本日は水田の除草作業をお休みしました。
あまりにも腰、脚、腕の披露と痛みが蓄積されてきました。
今ココで無理をすると週末のラストスパートができません。
と言う事で、畦草刈りと水路掃除のみの農作業です。
さて、日々の除草に明け暮れる私にとって、来年の課題は「いかに除草を効率よくするか」です。
楽をすれば中途半端になり、最終的に手で草を抜かなければなりません。
しかし初期の除草を上手にすれば今になってこんな地獄を味逢わなくても済むのではないか?
と、思うのです。
現在は基本は除草剤に頼る除草が主流ですが、農薬を一切使わずに稲作をしようとすると、
まさにそれは昔の農作業をしていると言う事になります。
そこで、思いついたのが、昔の人はどうやって除草していたのか?
いつ、どのタイミングで除草していたのか?
知ってるつもりでも、知らない事がいっぱいあるかも?
また、防獣ネットの無い時代なら、もしかしたら現在では忘れられた獣除けのヒントもあるかもしれない。
そう思って一般には公開されていない、文化財も眠るという、民族歴史資料館に行くことにしました。
まずは町役場に足を運び、その旨を告げると、県教育委員会に案内されました。
その施設は一般には公開されていないので、「なぜ入館したいのか?何を見たいのか?」
等々、県の教育委員会の方々にお逢いして説明すること十数分。
「無農薬でお米を作っています。」「昔ながらの米作りにヒントを得たい」など、色んな理由を述べると、
ようやく許可が下りて、委員会の人2名立ち会いの元、ようやく入館させて頂きました。
▼ココが民族資料館です。
廃校(小学校)をそのまま利用しているようです。
玄関を潜って農具を展示している二階に進みます。
▼階段の踊り場には良い雰囲気の竹籠がずらりと♪
教室に入ってビックリ・・・
想像していたのと違う~~!!
▼民族資料館というよりも、まるで倉庫です。^^;
あまりにも適当に並べられていますが、スゴい品数。
コレをキレイにレイアウトするとこのスペースでは狭すぎますね。
雑然と置かれているのもうなづけます。
すぐに目に飛び込んで来たのは大量の田車です。
やはり、除草器具は田車が主力だったのかな?
▼それ以外の除草器具はこれ。
ひとつは知っているけどひとつは知らない。
▼これは八反取りと呼ばれる除草器具ですね。
この界隈では「田すり」とか「さすり」と呼ばれているもの。
現在でも販売されていて、田車と違う所は三番草辺りから使うと言う事。
そして、株間の除草にも向いていると言う事。
▼謎なのがこれ。
何と言う除草器具なのかな?
プレートも何も無いし、説明も無い・・・
見た感じでは生え始めの小さな草を浮かせるもの?
コレなら稲苗を巻き込まず小さな雑草のみ巻き込んで浮かせる事が出来そう。
しかも、自分でも、作れそうです。
でも、効果あるのかな~?^^;作って効果が無ければガッカリです。
▼これは釘ブラシっぽい木製の除草器具。
名前は・・・
▼がんづめ
缶詰ではなくガンヅメです。
初期の除草に効果的なんですね。
ブラシ除草の様な効果がありそうです。
残念ながら書物・文献はほとんどなくて、防獣対策のヒントになるものはありませんでした。
しかしながら、「今私がしている苦労なんか大した苦労ではない」と、思ってしまう道具を発見。
▼足踏み水車です。
これは水車小屋についている水の流れを利用してまわして動力として用いる水車ではなく、
人力で水を動かす道具のようです。
▼使い方はこう。
通常の用水路は田んぼよりも位置が高く、水を堰とめると水が勝手に入ってきます。
また、田んぼよりも水位が低い水路からはポンプで水を入れる事が出来ます。
それを昔の人は自分で水車を廻して田んぼに水を入れていたんですね。
1枚1枚が大きな田んぼで、それが水持ちの悪いザル田ならこの作業を延々続けなければなりません。
何と言う苦労なんでしょう・・・
やっぱり昔の人ってスゴいです。
昔のお米って本当に地獄の様な苦しみの末にやっと出来る貴重な日本人の主食なんですね。
昔の人、ヤッパリスゴい!
除草についてのヒントも少しはえる事が出来ましたが、
一番の収穫は、昔の人の苦労をまた少しだけ知レタと言う事です。