シュプール号名鑑と銘打って、意外にも情報の少ないシュプール号各列車のダイヤや使用車両を可能な限り追ってみたいと思います。
第14回目は、JR西日本のシュプール号の2本目の列車として、京阪神エリアから新潟県の苗場・湯沢スキー場エリアまで運行された、シュプール苗場・湯沢(野沢・苗場)号を取り上げます。
この列車のキャリアは「苗場・湯沢」号の寝台客車時代と、「野沢・苗場」号の583系時代と大別できます。そして経由する線も前者は長岡経由、後者は1997年3月開業した北越急行ほくほく線経由と、大きく変更されています。
ちなみに、有名なゲーム「電車でGO!」プロフェッショナル編にも、シュプール野沢・苗場号が登場していました。ゲーム内のダイヤは停車駅こそ同じでしたが、発着時刻は「架空」のようでしたね。
シュプール苗場・湯沢(野沢・苗場)号
運転された年(シーズン)
シュプール苗場・湯沢号 1990〜97年 (8シーズン)
シュプール野沢・苗場号 1998〜2000年 (3シーズン)
年ごとの運転概要
この列車では、どのシーズンも弁当販売駅の停車駅設定はありませんでした。
1990 | 苗場・湯沢 神戸〜越後湯沢間 1往復
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1991 | 苗場・湯沢 神戸〜越後中里間 1往復
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1992 | 苗場・湯沢 神戸〜越後湯沢間 1往復
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1993 | 苗場・湯沢 神戸〜越後湯沢間 1往復
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1994 | 苗場・湯沢 神戸〜越後湯沢間 1往復
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1995 | 苗場・湯沢 神戸(大阪)〜越後湯沢間 1往復
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1996 | 苗場・湯沢 神戸〜越後湯沢間 1往復 |
1997 | 苗場・湯沢 神戸〜越後湯沢間 1往復 |
1998 | 野沢・苗場 神戸〜越後湯沢間 1往復 ※ほくほく線経由
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1999 | 野沢・苗場 神戸〜越後湯沢間 1往復 ※ほくほく線経由
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2000 | 野沢・苗場 神戸〜越後湯沢間 1往復 ※ほくほく線経由 |
使用車両
20系客車 ※B寝台3段式
:宮原客車区8連(’90、’91) 寝台車7両+電源車1両
:客車9連 宮原客車区20系寝台車7両+下関客車区14系サロンカー(ホリデーパル編成)1両※+宮原客車区20系電源車1両
※鉄道ダイヤ情報では,「ホリデーパルも連結」となっており、おそらく従来20系固定編成に、ホリデーパル編成内の14系サロンカーを抜き取って使用としたと推察
14系15形客車 ※B寝台2段式
:向日町運転所 5連(’92〜’94)、6連(’95のみ)
※’92、’93はシュプール白馬・栂池1号、10号と併結
24系25型客車 ※B寝台2段式
:宮原客車区9連 寝台車8両+電源車1両(’96、97)
583系特急型電車 ※B寝台3段式(’98〜’00)、A寝台(’98のみ)
:京都総合運転所10連(’98のみ)、7連(’99,’00)
※北越急行線乗り入れにあたって、ATS-P取り付け改造を行った【B3・4】編成が限定運用
※設定年度は不明ながら、485系挿入した9両編成も運用にはいっていた模様
この動画は2000年2月の動画のようです。鉄道ダイヤ情報の計画ベースでは7連でしたが、ピーク期は583系+485系の「混合編成」も運用に入っていたようです。動画から583系7連に485系2両が挿入された9連であることがわかります。
牽引機
手元の鉄道ダイヤ情報ではEF81が牽引担当との記事がありました。客車時代通して同じだったと推察します。
〜’95 全区間:福井地域鉄道部敦賀派出所
’96、’97 神戸〜長岡:福井地域鉄道部敦賀派出所、長岡〜越後湯沢(中里):長岡運転所
運転ダイヤ(各年時刻表より)
【ゆき】
京阪神発時間帯は19時台が中心。’92〜’93はシュプール白馬・栂池1号との併結の影響で20時台に変更。現地到着時刻は苗場・湯沢号では5時台、ほくほく線経由に変わってからは7時台に大幅変更。理由は十日町からのシュプールバス接続のための処置。
【かえり】
現地発の時間帯は18時台後半〜19時台、京阪神エリアには6時前後の到着。93年の京阪神エリア到着時刻がもっとも遅い時間になっていますが、併結先の「シュプール白馬・栂池10号」の時刻に合わせた結果でした。
本日は以上です。
過去のシュプール号はじめ、日本のスキー列車の歴史をまとめた一連のブログはこちらからご覧になれます。あわせてよろしくお願いいたします。
参考資料 1990年〜2000年のJR時刻表、交通公社時刻表、JTB時刻表、鉄道ダイヤ情報(シュプール号運転情報)