健康や美容のために、たくさん水分をとることを意識している人は少なくありません。
「テレビで水分をとりましょうと言っていたから飲んでいます」
「モデルさんがたくさん水分をとっているからマネしています」
という人もいると思います。
たしかに、水分摂取は大切です。
人間の体の60%くらいは水分でできていてます。
唾液や胃液を作るにも、血液がどろどろし過ぎないようにするためにも、適度な水分が必要です。
しかし、水分が必要とはいっても、それは「適度」な量です。
健康のため、美容のためと思っていても、摂りすぎれば体の状態を悪くします。
では、なぜ水分の摂り過ぎが体によくないのか説明をします。
水分をとりすぎれば胃液が薄まります。
胃液が薄いと食べたものをきちんと消化吸収できません。
洗濯でたとえてみます。
適度な洗剤の量なら、十分な洗浄力を発揮します。
でも、水に対して洗剤の量が少ない、つまりうすーい洗浄液だと、洗浄力は落ちてしまいます。
胃液もこれに似ています。
飲み水によって薄くなってしまうと、その力が落ちてしまい、十分に食物を消化できなくなってしまうんです。
きちんと消化吸収できなければ、体が必要とする栄養素をきちんと得ることができなくなります。
栄養素が不足すれば、体のだるさ、肌荒れ、むくみなどの不調に。
また、水分のとりすぎで体が冷えることがあります。
口にしたときは温かくても、時間が経てば水は冷えます。
水分をとりすぎると胃に水がたまった状態になり、やがて胃の中で冷えてきます。
そして、冷たいものを体内に抱えている状態になります。
体を内側から冷やしていることになるんです。
むくみが気になる、体が冷える、体が重い、胃がちゃぽちゃぽいう、そんな人は水分摂取量を考えた方がいいかもしれません。
人それぞれ活動量や体質が違うので、必要とする水分量は違います。
テレビで言っていたから、モデルさんがやっているからと、人の考えをうのみにしたり、マネしたりするのではなく、体の声を聞くことが大切です。