にあるメーカーの特定商品ばかりでした。
ところが、中盤、終盤と別のメーカーのものに変わっていくんです。
想定できるもの
意外だったもの
あるいは全体を通して安定的に?落ちているもの
ここでは具体名は挙げませんが、面白い傾向がありました。
(状態)これがまた序盤・中盤・終盤で違うんです。
序盤はポケットから滑り落ちた真っ新のジェルが多く落ちていて勿体無いからいくつか持って帰ろうか、と思ったくらいでした・・・が、あっという間にゴミ拾いが忙しくなってきてそんな気持ちも消えましたが。
中盤は、来るべき後半に備えてしっかりエネルギーを摂るんでしょうね、皺くちゃになった袋が拾いやすかったです。
ところが、30㎞以降になると頭も指先も動きが悪くなるんでしょうね。中途半端に開いた切り口からジェルがはみ出たままの状態のものが多くなり、これを拾っているうちに手袋の臭いがおかしくなってきました(^^ゞ
b. 拾い辛いもの
① ベタベタのジェル:これは上に書いた通りです
② 個包装のサプリ・飴:小さくてたくさん散らばっているので程なく拾うのを止めました。このフィルムは無害で割と簡単に分解されるので放置しても問題ありません(一応、商売上フィルムのプロ)。
③ スクリューキャップ:ジェルの吸い口、小さくて拾いづらい。。。
④ 使い捨てカイロ:いわゆる衣類に付けるタイプです。路面に落ちた後に踏まれたら剥がすのに時間がかかりました。
⑤ ガムテープ:サプリをゼッケンに留めておくのに使うんですね。これもまた路面に貼りついて大変でした。
c. 特徴的なもの
① 手書きメッセージ入り:予定ラップ表は良くあります。仲間や家族からのメッセージはつい見入っちゃいました。ジェル/サプリの投入予定表などもありましたが、そこまで細かく考えるんでしょうかね?
② チップ:30㎞過ぎに、シューズから外れたチップを見つけました。結構若い番号のランナーでサブスリーを目指していたかもしれません。ゴールした時にショックを受けたことでしょう。残念ですが、公式記録は私と同タイムになってしまいました(*^_^*)
3.ランナーのマナーについての議論
SNSやブログでよく「ランナーはタイムよりマナーだ。ゴミは必ずゴミ箱に入れなければ失格だ。」という論調を目にします。
私はそれには反対です。
当然ながらレースに出ている限り、1秒でもタイムを削りたいのが人の心。
時速20㎞(私は14㎞ですが)のスピードランナーがあの段ボール箱に百発百中できるはずがなく、ボラの方がいるので、その付近に捨てる限りは問題ないと思います。
海外レースでは、コース脇に遠慮がちに捨てることもなく、プラスチックカップやジェルの袋、バナナの皮も堂々と路面に捨てるので、スリップ要注意なので(余談ですが、海外は立ショ×にも寛容)、それに比べれば、やはり日本人の美徳は維持されています。
ただし、気を付けなければならないのは、給水所から遠いところでのゴミ捨て。
これは止めなければならないと思います。
4.ランナー以外から出るゴミ
それよりも今回気になったのはこれです。
当初予定ではジェルやサプリが中心と思っていましたが、実際大きなカゴ(W35cm x D25cm x H40cm)が9杯にもなったのは、雨合羽やビニール、古着などの嵩張る物が多かったからなのですが、それ以外の物あったんです。
a. 運転者・歩行者:
6㎞過ぎ、口の堀陸橋を降りて大きな産業道路に出たらゴミが目立ち始めました。序盤なのでランナーゴミが少なく、知人と会話しながら走っていたのですが、程なく中央分離帯に目立つ飲料缶に気づきました。
そう、ドライバーが捨てるコーヒー缶やドリンク剤の瓶、たばこの紙箱などです。
また、15㎞過ぎ、工業団地を抜けて南下していくと田園地帯に入りますが、コンビニのコーヒーカップやポリ袋に入った食品トレイなんかが側溝に溜まっていたり、ひどい時には芝生畑に散乱していたりして、当初はランナーゴミを集めるつもりだったのに、気づけばコースを外れてそっちのゴミ収集に熱中したため、カゴが満杯になる回数が増えました。
b. 応援者のマナー【重要】
これが今回一番残念だったこと。
芝生畑のある20㎞前後付近から、明らかにランナーゴミではないものが目立ちます。
コンビニのおにぎりやサンドイッチの袋の一部です。
明らかに捨てられたばかりであることが分かる新しさ
周囲には住宅も店舗もなく、もちろん推察に過ぎませんが、応援者が仲間が来るまでの間に小腹を満たそうと立ち食いをする、そのゴミです。
当然悪気はないでしょう。
風で飛んじゃった、あるいはポケットからこぼれ出ちゃった、という類だと思いますが、
これは拾っていて悲しくなりました。
また、さすがに40㎞を過ぎるとジェルゴミも無くなるので、さあラストは自分のトレーニングをしようとスピードを上げようとしましたが、ここにもコンビニ食料の袋が散乱。
結局、陸上競技場に入るまで数十m置きに歩道のゴミを拾う羽目になりました。
<準備して良かったもの>
1. トング
前日ふらっと入った100円ショップで見つけたので用意したのですが、これは大正解でした。
おかげで、数百回のランジ繰り返しは浅くて済んだので、今日の筋肉痛は軽くて済んでいます。
(握りばさみによる手のひらの痛みは強いですが・・・)
尤も、走るときに周囲のランナーに先端が当たらないよう留意する必要があったので
給水時も含めて、そこに一番神経を使いました。
2.肩紐に巻くプチプチ
さいたまでゴミ拾いされた方が肩の擦り傷のことを書いておられたので、既製品の肩紐にエアキャップを巻きました。
