トヨタの3列ミニバンには、正直、何も期待していなかったのですが・・・(走りならセレナ。車体構造そのものの真剣さならステップワゴン。)

 

エンジンクレーンを運ぶために急遽借りなくてはいけなくなりました。

5Tonエンジンクレーンを急遽購入、運搬しなければいけなくなって・・・ダメ元で空いていた”運搬できそうな車両”が、このトヨタのノア。

今、日本のミニバン市場での最激戦地区で、最新鋭かつ、最量販(たぶん)の車両です。

ただ、乗り込んだ時は正直・・・

「ステップワゴンじゃない・・・か・・・まあ、Honda車って、レンタカー店でそんなに借りられなくなっているからなあ・・・仕方ない・・・たぶん、このノアでは、エンジンクレーンを収容できないだろう。後日、トラックで再引取するか・・・・」

そう思いながら、工具店に乗り込みました。

 

工具店で敷き毛布も購入して、大人3人がかりでなんとか車内に・・・

シートをこの状態に収納するまでに数十分。

どうにも・・・どうにも悩みました。まず、3列めのシートを収納できない。

わからないんです。どこのノブ(あるいはベルト)を障れば、シートを折りたためるのか。

 

分厚い取扱説明書(少し前までの日本製家電か?)をめくって、なんとか3列目シートを収納。

元凶・・・というか、トヨタはこれまでの「3列シート車?ああ、ラインアップしておけば売れるんだから、数年に一度、フルモデルチェンジという名のもとに外板だけ変えておけばいいんだよ。」という態度から一変したのだと思い知りました。この数十分かかった3列目シートの収納で。

 

ものすごく、本当にものすごく対ステップワゴン、対セレナ対策を実施してきています。この最新鋭ノア。

3列目シートが、「収納後、揺れ動く音」がしないように徹底的に考えられているんです。このガチンと引っかかるフック構造によって。

2列目シートの収納方法も完全に変わっています。座面を立てることによって、徹底的に前方に2列目シートを送り出せるようになっているんです。

そのおかげで、ギリギリのところで5Tonエンジンクレーンが収納できました。トヨタ3列シート車では、無理だと思ってました。正直。

 

よくよく確認すると・・・

この車両、ボディ構造を完全に変えてきています。ついにステップがなくなりました。ステップワゴンほど、低いフロア構造・・・には、できていないと思いますが、とにかく小さなお子さんや、高齢者の方々が乗り降りをしやすくなったと思います。

(本当に皆さん、騙されないでくださいね。”背が高いから、家族の乗り降りが簡単”って・・・ホンダの3列シート車をよ〜く確認してから、他社の車両を見てくださいね。あそこまで病的に”家族のための車”を考えて車両構造を作り上げている会社はないです。まあ、時々”車が嫌いな車屋さん”って言葉が出てくる車両も送り出しちゃう会社なんですけどね。)

 

運転席に着座してからの視界も・・・・

Aピラーの視界の取り方が非常に広く、見やすくなっています。

では、握りやすいシフトレバーを操作して出発・・・の前に目的地設定・・・と。

苦悩。激しく苦悩。3列目シートの収納方法といい、この車両は一体・・・

 

純正ナビゲーションシステムなのですが、いわゆるディスプレイ・・・オーディオでしたっけ?

恐らく、そのシステムが組み込まれているのだと思うのですが、目的地設定が、この50音入力でしかできないんです。

いやいやいや。地域名と住所をセレクトできた方が全然簡単・・・そんな選択肢はない。

 

時々、外車にそんな車両がありましたけどね。「ナビは装備されているけど、住所情報の入力がめんどくさくて、結局全く使わないでドライブ。」

このノアもやめました。ナビシステムを操作するの。まあ、あの分厚い取説をよく読めば、設定が変えられる・・・のかもしれません。

(取説が必要ってことは、直感で操作できないデザインってことなんだよ。)

非常に見やすいメータデザインなのにナビの考え方は、ものすごく残念と思いながらスタート。5Tonエンジンクレーンを無事に収容することができて、この車両を観察する余裕が出てきました。

 

ハイブリッドカーということもあってか、ものすごく静か。

先代は、ガソリン車ばかりを運転してきたのですが、「正直、高速道路で疲れる。横風、轍に気を使うだけではなくて、路面のアップダウンに合わせて、アクセル操作も意識しないと、すぐに車速が落ちる。」と思わされてきたのですが、このハイブリッドシステムは、「できる限り、電気で車両を走らせる。」ことが意識されています。

「ズボラ運転でも、速度一定を保つことができる。」エンジンパワー・・・というよりは、モーターパワーとバッテリー消費の車両になっています。

 

感動したのは、オートクルーズ機能。

ついにこんなに背が高い(重心が高い)車両でも、カーブで適切に速度をコントロールできるオートクルーズ機能になっていました。

高速道路上であれば、本当にアクセルペダルから足を離したまま、ずっと走行することが可能です。適切に車間距離を保ってくれるだけでなく、これまでのようにいちいちカーブでオートクルーズを中断させる必要がなくなりました。

あ、高速道路出口では、素直にオートクルーズ解除です。完全自動運転は・・・まだまだ遠い未来なのだと思います。

 

この「販売力にあぐらをかかない」ことを決めてきたトヨタのノアに対して、日産のセレナやHondaのステップワゴンは、どんなフルモデルチェンジの仕方をしてきたのか・・・

ものすごく興味があります。あ、「3列シート車が嫌い」なところは、ブレていないんですけどね。

この車両特定での気になったところは、「着座位置に対して、ステアリングホイールが15mm程左にオフセットしている。」ように感じられるところです。

たまにそんな車両に出くわします。私の感覚の問題かもしれないのですが。

販売店では、ぜひご自身で着席して、確認してみてください。

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