2020年暮れから個人的キャンペーンとして、私の時刻表コレクションを元にスキー列車の歴史を、実物の時刻表とあわせて、紐解いています。

 

このシリーズの現在地確認です。

【1】1970年代 ○○銀嶺号から○○スキー号への移行期

【2】1980年代 ○○スキー号からシュプール号への移行期

【3】1990年代 シュプール号をはじめとした各地のスキー列車

1章 1年目(1985〜86)

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11章 12年目(1996〜1997)

12章 13年目(1997〜1998)

【4】2000年代以降 シュプール号の終焉

【5】番外編 

 

今回は第12章、シュプール号13年目(1997年〜98年)シーズンについてまとめます。災害による不通が続いていた大糸線も全線開業し、シュプール白馬・栂池号が糸魚川以南への乗り入れが再開されました。一方時代の流れからか、シュプール号の本数が更に減便されていきます。

 

 

  ’97〜’98シーズンに追加されたシュプール号

 

このシーズンでは新設シュプール号はありませんでした。

ちなみに、後述しますが、列車名改名として「シュプール苗場・湯沢号」が「シュプール野沢・苗場号」となりました。

 

 

  ’97〜’98シーズンでみかけなくなった(前シーズンまで存在した)シュプール号

 

シュプールレインボー信越号

シュプール戸狩・野沢号

シュプールゆう白馬号

 
このシーズンで昨シーズンまで活躍していた4列車の設定がなくなりました。
レインボー信越号戸狩・野沢号ゆう白馬号ともに、北陸新幹線長野開業、また長野オリンピック(1998年2月7日から22日)の絡みで運転取りやめとなっています。なお、シュプール白馬アルプス号は、シュプール白馬・栂池号のリリーフの役目を終えたのですが、’99〜’00シーズンで北陸本線経由の特急のシュプール号として「復活」します。
 

 

  各シュプール号のダイヤの動き(前シーズン【’96〜’97】との比較を中心に)

 

シュプール蔵王号シュプール猪苗代号

ダイヤは、シュプール猪苗代号の帰りについて、出発時刻が1時間強繰り下げされた点を除けば、昨シーズンをほぼ踏襲した内容となっています。車両についても蔵王:青森運転所583系6連、猪苗代:勝田電車区485系7連で変更はなかったようです。

※運転時刻の詳細は、列車名をクリックした先にまとめております。

 

シュプール上越号シュプール草津・万座号

ダイヤは時刻の微修正をのぞけば概ね前シーズンを踏襲しています。
使用車両は、両方とも新前橋電車区で6連+6連の12連と変わらず、583系も青森運転所の9連が使用されていました。
※運転時刻の詳細は、列車名をクリックした先にまとめております。

 

シュプール信越号

今シーズンからは大幅に本数が削減され、行きのみ1本の設定に。かつ経由も、従来の信越本線から中央本線(東線)に変更されています。これは北陸新幹線長野開業にともなう横川〜軽井沢間が廃止された影響ですね。そのため、シュプール白馬号同様に新宿始発となり、立川、八王子に停車後、長野までは客扱いはなし。その後黒姫に停車、妙高高原に到着するダイヤでした。
使用車両は長野総合車両所の183系(189系)9連だったようです。運転日についても、長野オリンピック開催期間は運転されていませんでした。
※運転時刻の詳細は、列車名をクリックした先にまとめております。
 
 
前シーズンまで運転されていた「シュプールゆう白馬号」が運転とりやめになり、白馬号自体も帰りの5号の運転が取りやめになりましたので、千葉、横浜発着それぞれ1往復(合計2往復)という設定に落ち着いています。運転日数への変化も、例えば昨シーズンの1号は1月10日〜3月29日毎日運転だったのが、今シーズンは1月9日〜2月5日、2月23日〜3月28日と、長野オリンピック開催期間に配慮し、変わっているのが特筆点です。
 
使用車両について、
1号、2号 幕張電車区の183系9連、8連
3号、4号 松本運転所の183系9連
が運用されたようです。
※運転時刻の詳細は、列車名をクリックした先にまとめております。

 

シュプールユーロ赤倉・志賀

ダイヤ、使用車両ともに、前シーズンを踏襲しています。使用車両はユーロライナー6連+ユーロピア4連の10両編成。他の列車同様、長野オリンピック開催期間に配慮し、運転日数が減っているのが特筆点です。

※運転時刻の詳細は、列車名をクリックした先にまとめております。

 

シュプール栂池・八方号

前シーズンまで、シュプール白馬・栂池号のリリーフ的役割として、神戸まで延伸して運転されていました。このシーズンからJR東海エリアである大垣を西端とする設定に戻りました。使用車両はJR東海の神領電車区の381系6連を変わらずでした。

※運転時刻の詳細は、列車名をクリックした先にまとめております。

 

シュプール野沢・苗場号(昨シーズンまで シュプール苗場・湯沢号)

