ボブ・ディランよりもボブ・ディランらしいスティービー・ワンダー、オリジナリティなど幻想なのだから | 気功師から見たバレエとヒーリングのコツ~「まといのば」ブログ

気功師から見たバレエとヒーリングのコツ~「まといのば」ブログ

四ツ谷にありますバレリーナ専門の気功整体「まといのば」のブログです。
気功師から見たバレエとヒーリングのコツを公開します。
「まといのば」では、バレエ・ヒーリング・美容の各種セミナーを行っております。

オリジナリティということで、いつも思い出すのはボブ・ディランのことです。
(そう、最近、ノーベル音楽賞ならぬノーベル文学賞を受賞したというあの人のことです)




厳密に言えばボブ・ディランというか、ボブ・ディランの真似をしたスティービー・ワンダーのことを思い出します。

真似をしたというか、スティービー・ワンダーがボブ・ディランにボブ・ディランらしさを教えたWe are the worldの収録でのエピソードです。

ボブ・ディランのパートを、スティービー・ワンダーが教えるという奇妙な光景です。

何の話かと言うと、1985年にトップスターが一同に会したチャリティー企画がありました。We are the worldです。マイケル・ジャクソン、ライオネル・リッチー、クインシー・ジョーンズらが呼びかけ人になり、驚くべきドリーム・チームが結成されました。


*何度聞いたか分かりませんが、何度聞いても興奮します。


ちなみにこの25年後に再びライオネル・リッチー、クインシー・ジョーンズの呼びかけで結成されたのが、We are the world 25yeras for haitiです。


*歌い出し(ライオネル・リッチー)のパートを歌うジャスティン・ビーバーが若いっ!!
*マイケルのパートはそのまま残されています。泣ける配慮ですね。
*Will i amがかっこよすぎます。作品がグッと現代的になります。
*冒頭のジェイミー・フォックスは映画「Ray」でレイ・チャールズを好演しています!


1985年のWe are the worldはほぼ一晩でレコーディングされましたが、そのとき非常に奇妙な光景が繰り広げられました。オリジナリティについて考える上で、非常に参考になる光景です。

ボブ・ディランがソリストの一人に選ばれるのですが、ボブ・ディランがボブ・ディランらしく歌うために、スティービー・ワンダーが歌唱指導するのです。

スティービー・ワンダーって誰?って言う方もいるかもしれませんので、I just call to say I love youあたりを貼ろうかと思いましたが、僕の好きなこちらの番組を。


*James CordenのCarPool Karaokeですね。楽しすぎる番組です。毎回すごいです。
*スティービー・ワンダーが実際に「I just call to say I love you」をして、Cordenが涙ぐんでいるシーンが印象的すぎます。


そのスティービー・ワンダーがボブ・ディランにボブ・ディランらしさを教えるシーンはこちら。(24時間テレビで放映されたものらしいのですが、そのビデオを僕は繰り返し見ました。文字通りビデオです。YouTubeが出てきたのは最近です。余談ながら、DeNAを叩くものはGoogleも叩かないとw)

全編はこちら。

*40分くらいから該当のシーンは始まります。

スティービー・ワンダーが何度もボブ・ディランに、ボブ・ディランらしい歌い方を教えるという貴重なシーンです。

ここではあっさりと描かれていますが、実際のリハーサルはもっとハードなものだったようです。
スティービー・ワンダーの親切の押し売りでは毛頭なく、ボブ・ディランも何度も助けを求めているのが分かります。




でも、完成された作品を見ると、ボブ・ディランはボブ・ディランです。まさにオリジナルです。
裏に隠された秘密は綺麗に拭い去られています。

オリジナルはオリジナルから飛び出すわけではないのです。もっとネットワークなものなのです。関係性の網の目から生まれてくるものです。


ピカソはそれをGreat Artist Stealと言いました。

ちなみに、それを引いたジョブズもまた剽窃の天才でした。彼の代名詞ともなっている"Stay hungry, stay foolish"もまたオリジナルではなく、引用です(ジョブズ自身もそう述べているのですが、多くの人は健忘症になったかのようにその言葉を忘れます)。