おかげでレース後の銭湯でも全く問題ありませんでした。
<要改善点>
1. 一度だけ怒鳴られた
立ち止まってのゴミ拾いは後方のランナーの迷惑になりかねません。
なので、1車線の所は回収を諦めて歩道のゴミを拾うとか工夫したり、広い道路でもなるべくアウトコースを走って、斜め前方にゴミを見つけたら、高速道路での本線侵入のごとく、手で合図し、声を出して徐々に減速して停止して拾う、ということで衝突を防止できました。
38㎞過ぎ、折り返しコースに入る直前で、いつものようにゴミを拾っていると数人が左右に分かれて(そのうち何人かは、ご苦労様、ありがとうと言ってくれながら)通過していきました。
ところが、その後のランナーがぶつかってきて怒鳴られてしまいました。
こちらは数人通過したから大丈夫と自己判断していましたが、終盤ですから視野も狭くなり、その時点では彼も恐らくサブ4に向けて必死だったのでしょう。そういう状況ではゴミ拾いとはいえコースの中央で立ち止まっている人は邪魔な障害物以外の何物でもありません。
そういう場面では無理に拾いに行ってはいけないし、拾う場面でも、コースに背を向け、後方に目を配りながら作業する、というルーチンを作る必要がある、と痛感しました。
2. カゴに内袋をつけよう
Amazonで購入したカゴは、山菜取りや選定した小枝を入れるためのもので結構丈夫にできています。
当然、今後使い続けるつもりで購入しました。
ところが、コーヒー、ビール、そして様々な味のジェル、そして古いゴミの中の泥水が混じってドロドロ。
臭いも酷くとても帰りの電車に乗せられる状態ではなくなってしまい、会場で廃棄して来ました。ゴミカゴの分ゴミを増やしてしまう結果となり後悔の念が残ります。
次回からは、丈夫なナイロン袋(東京マラソンで配布されるような)を内袋として、その袋だけを捨てるような形にすべきです。
<雑感>
今回はスピードとしては余裕があったので、ゴミ拾いをしながらいろんなことに気づき、そして考えをめぐらせていました。あと数回同じことをやってデータを集めたら修士論文が書けちゃうような気がします。あるいは特許や実用新案も取っちゃおうかな、くらい刺激的でした。
ランナーのマナー向上を呼び掛けることは簡単です。
ランナー自身もそれを分かっています。
でも、競技者は必死に走っているし、無意識のうちにゴミが落ちてしまうことは仕方ありません。
今回感じたもっと大切なことは、ランナーを支える応援者の意識の向上
そして、大会としてゴミを減らすための「仕組み」を作ることです。
例えば、スタート直後や給水所前後をゴミ捨てゾーンとして、そこに意識的にごみを集めることで、それ以外の場所でのゴミを減らしてゆく
というのも一例かもしれません。
また、大会が自ら「ゴミ拾いランナー隊」を結成するのも一案かもしれません。
今回は私の背中を数千人の方が目撃したはずです。
そういった光景をレース毎に見ていると、皆さんが潜在的にマナーについて意識することになるでしょう(これもサブリミナル効果と言えるのかな?)
それを全面的に打ち出した大会は特徴が出せるでしょうし、それがレースの価値を高め、他の大会にも影響を及ぼす、といったスパイラル効果に繋がれば面白いですね。
なんてことを、昨日のつくばエキスプレスの中で無責任ながら考えていました。
その後は打ち上げでしこたま飲む、普段のおっさんランナーに戻っていましたが・・・(
>_<)
↓↓↓
という詳しすぎるくらいの熱いレポートいただきました!
かすみがうらマラソンでは榎本さん、さいたま国際マラソンでは若林さん、今回のつくばマラソンでは古山さんと少しずつですが、輪が広がってきました!
榎本さんも若林さんも古山さんも自ら志願されて、楽しそうに挑戦されていて、フィニッシュでの笑顔が最高なのが印象的でした!
また他のマラソン大会でも、お掃除ランナーさん、エコランナーさん、クリーンランナーさんとして、ゴミ袋を持ちながら走る活動を何年もコツコツ続けている方もいらっしゃいます。
ゴミ拾いはゴールではなくて入り口だと思っています。
輪が広がっていけば、素晴らしいイノベーションが起こりそうな、そんな道への第一歩だと感じました!
今日のモノローグはゴミ箱ランナーつくばマラソン編でした!
あ、モノローグ(ひとりごと)なのに、自分の言葉あんまり書いてない(笑)
M高史
過去のモノローグはコチラ( ´ ▽ ` )ノ
モノローグ① ~こどもたちの未来~
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モノローグ② ~103歳のおばあちゃんの話~
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モノローグ③ ~ホビチャリティ文化~
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モノローグ④ ~心の余白~
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モノローグ⑤ ~能動的!これからのスポーツ・エンターテイメントを考える~
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モノローグ⑥ ~知識と経験のバランス~
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