シュプール号名鑑と銘打って、意外にも情報の少ないシュプール号各列車のダイヤや使用車両を可能な限り追ってみたいと思います。

 

第4回目は「シュプール上越号」を取り上げます。

文字通り、首都圏から新潟県南部の「上越」エリアのスキー場を結ぶ列車として、シュプール号運転初年度から活躍。運転本数も2往復(’99,’00除く)、うち1往復は毎日運転(’00除く)と、旺盛なスキー客需要に応えていたダイヤでした。

 

運用に入った車両も、165系、185系、485系の各電車、14系客車にくわえ、青森電車区の583系電車(座席のみ)と、にぎやかなラインナップ。185系に至ってはシーズンごとに所属区や運用が細やかに変更されている点を挙げても、あまたあるシュプール号の中でも「マニアック」な列車の一つとして挙げておきますw。

 

シュプール上越号

 

  運転された年(シーズン) 

1986年〜2000年(15シーズン)

 

 

 

  年ごとの運転概要 

1986  大船〜小出(1〜4号)間 2往復 ※列車種別は快速扱い
 ※弁当販売駅の停車駅情報入手できず
  • このシーズンに限り、3・4号に新前橋電車区6連の165系が投入される
1987  大船〜小出(1・2号)、品川〜小出(3・4号)間 各1往復
 ※弁当販売駅の停車駅情報入手できず
  • 列車種別が急行扱いに格上げ変更
  • 停車駅の変更 上越線大沢駅が追加される(1〜4号)
1988  大船〜小出(1・2号)、品川〜小出(3・4号)間 各1往復

 ※弁当販売のための停車駅:水上、高崎(2号、4号)か?

1989  大船〜小出(3・2号) 1往復
 新宿〜小出(1・4号) 1往復(ダイヤ改正前)
 上野〜小出(1・4号) 1往復(ダイヤ改正後) 
 ※弁当販売のための停車駅:2号 水上・高崎、4号 (改正前)高崎→(改正後)なし
  • 1・4号の首都圏側始発・終着駅が品川から新宿に変更(ダイヤ改正後は上野に変更)
  • 停車駅の変更 ①新宿行(4号)が池袋駅停車(’89のみ)、②ダイヤ改正後の1号のみ赤羽通過(’89のみ、上越号史上唯一の事例)
1990  大船〜小出(1・2号)、上野〜小出(3・4号)間 各1往復
 ※弁当販売のための停車駅:2号 水上・高崎、4号 なし
1991

 大船〜小出(3・2号)、上野〜小出(1・4号)間 各1往復

 ※弁当販売のための停車駅:2号 水上・高崎、4号 高崎

  • 1・4号 シーズン通じて、グリーン車なしのモノクラス編成(14系客車利用の影響、〜’92) 
  • 停車駅の変更 2号 池袋に停車(’91ダイヤ改正後のみ)
1992  大船〜小出(3・2号)、上野〜小出(1・4号)間 各1往復
 ※弁当販売のための停車駅:2号 水上・高崎、4号 高崎
1993  大船〜小出(3・2号)、上野〜小出(1・4号)間 各1往復
 ※弁当販売のための停車駅:2・4号 水上・高崎
1994  大船〜小出(3・2号)、上野〜小出(1・4号)間 各1往復
 ※弁当販売のための停車駅:2・4号 水上・高崎
  • 3・2号 この年から運転開始したシュプール草津・万座号と大船〜新前橋間で併結(新前橋は運転停車)(〜’99)
  • 3・2号 グリーン車なしのモノクラス編成(185系6両編成)化(〜’99)
  • 停車駅の変更 2号 休日限定で池袋に停車(’94のみ)
1995  大船〜小出(3・2号)、上野〜小出(1・4号)間 各1往復
 ※弁当販売のための停車駅:2・4号 水上・高崎
  • 停車駅の変更 ①2号 シーズン通じて池袋停車に(’95〜ラスト)、②3・4号 上尾に停車(’95の3/1〜、’96)
1996  大船〜小出(3・4号)、上野〜小出(1・2号)間 各1往復
 ※弁当販売のための停車駅:2号 水上、4号 水上・高崎
1997  大船〜小出(3・2号)、上野〜小出(1・4号)間 各1往復
 ※弁当販売のための停車駅:2・4号 水上・高崎
  • レディースカー連結(〜ラスト)
1998  大船〜小出(3・2号)、上野〜小出(1・4号)間 各1往復
 ※弁当販売のための停車駅:2・4号 水上・高崎
  • 停車駅の変更 3・2号 上越国際スキー場前駅(当時臨時駅)が追加され、大沢が通過に変更(’98〜ラスト)
1999  大船〜小出(3・2号)間 1往復、上野→小出(1号)※ゆきのみ 
 ※弁当販売のための停車駅:2号 水上・高崎
2000  大船〜小出(3・2号)間 1往復、上野→小出(1号)※ゆきのみ 
 ※弁当販売のための停車駅:2号 水上・高崎
  • 1〜3号 大船発着も含めグリーン車連結に変更。