これはいつも言っていることで恐縮ですが、あの大天才であるイエス・キリストもまたほとんどの言葉がヘブライ語聖書からの引用です。
たとえば「人はパンのみにて生くるにあらず」(マタイ4:4)とはイエスの言葉ではなく、旧約聖書からの引用です。

ちなみに、ボブ・ディランは昨年のスピーチで、こんな話をしています("the 2015 MusiCares Person of The Year”に選ばれたときの受賞スピーチです)。

僕の曲はどこかから降ってきたわけじゃない。
僕ほどフォーク・ソングを聞いて、歌ってきたなら、自然と浮かんでくるんだ、と。
何の(創作の)秘密もない。自然に無意識にできてしまうんだ。君にだってできるさ。
(You'd have written that too. There's nothing secret about it. You just do it subliminally and unconsciously, because that's all enough, and that's all you know. )

このスピーチは非常に良いものなので、是非!
(のちほど原文とSony Musicによる訳を載せておきます!)


余談ながら、ノーベル音楽賞ならぬノーベル文学賞を受賞したボブ・ディランが示したのは、世界最大のキュレーションサイトがノーベル委員会だったということです。偉大な科学者(や文学者、政治家など)の業績に上手にタダ乗りしています(いや、タダではないですね、1000万クローナをそれぞれの賞に支払っていますし、委員会の維持費も相当なものでしょうし)。

いや我々が地上の神とあがめるGoogle先生もパクリに関しては気合が入っています。YouTubeもその著作権侵害ではたくさん批判を浴びましたが、ゴリ押してしまい、利便性に我々は魂を売り渡しました(悪いことだと思いませんし)(キュレーションという言葉はすっかり安くなり、地に落ちてしまった感じもありますが、だれかがReMixしたり再発見したり、再評価しない限りはオリジナルは時間の流れの中で溺れてしまい、埋もれてしまうのです。たとえばバッハやモーツアルトですら同じです。ピカソも)(似たような議論では、イノベーションとは劣化コピーであり、「枯れた技術の水平思考」という話も以前何度も話題になりました)

余談ながら、Air Check(ラジオやテレビから録音や録画をすること)は普通のことでしたし、それで気に入ったらレコードやCDやテープを買っていたものでした。ですので、CDを売るというビジネスモデルはずいぶんと昔に過去のものになり、いまはライブなりの直接体験がメインになっています。

脱線しますが、これに関しては以前に何度か議論しました。「まといのば」の気功技術の商業利用についてと「感謝する死体」、関連してこちらも是非読んでみてくださいGrateful Dead とは「感謝する死者」という意味。
ちなみに、イエスは「死者は死者に葬らせよ」(マタイ8:22)と言いましたし、ブッダは葬式禁止と言いました。
しかし、ここでは死者を手厚く葬ることで、死者が感謝していわば恩返しをします。この恩返しに僕は「『あなたがたによく言っておく。わたしの兄弟であるこれらの最も小さい者のひとりにしたのは、すなわち、わたしにしたのである』。」(マタイ25:40)というイエスのセリフを思い出します。まあ死者と生者の違いはありますが。
そして死者をどう葬るか、どこに葬るかが、まさに「風水」の課題です。

閑話休題


言いたいことはシンプルです。

寝ても覚めても歌い続けることです。(I went to sleep singing folk songs.Bob Dylan

好きなことを徹底的に好きなだけやることです。

寝ても覚めても、浴びるようにやり続けることです。

自分が好きな他人の絵を描き続けることです。

文筆家は好きな作家の文章を書き写し続けると言います。

それは偉大な文筆家になりたいからではなくて、楽しくて仕方ないからです。
(「なぜなら、華やかな全体像よりも、あまり重要でない小さなものを作ることのほうが楽しかったからだ」ニーチェ)

誰から批判されようが、謗られようが、好きなことを貫くことです。そこにしか人生は無いからです。


【動画紹介】
James CordenのCarPool Karaokeです!!
CarPoolというのは相乗りみたいな感じですね。

相乗りカラオケ!!

