シュプール号名鑑と銘打って、意外にも情報の少ないシュプール号各列車のダイヤや使用車両を可能な限り追ってみたいと思います。

 

 第25回目は、JR西日本のシュプール白馬アルプス号を取り上げます。

 

 知る人ぞ知るシュプール号であり、運転時期・区間で2期に分けることができます。第1期は、大糸線不通の影響を最小限にすべく、白馬エリアへのアクセスを、従来の北陸本線(糸魚川)経由から、中央本線(名古屋)経由で運転されたS白馬・栂池号の救援列車でした。その後、大糸線開通に伴い一旦消えたものの、再び’99シーズンから【第2期】シュプール白馬・栂池号の京阪神エリア同日着列車を別名称として再登場します。

 

 とくに第1期は、JR東海のシュプール栂池号とほぼ同じルートを経由しながらも、JR東海エリア区間はノンストップという、大人の事情をかすかに感じるダイヤにも注目です。

 

 

シュプール白馬アルプス号

 

  運転された年(シーズン) 

急行 1996、97年 (2シーズン)

特急 1999〜01年 (3シーズン)

※通算5シーズンで運転

 

 

  年ごとの運転概要 

【第1期】急行シュプール白馬アルプス号

この列車では、どのシーズンも弁当販売駅の停車駅設定はありませんでした。

1996  姫路〜南小谷 1往復 ※中央本線(西線)経由
1997  姫路〜南小谷 1往復 ※中央本線(西線)経由

 

【第2期】特急シュプール白馬アルプス号

この列車では、どのシーズンも弁当販売駅の停車駅設定はありませんでした。

1999  白馬→西明石 1本 ※北陸本線(糸魚川)経由
2000  白馬→西明石 1本 ※北陸本線(糸魚川)経由
2001  白馬→大阪 1本 ※北陸本線(糸魚川)経由
  • 停車駅の変更:追加 福井
  • 京阪神エリアの終着が大阪止まりに変更

 

 

  使用車両

 
【第1期】
381系特急型電車
 :日根野電車区か出雲運転区 6両(’96) ※宮原操作場で検査整備
 :日根野電車区 6両(’97) ※宮原操作場で検査整備
初年度のみ、やくも号の運用に入っていない出雲運転区編成を捻出する対応も取られたようですが、基本はくろしお号用の日根野電車区編成が使用されています。いづれもモノクラス編成です。
 中央西線経由の場合、トンネル断面(高さ)と車両の関係から、JR西日本所有の485系、583系を投入できなかったことが、381系登用の理由となります。

閑話休題。1997年シーズンで381系を使用することになった影響をうけた意外な列車として「味めぐり北近畿号」が挙げられます。この3・2号は従来日根野区の381系を使用していましたが、その編成をS白馬アルプス号に充当することになりました。結果、京都総合車両所の181系7連が充当されることに。特急味めぐり北近畿号は大阪から福知山線を経由して城崎(現:城崎温泉)を結んでいましたが、福知山線にディーゼル特急が入るのは、1986年11月で廃止された特急まつかぜ号以来だったようです。ファンにとっては歓喜ものだったことは想像に難くないですね。

 

 

【第2期】

キハ181系特急型電車

 :京都総合車両所 7連(’99〜’01)

 

 

  運転ダイヤ(各年時刻表より)

【第1期】急行列車として運行されています。

【ゆき】

前述のとおり、JR西日本の企画列車あることも影響して、米原〜信濃大町間はノンストップ、すなわちJR東海エリアので客扱いはありませんでした。

時刻表には書かれていませんが、’96シーズンでは藪原駅に運転停車をして着時間の調整を行っていたようです。

 

 

【かえり】

ゆき同様、JR東海エリアでの客扱いは一切ありませんでした。時刻表には書かれていませんが、’96シーズンでは名古屋駅で1時間程度の運転停車を行い、着時間の調整を行っていたようです。

 

 

【第2期】特急列車として運転されています。

【ゆき】は、設定なし

 

【かえり】

シュプール白馬・栂池号で’95シーズンまで存在してた京阪神エリアに同日到着便が、’99シーズンに復活する際、列車名を分けた結果生まれています。そのため白馬・栂池号時代と運転コンセプトや使用編成は変わっていませんが、終着駅が’99と’00で西明石着となり、’01は大阪着と運転区間短縮されています。

 

本日は以上です。

 

過去のシュプール号はじめ、日本のスキー列車の歴史をまとめた一連のブログはこちらからご覧になれます。あわせてよろしくお願いいたします。

 

参考資料 JTB時刻表、鉄道ダイヤ情報(シュプール号運転情報)