 

 

  使用車両

 

165系電車

 :新前橋電車区6連(’86) ※モノクラス

185系200番台電車 

 :田町電車区6連(’94)、同区7連(’86〜’93と、’00)

 :新前橋電車区6連(’95〜’99)、同区7連(’00)

  ※’95は、シュプール号10周年記念塗色「フルフル」編成が限定使用された

  ※’00は2・3号は新前橋、1号は田町の担当

備忘ですが、1994年から「草津・万座号」との併結開始で、本来の185系固定編成内に存在したサロをわざわざ抜きとったのですが、それは途中停車する新宿駅のホーム有効長の関係でした。7両(上越)+7両(草津・万座)と14両編成とした場合、有効長不足するため、12両とするため、やむなくサロを抜いたようです。

 

485系電車 

 :勝田電車区9連 (’89) ※耐寒耐雪車両限定

 :南秋田電車区9連 (’90)

583系電車

 :青森運転所9連(’87、’88と、’93〜’99) 

14系客車(アコモ改造車)

 :尾久客車区6連(’91、’92) ※牽引機はEF65(所属不明)

 

シーズンごとに、充当された列車号情報は、次項「運転ダイヤ」もあわせて参照ください。

 

 

  運転ダイヤ(各年時刻表より)

 

【ゆき】首都圏→上越エリア ※奇数号

1986年〜89年

※86年の185系にはグリーン車連携されていましたが、販売はされていません。

 

1990年〜93年

 

1994年〜2000年

【凡例】上越国際※ 上越国際スキー場前駅、グリーンあり=グリーン車1両連結の有無

★ 大船〜新前橋間でシュプール草津・万座号と併結

【補足】本稿では基本ダイヤのみ反映しており、シーズンごとに一部区間、駅で一時的に時刻変更が入る場合の情報は割愛しております。

 


 

【かえり】上越エリア→首都圏 ※偶数号

1986年〜89年

※86年の185系にはグリーン車連携されていましたが、販売はされていません。

 

1990年〜93年

 

1994年〜2000年

【凡例】上越国際※ 上越国際スキー場前駅、「弁」は弁当販売のため停車

グリーンあり=グリーン車1両連結の有無、★ 大船〜新前橋間でシュプール草津・万座号と併結

【補足】本稿では基本ダイヤのみ反映しており、シーズンごとに一部区間、駅で一時的に時刻変更が入る場合の情報は割愛しております。

 

過去のシュプール号はじめ、日本のスキー列車の歴史をまとめた一連のブログはこちらからご覧になれます。あわせてよろしくお願いいたします。

 

参考資料 1986年〜2000年のJR時刻表、交通公社時刻表、JTB時刻表、鉄道ダイヤ情報(シュプール号運転情報)

参考サイト 国鉄185系電車(Wikipedia)、Frickr(参考写真)