
ヒョンデの電気自動車の話、第二弾です。
今回は、IONIQ5というモデルになります。以前紹介したKONAの上位モデルです。
見た目からも上位モデル感がすごくて・・・とにかくこの車両を見かけた人が最初に発する言葉は、
「でかい・・・」
そう、とにかく大きな車です。特に横幅が。
乗り込む前に色々と装備の説明を受ける。

なにしろその・・・「未来の車」感を演出したがるデザインの車両で・・・色々と戸惑うのだ。
まず、ドアハンドル。普通のドアハンドルであって欲しい。こんな感じで、外に飛び出してきます。
空力を考えてこのデザインなんだろうけどさ。いいよ。普通にグリップ型のドアハンドルで十分。

埃が溜まっちゃうよな・・・というダッシュボードデザインといい

「え〜と・・・外に出るには、どうしたら?」
と戸惑ってしまう、ドアハンドルレスの内装デザインといい・・・(トヨタのシエンタもインナーハンドルレスですが、ここまでわかりにくくはない。)
デザイナーさんが頑張りすぎている感が、そこここにある車両です。
電気自動車なので、「万が一に備えて」充電方法の説明を丁寧にされます。まあ、以前のKONAで十分な航続距離があることがわかったから聞かなくてもいいんだけど、あまりに一生懸命説明される・・・あれ?
係員さんが戸惑っている。どうやら、開閉キーを有効にするためには、一旦完全にシステムを停止させないといけないらしい。ちゃんと開閉できるところまで再現できて、すごくほっとしてる。一緒に取説を読んだんだけど。普通にプッシュ形のカバーにしてしまうと・・・安全のための動かし方なのかねえ・・・
で、係員さんがこの開閉ポートの操作に戸惑っている間、蓋をじっと見ていて気になったんだけど・・・
多分、この蓋、樹脂一体成形なんだな・・・なんだろう・・・平面度が・・・変。
と思っていたら、最後の外装チェックで、係員さんが一言。
「すいません。この車両、歪んでいるところがあります。」
「へ?グルッと一回りしたけど、そんなに傷ついていると思えなかったけど・・・」
「いえ、このバックドアのところのパーツほら・・・」
え〜と???
ものすっごくチェックが厳しい店舗だということを思い知らされたよ。写真に掲載できないぐらいの歪みを「ちゃんとお客様に伝える。」ことをしっかり実行している店舗だった。まいったな。これ。
電気自動車は、どうしても重くなります。バッテリーを搭載するので。
で、その重さを削減しようと、このIONIQ5では、色々なところに樹脂パーツが使われています。外装に。
で、充電ポートやバックゲート周辺は、恐らく「あれ?開かないな?って感じで、繰り返し”押す”圧力」を加えてしまうんでしょうね。
樹脂パーツは、鉄に比べると復元性があるのですが、それでも完全に復元するわけではないので、歪みが残ってしまうんです。
まあしょうがないよなあ・・・と思うようにしたのですが、どうも、「しょうがないよなあ・・・」では、済まない作りの甘さが、まだまだあるのでは?と・・・この車両。
例えば、ドアサッシュ上部の接着剥がれとか。(フォーカスが合ってないんだけど。)

この外部距離センサー周辺の塗装剥がれとか。

離れたほうがいいか。こんな感じのところに取り付けられているパーツです。

バンパー周辺パーツなので、「石はね?」と思い・・・たい・・・どうだろう?
KONAに比べると、前後パンパーに色々な照明装置が組み込まれているわけではないので、実用性は高まっていると思うのですが、正直ちょっと・・・「心を広く持って、大枚を払う。」覚悟が必要だな。と思いました。

バックドアをついつい手で操作しようとして、周辺樹脂パーツを歪ませてしまうのだと思うのですが、この車両の場合、素直に電動ゲートを活用したほうがいいです。車体が大きいので、ゲート寸法も大きいですし。

荷室は、十分な広さがあります。床面は、相当高い位置ですけどね。

最近は、ミニバンだけじゃないんですね。「網戸」がこの車両にも装備されています。

リヤシートも電動式です。車体が大きいだけあって、足元空間も十分です。

空調にものすごく気を配っています。後席は、Bピラーに送風窓が取り付けられていました。

USB端子は、A-TYPEです。

KONAと同様、BOSEのサウンドシステムが取り付けられているのですが・・・「なんでこうなった?」という音です。
サウンドシステムをただ取り付けるだけじゃダメなんですね。KONAと全然音の広がりが違います。正直、この車両、「音」で悩まされることが多くて・・・
サウンドだけじゃなくて、走り始めるととにかく、室内から、カタカタ、ミシミシ音が・・・
最初のうちは、左上方からのカタカタ音が気になって仕方がなかったです。

