大阪の学校を出て、1人暮らしを始めた頃の思い出の味のお話。
今までは寮生活だったので、夢にまで見たひとり暮らし♪
しかし、寮のメシはまずかったな〜〜。
今までのリバウンドが出たというか、真っ先に考えたのが「なんか自分でうまい料理を作って食おう!」です。
ということで、料理本を買うことにしました。
「男の手料理」という「ダメおやじ」の作者である古谷三敏さんの著書。
他にも料理本はたくさん書店に並んでいたのですが、タイトルに惹かれて購入しました。
中身もろくに見ずに買いました。
▼カルビ?ボルシチ?アンコウ?
メシが不味すぎた寮生活・・・めちゃ美味しそうなイメージ♪
しかし、こんな高級な料理食材は初任給ももらっていない僕に買えるはずもない。
▼やっぱり当時の僕にはこの辺りの料理がお似合い♪
イワシとか、実家でもよく食べていたけど、この頃の僕は寮の食堂でメザシとかイワシ料理なんぞ出る事もなく・・・
無性に食べたくなりました♪
何よりもお手軽で安価♪
▼イワシのレシピは2つ載っていましたが、僕が興味を持ったのはこの「さえ汁」なる料理です。
レシピ通りに作ってみたら本当に体がポカポカ温まる美味しい料理でした。
3年後、和歌山に帰ってからもこの料理の他、この本に載っている料理をよく作りました。
文筆家の書く料理本は本当に表現が絶妙で、読んでいるだけで作ってみたくなる料理ばかり。
しかし、誰かにこの本を貸したら又貸ししたようで・・・僕の手元に帰ってくることはありませんでした。
「40年近くも前の本なんて、もうどこにも売ってないだろうな〜?」と、諦め掛けていたのですが、ありました!
古本屋さんに♪
▼早速購入!
で、僕がずっと謎だったのが、図書館でどの文献をみても青森の郷土料理に「さえ汁」なんて料理は出てこない・・・
そこで、「イワシ 料理 大根おろし 東北」でググるとこんなサイトが出てきました。
そこには「さえ汁」ではなく、三平汁と書かれていました。
ことの真実は不明ですが、おそらく岩手の三平汁を食べた青森の人が「さえ汁」と思い込んでしまい、
古谷三敏さんにそう伝えたのか?
それとも青森の方はちゃんと「三平汁」と言ったのに訛りが強くて「さえ汁」と聞き取ってしまったのか・・・?
人づてに伝えられ、言葉が変化して全国に広がっていく。
でも、こういうのって、僕的にはすごくロマンを感じるのです。
▼ということで、思い出の味を再現しましょうか〜♪
イワシの頭とウロコと内臓を取ってから塩をしてしばらくおきます。
その時に浸透圧でドリップが出るので傾けたトレーに並べてドリップが下に落ちるようにします。
こういう手順は「男の手料理」には書かれておりません。
そして、イワシを水で洗い、鍋に湯を沸かしてそこに投入。
塩で味付けしてたっぷりの大根おろしを入れて再沸騰し始めるかな〜?というところで火から下ろす。
▼「イワシのさえ汁」の完成〜〜♪
正式名称が「イワシの三平汁」だろうがなんだろうが、僕の人生の中の記憶は「さえ汁」に他なりません。
岩城滉一さんが李光一さんだろうが、僕に取っては岩城滉一さん。
菅田将暉くんが菅生大将くんだろうが、テレビの視聴者には菅田将暉くん。
それと同じかな?
久しぶりの思い出の味!めちゃくちゃ美味しかったです♪
▼さて、イワシが少し余ったので大好物のイワシの梅煮を作ってみます。
この料理、僕大好きなんです。
ぶり大根のように紀州南高梅の白干梅にイワシの旨味とみりんや砂糖の甘さを染み込ませた料理。
イワシには申し訳ないけど、この料理の主役は梅干しです。
現在、主流となっている調味梅干の原型となったのはこの料理。
和歌山県田辺市の中田食品が「田舎漬」なる商品として販売し始めて大ヒット。
特許を取らなかったので、紀州の梅干し業界は豊かになったというお話。
白飯は自家製の自然栽培ササシグレ。
味噌汁は自家製の麦麹・小糸在来大豆から作った4年ものの麦味噌(具は自家製のほうれん草とコカブ)
自家製の無農薬ナスと赤紫蘇で作った半年ものの京しば漬。
自家製の無農薬からし菜と無農薬無肥料の純粋種の鷹の爪で作ったからし菜漬け。
そして、イワシの梅煮。梅干は紀州南高梅発祥農園の「高田果園」さんの特別栽培白干梅を使いました。
子供の頃はこんな料理。全然ありがたくなくて、ハンバーグとかカレーを食いたかったけど、
今となってはとんでもないご馳走です。
何しろ自分で育てた安全な食材が主体ですから♪