このBlogで記事にするべきかだいぶ悩みました。Honda VEZEL。
初代からガラッと変わったデザインで登場したこの2代目を見た時に「大丈夫かな?いつものHondaのようにモデルチェンジするたびに売れなくなっていくのかな?」と危惧したのですが、全くの杞憂だったようです。非常に受け入れられていると思います。「街でよく見るSUV」です。
借りた車両は、予想通りリヤにドライブシャフトがない「なんちゃってSUV」です。
空力処理にものすごく気を遣っていて、床下にガーニーフラップがたくさん装着されています。
トップボディの空力処理もだいぶ細かいところまで手が入っています。このリヤウイングの処理とか。
荷室は広いです。
ハイブリッド車両なのですが、荷室床下に小さな収納スペースを存在させることができています。
まあ、荷室が広いといっても・・・
SUV車両なので、床面は非常に高い位置にあります。
後席を倒した時にね。
このものすごく工夫された後席の収納のされ方が・・・
普通は、背もたれがパタンと前に倒れるだけなんです。
この車両は、後席の床面も連動して前に動くようになっていて、後席足元に座面が収納されるようになっています。
ベースシャーシは、Fitなんだと思います。Fitの床面構造とすごくよく似ています。
おかげで、リヤハッチゲート端から運転席直後まで、フルフラットの荷物室が現れます。
大きな荷物も出し入れが楽です。あのフィットが諦めてしまったゲート端の真四角フラット処理がこのVEZELは実現できてしまっています。(床が高いSUVデザインだからこそなんだけど。)
後席も十分余裕があります。
「Hondaのハイブリッドカーだ。」と分かるのが、この装備。
非常に大きな空気取り入れ口が後席側面にこの車両も装備されています。
SUVに取り付けられる「キノコ型ミラー」は、最近はこの位置で代用されるんですね。
デザイン上、必要な処理・・・だったのかもしれませんが、この車両、ドアの下端がプラスチック処理になっています。
非常に便利だと思いました。この黒いガード端。
ドアを開いた時に誤って縁石に引っ掛けてしまっても傷になることがありません。また、内側に傾斜して取り付けられているので、掃除がしやすいです。
まあ、このガードが取り付けられている理由になるのか・・・運転席から降りる時に「地面を探す」感じがしないSUVです。(ロードクリアランスがそう大きくとられていない。)
USBはTYPE-A端子が装備されています。
ちょっと困ったのが、空調処理。
吹き出し方向が可変できるようになっているのですが・・・
このような雪が積もるような季節になると・・・
これ、分かりますか?
フロントウインドシールドの外側ではないです。
内側にこんな感じで水滴が溜まってしまうんです。
で、この段階で拭き取っておかないと、跡が残ります。思いっきり。跡になってしまうと、もう、タオルで拭いても全く取れないです。クリンビュー等を使って、かなり綺麗に拭き取る必要があります。
今、夏なのになんで雪の写真?って??
冒頭に書きましたが、このVEZEL、本当に私は悩んでしまって・・・
メータは、左半分が、液晶処理になっています。
で、Fitでもそうでしたが、Hondaは、このメータ内部表示の切り替え操作に戸惑います。このVEZELでも同様の傾向でした。
他社に比べると、一手間多い感じなんです。切り替え操作が。他社の特許を気にしているからかもしれないけど。
少し大きめのステアリングホイールを動かしてスタート。
静かですし、乗り心地もいいです。(というか、本当にここ数年のトヨタ電動車両の大径低扁平小幅タイヤの乗り心地に慣れされ過ぎてしまったというか。)
SUVという車高が高いデザインなのにカーブでのターンでグラッとくることもないです。
ただ、オートクルーズ機能は、他社の方が優れていると思わされます。特にスバルのアイサイト装着車に乗った後にこちらを運転するとその差をものすごく感じます。
「このBlogに掲載すべきか悩んだ」
というのは・・・
その走りなんです。
タイヤをチェックすると
OUTSIDE指定があるタイヤをSUVに指定するって一体・・・
メーカーは・・・繰り返しになりますが、本当にここ数年の新車装着タイヤを見ていると「日本のタイヤメーカー・・・本当に生き残っていけるだろうか・・・」と思わされます。
このVEZELは、本当によくできた車です。
Fitベースのシャーシのはずですが、大きなボディを架装して、ゆとりある座席と荷室空間を実現しています。
ただ・・・・何も・・・何も抑揚がないんです。加速も減速もカーブをターンする時も。
本当に便利な「A地点からB地点に移動するための道具。大人4人(あるいは5人十分乗ることができます。)とたくさんの荷物を積んで。」
先代プリウスが登場するまで、私は「トヨタ車はどの車両も無味乾燥。何も感じない。ドライビングポジションを決めにくい車を作るメーカー。」と思っていました。
今は、このVEZELが・・・・「本当に無味乾燥な、A地点からB地点に移動するためだけの道具」
Hondaは、こんな車を作って、いったいどこに向かうんだ・・・
最初に借りた時点でこのBlogに記事にしてしまったら、本当にひどいことを書きそうだった。
その後、何度も指名して借りました。季節をいくつも超えて。
私の中にあるのは、あのレジェンド。
Hondaの車には、登場当時の意図がわかりにくい車両があると思っています。
母親が最後の最後までこだわって乗っていたあのレジェンドは、20年かかって意図が理解できた。
このVEZELは・・・2代目のフィットの頃のような「車が嫌いな車屋さん」という作り方をしていません。
「無味乾燥」に感じられるのは、「エンジン動作の時とモータ動作の切り替えを感じさせにくい」セッティングにしているから。
ハイブリッドカーは、どうしても「内燃機関」と「電気」での動きに差が出ます。
でも、このVEZELは加速の時も減速の時も、その差があまり感じられないんです。感じるのは、信号待ちの白線に向けて、ブレーキを踏んでいる時ぐらい。(ハイブリッドカーの弱点で、協調制御のものすごく難しい動きになる。)
Fitクラスのハッチバック車を卒業する人が次に乗る「ちょうどいい大きさ」(ちょっと大きく感じるかも)の車両です。
「どうしてもスライドドア車」という選択理由が必要じゃない人は、ぜひHondaの店舗で実車に座ってみてください。あ、試乗はしなくていかな。「何も違和感を感じない便利さ」が重要な車両なので。