楽しそうです。

まずはマドンナ姉さんから!!

*めっちゃ楽しそうです。本当にマドンナはすごすぎです。足も上げています!!

そしてレディ・ガガ姉さんです!

*途中の早替えが面白すぎます(^o^)
*冒頭のMove Bitchはこちら
*それにしても10分というのはスゴイ、、、(・_・;)

ジャスティン・ビーバー!!
ハイチのころに幼かったジャスティンがこんなに成長しました!
というか、眠たそうだったのに音楽がかかった瞬間に変わります。歌うのが心から好きなんだと思わされますねーーノリノリです。

*ジャスティン・ビーバーが最後に歌うBoyⅡMenはいいですよね~当時良く聞いていました。こんな美しい音楽があるのかと思いました。


季節は少し過ぎてしまいましたが、このシリーズは幸せになります。
"All I Want for Christmas”を様々なアーティストが歌います(その中にアデルもいるのが感激)

*歌が大好きという素朴な喜びが伝わってきて、感動します。

蛇足ながら、、マライアとジャスティンの共演です!!これも懐かしい!!

*絵になりますね〜ふたりとも。


One more thing!!(というか忘れてました!)

(引用開始)
これらの曲はどこからともなく生まれてきた訳じゃない。でっち上げた訳でもないんだ。ルー・レヴィーが言っていたのとは逆で、先立つものがあったんだ。伝統的なフォーク、ミュージック、伝統的なロックンロール、伝統的なビッグ・バンドのスウィング・オーケストラ・ミュージックからきている。

私はフォーク・ソングの歌詞を学んで、そこから歌詞の書き方を覚えた。それらを演奏もしたし、誰もやっていなかった頃にそれらをやっていたほかの人々とも出会った。フォーク・ソング以外は何も歌わなかったけど、彼らはすべてのものがすべての人のものだという考えで、すべてのコードを与えてくれたんだ。

3-4年くらいはフォークのスタンダード曲ばかり聴いていたね。フォーク・ソングを歌いながら床に就いていたよ。クラブ、パーティ、バー、喫茶店、野外、フェスティヴァル、どこに行ってもフォーク・ソングを歌っていた。そんな中で出会った、同じ生業のシンガーたちと、お互い曲を学びあったんだ。私は1回聴いただけで、1時間後には歌えるようになっていたね。

「ジョン・ヘンリー」(訳注:伝説上の、アフリカ系アメリカ人の労働者の英雄を歌った曲。ウッディ・ガスリーやブルース・スプリングスティーンが歌っている)という曲を私ほど沢山歌ったことがあるなら…-
‐-­‐ "John Henry was a steel-­‐driving man / Died with a hammer in his hand / John Henry said a man ain't nothin' but a man / Before I let that steam drill drive me down / I'll die with that hammer in my hand."
(「ジョン・ヘンリー」をそらんじる)

この曲を私ほと沢山歌ったことがあるなら、あなたはきっと"How many roads must a man walk down?" (訳注:「風に吹かれて」の一節)と書いたことがあるだろう。

ビッグ・ビル・ブルーンジーの曲に「キー・トゥ・ザ・ハイウェイ」というのがある。
"I've got a key to the highway / I'm booked and I'm bound to go / Gonna leave here runnin' because walking is most too slow." (同曲をそらんじる)
…あれもよく歌ったね。あれを沢山歌うと、思わずこういう歌詞を書いてしまうものだ。