大きなガラスサンルーフのシェード開いたら、少しおさまった。
でも、ミシミシ音は収まらない。
「なんだか少し前までの日産車を運転している気分だな。」と思いながら、走行していたのですが、これ・・・恐らく電気自動車あるあるなんだと思いました。お昼を迎えて。
気温が上がると、室内の音が気にならない。
で、夕方になるとまた、室内の音が気になるんです。
温度変化に伴って、樹脂パーツの寸法変化があるだと思います。室内部品に。
で、内燃機関車だとその音に気がつかないんだと思います。エンジンの音がするから。
電気自動車は、あまりに静かすぎて、車内のわずかな音が気になってしまうんです。走行中に。
KONAの時は、そう感じなかった。
多分、理由は、BOSEシステムを有効に利用している音の広がりに気分をよくして、オーディオをかけたまま移動し続けたことと、恐らくタイヤの違い。
「タイヤがものすごくいいものを装着している。」と思っていたのですが、確認してみたところ・・・

ミシュランタイヤだった。それも255/45の扁平幅広タイヤの20インチモデル。

しかもパイロットスポーツって、ハイパフォーマンスタイヤです。EV用ってなっているけど。
確かにAWDマシンですし、相当に元気に走ることができるセッティングなのだと思います。足回りの動きから予測すると。
それに見合ったタイヤがちゃんと装着されていて・・・その反動が、室内パーツのすり合わせ音に出てしまったかな・・・と。

KONAの時と違って、1日走行しても背中が痛くならない構造のシートでした。(服装は全く同じ)
ただ、なにぶん着座位置が高いので、(恐らく床面にバッテリーを敷き詰めている構造)高性能マシン・・・なんだろうけど、踏もうと思わない重量感が付きまといます。

ペダルは、ごくごく普通のデザイン・・・内燃機関と比べて、レバー類の位置制約が少ないはずなのですが・・・こうやってみると、マツダって本当に「運転手が操作する位置」をものすごく気にしているメーカーなのだと感じます。

インパネは、KONAに比べるとだいぶほっとする操作系の配置になっています。すごく日本車に近いです。液晶パネル内の設定項目の多さを除けば。
ギヤポジションの独特な選択方法は・・・

慣れました。ええ。慣れましたよ。捻り操作。
今回、操作系で困ってしまったのは、「ステアリングホイールを握ってください。」という注意が頻繁に出されたこと。高速道路をオートクルーズ走行中に。
たまに・・・たまにそのような車両はあります。国内外車両を問わず。
しかし、今回のIONIQ5ほど頻繁に警報を出す車両は初めてです。(数分・・・も持たずに1度の頻度)
私は、常に両手で(しかもステアリングホイールが指示する位置に。今回はステリングヒータまで装備されている車両でした。)ステアリングホイールを操作しているのですが、どうしてなのか、「今、このドライバーは、ステアリングホイールから手を離している。」と認知されてしまうようです。
なんかもう・・・常に「ステアリングホイール外周をさすっていないといけない」という特殊技能を求められる車両でした。IONIQ5。

今回は、このステアリングホイール脇の「パドル」を操作してみました。
パドルに書いてあるアイコンをじっと見ていると・・・恐らくこれは、「ギヤ選択」ではなく、「電気回生の度合い」を調整するパドルではないか・・・と・・・
実際、パドルを引き操作していくと、ブレーキング時の回生動作に変化が現れます。
最終的には、あの日産が得意としているワンペダル操作(e-pedal)でブレーキペダルに全く触らずに車両を止めることができるようになります。
電気自動車として気になる走行距離は・・・

朝の走り始めの段階が、415km走行可能

返却時が(メータの表示モードが自動で変わっています。黒い画面になっている。)299km
実際の走行距離が106kmでした。
誤差10kmは、今まで乗ってきた電気自動車の中では、一番優秀だと思います。
1日乗っていて思ったのは、「KONAの大きさなら、日本市場で受け入れられるだろうけど、このIONIQ5の横幅はなあ・・・」というもの。
車両そのものの動きに不満は全くないです。室内音問題は、恐らく実のところ、どの電気自動車にもついて回る「新しい問題」でしょうし。
外装の作りの甘さと思うのは、日本人特有の細やかさ(意地悪さ)ゆえかも。(なんたって、ドイツ勢も日本法人設立後は、どの企業も苦しんだ部分ですから。)
Hyundaiが日本に根を張れるチャンスは、「できる限り小さなサイズの電気自動車か、水素活用自動車」を持ち込んでくること。じゃないですかねえ。
・日本はどんどん人口が減少している。
・かつては、持ち家(一戸建て)を持つことがステイタスの国だった。(現在でも50%が一戸建て)
・ガソリンスタンドがどんどん減少している国である。
・田舎では、公共交通機関の維持が難しくなっており、1家族が、複数の自動車を保有するのが当たり前(それが主に軽自動車という非関税障壁になっているのだけど。)
恐らく、「普通の単相2線の100Vコンセントで充電ができる車」をPRすることができたら、チャンスがあるかもしれませんよ。特に「ガソリンスタンドがなくなりつつある地域」に。あるいは、最近の状況だと「豪雪地帯」かな。
豪雪地帯にタンクローリー送り込むの大変になっていますからね。今。
まあ、市場のパイがどんどん小さくなるこの国に投資するよりも陸続きの周辺国に投資したほうが、リターンは大きいと思うんですけどねえ・・・