昨シーズンからもろもろ変更が入っています。以下箇条書きにて失礼します。

経由路線 従来直江津経由から、北越急行ほくほく線経由に。

ダイヤ【行き】1時間程度の繰り下げ出発→到着は2時間程度繰り下げ(有効時間帯到着できるように糸魚川で1時間30分の運転停車を行って調整)。【帰り】30分程度繰り下げ出発→到着も同様に30分程度繰り下げ。

使用車両 北越急行経由にともない、京都総合車両所の583系10連に変更。

列車名 苗場・湯沢号→野沢・苗場号 と見紛う程度の変更が発生しました。

 

城崎かすみ様のYoutubeチャンネルより

 

シュプール立山号

使用車両は、前シーズンから681系サンダーバード編成3連に変わりましたが、今シーズンは、一昨年に「先祖返り」する形で金沢総合車両所のスーパー雷鳥編成485系3連の使用となっています。
ダイヤ自体概ね変わらないのですが、富山地方鉄道線内、富山〜立山間について昨シーズンまで「普通車自由席で運転」でしたが、このシーズンは寺田、五百石、岩峅寺(いわくらじ)、有峰口にも停車する普通列車として運転されていたようです。
※運転時刻の詳細は、列車名をクリックした先にまとめております。

 

シュプール妙高・志賀号シュプール雷鳥信越号

下記が運行の詳細となります。
使用車両での変化では、従来使用されてきた14系客車がなくなっている点です。
 
1号・4号 西明石〜黒姫間 京都総合運転所の583系10連
3号・2号 姫路〜長野間(米原経由) 京都総合運転所の485系7両+583系7両 合計14連
5号    神戸→黒姫間 金沢総合車両所の489系(能登編成)9連
特急シュプール雷鳥信越号 黒姫→神戸間 金沢総合車両所の489系(能登編成)9連、または485系10連(スーパー編成)
※運転時刻の詳細は、列車名をクリックした先にまとめております。
 

シュプール白馬・栂池号

’94〜’95シーズン以降、完全運休(’95〜’96)、糸魚川止まり(’96〜’97)とイレギュラーな運転となっていましたが、ようやく大糸線乗り入れが実現し、従来の運転区間となりましたが、運転本数は’94〜’95シーズンの5往復から3往復と大幅減、米原経由便の設定もなくなりました。
1号・6号 宮原客車区の14系座席車3両+14系寝台車3両の6連
3号・4号 京都総合運転所のキハ181系7連
5号・2号 京都総合運転所のキハ181系7連、または同運転所のエーデル型(キハ65)6連

 

シュプール勝山号

ダイヤは前シーズン踏襲、使用車両は、京都総合車両所のエーデル型(キハ65)3連でした。

※運転時刻の詳細は、列車名をクリックした先にまとめております。

 
ダイヤについては、運転区間は変わらずですが、帰りの出発時刻が1時間強繰り上げされています。
使用車両は、前シーズンの向日町運転所のキハ181系7連から、福知山運転所の急行型キハ58系3両へ変更されてました。そのキハ58系ですが、7200番台という、かつて急行丹後号に使用されていた編成が投入。座席は回転リクライニングシートなどアコモ改造はされていたようですが、外見は国鉄急行型と、ファンにとっては「乗り得」「撮り得」列車だったようですね。なお、紙面内に「和田山駅」の掲載があります。仕業上、運転停車は行き帰りとも行っているようですが、客扱いの予定でもあったのでしょうか?謎な「通過マーク」のみでの掲載です。
※運転時刻の詳細は、列車名をクリックした先にまとめております。
 

シュプール大山号

ダイヤについては、前シーズンまで熊本発着でしたが、運転区間が短縮され、博多発着となりました。なお現地到着、出発時刻への影響は軽微だったようです。そして、使用車両ですが、時刻表の記事からわかるとおり運転日によって

  • 熊本運転所 24系寝台車3両+12系座席車4両 7連
  • 同運転所 12系座席車6連

と切り替えて運用されていたようです。なお、使用車両については、熊本運転所所属だったため、運転所最寄りの川尻駅から博多まで回送が発生していました。

 

 

★番外★長野オリンピック期間中に運転された「シュプール号スジ使用」の臨時列車

シュプール号ではありませんが、1998年2月に開催された長野オリンピックの観戦客輸送のため、オリンピック期間中は運休のシュプール号のスジ、車両を使った臨時列車が設定されました。スジについては全く同じというわけではなかったようですが、シュプール号運行のノウハウを存分に生かしている感じがします。

 

下記は一例は、京阪神からの急行白馬・栂池号と、急行妙高・志賀号。その他にも名古屋からは急行妙高・赤倉号、急行つがいけ号もシュプール号スジをほぼ踏襲して運行されています。

JR時刻表1997年12月号より

 

今回は、以上です。

 

次回は、13章 14年目(1998〜99)のシュプール号についてまとめます。

 

 

参考資料 JTB時刻表1998年 1月号、JR時刻表1997年12月号、鉄道ダイヤ情報 1998年1月号(No.165)

カバー画像 Oleksandr PyrohovによるPixabayからの画像