"Georgia Sam he had a bloody nose
Welfare Department they wouldn’t give him no Clothes
He asked poor Howard where can I go
Howard said there’s only one place
I know Sam said tell me quick man I got to run
Howard just pointed with his gun
And said that way down on Highway 61 "
(「追憶のハイウェイ61」をそらんじる)

「キー・トゥ・ザ・ハイウェイ」を私ほど沢山歌ったことがあるなら、あなたもこういう曲を書いたことだろう。

"Ain't no use sit 'n cry / You'll be an angel by and by / Sail away, ladies, sail away." (訳注:ジョーン・バエズの「セイル・アウェイ・レディース」の一節)。
"I'm sailing away my own true love." (訳注:「スペイン革のブーツ」の一節)。
「スペイン革のブーツ」だね。今さっきシェリル・クロウが歌ってくれた。

"Roll the cotton down, aw, yeah, roll the cotton down / Ten dollars a day is a white man's pay / Roll the cotton down/A dollar a day is the black man's pay / Roll the cotton down." (労働者ソングの「ロール・ザ・コットン・ダウン」をそらんじる)

あの曲を私ほど沢山聴いたことがあるなら、あなたも"I ain't gonna work on Maggie's farm no more”(訳注:「マギーズ・ファーム」の一節)と歌ったことがあるだろう。

ロバート・ジョンソンが“Better come in my kitchen, ‘cause it’s gonna be raining out doors”(訳注:「カム・オン・イン・マイ・キッチン」の一節)と歌うのを私ほど沢山聴いたことがあるなら、のちに「はげしい雨が降る」を書いてしまうだろう。

私は「みんなおいで」的な曲を沢山歌ってきた。山ほどあるからね。数え切れないくらいだ。"Come along boys and listen to my tale / Tell you of my trouble on the old Chisholm Trail." (訳注:1870年代の労働者ソング「オールド・チソム・トレイル」の一節)とか、"Come all ye good people, listen while I tell / the fate of Floyd Collins a lad we all know well / The fate of Floyd Collins, a lad we all know well”(訳注:探検家のフロイド・コリンズのことを歌った曲「デス・オブ・フロイド・コリンズ」の一節)とか。

(引き続き「フロイド・コリンズ」をそらんじる)
"Come all ye fair and tender ladies / Take warning how you court your men / They're like a star on a summer morning / They first appear and then they're gone again." And then there’s this one, "Gather 'round, people / A story I will tell / 'Bout Pretty Boy Floyd, the outlaw / Oklahoma knew him well."

こういった「みんなおいで」的な曲ばかり歌っていると、(と「時代は変る」をそらんじる)
"Come gather 'round people where ever you roam, admit that the waters around you have grown / Accept that soon you'll be drenched to the bone / If your time to you is worth saving / And you better start swimming or you'll sink like a stone / The times they are a-­‐ changing."

こういう歌詞も書いてしまうはずだ。何の秘密もない。無意識のうちにやってしまうんだ。それで十分だし、私はそういうのしか歌わなかったからね。私にとって大切なのはそういう曲だけだったんだ。そういう曲だけが私にとって意味が通っていた。

"When you go down to Deep Ellum keep your money in your socks / Women in Deep Ellum put you on the rocks."(トラディショナルな曲「ディープ・エルム・ブルース」の一節)あの曲をしばらく歌っていると、こういうフレーズを思いつくようになる。
"When you're lost in the rain in Juarez and it's Easter time too / And your gravity’s down and negativity don't pull you through / Don’t put on any airs / When you’re down on Rue Morgue Avenue / They got some hungry women there / And they really make a mess outta you."
(「親指トムのブルース」をそらんじる)

これらの曲はみんな繋がっているんだ。騙されちゃいけない。私は違う扉を違うやり方で開いただけなんだ。違うだけで、言っていることは同じだ。私は(自分の曲が)並外れたものだとは思わなかった。
(引用終了)引用元Sony Music

原文も載せようと思いましたが、長くなるので、紹介にとどめます!!
Rolling Stones