日仏の人生観の違い 〜教育の力?〜 | 子供と暮らすウィーン便り 〜美しいもの探し&文化の違いに思いを巡らせて〜
こんばんは。
今日もPTAでした!
習い事に家事に学校に、
いそがしい一日でした。
初めましての方は、お読み頂く前に
こちら(およみ頂く前に♡)をどうぞ♫
***
さて、以前こんな記事を書きました。
無い無い尽くしのフランス〜日本のママが大変だと感じたその理由〜 【続】ないない尽くしのフランスの幼稚園驚きの事情 今日はその続きを書いてみたいと思います。 上記の記事ではフランスの幼稚園には母親が負担に思うような役員もなければ入園(学)式、卒園(業)式もない、授業参観も運動会も年に何回もあるお遊戯会等の発表の場もないし体操着もなければ、音楽の授業もない、園庭にはフラフープとキックボードとボールくらいしかない、 というのがフランスでの娘の幼稚園でした。
そして周辺の親御さんに聞く限りはどこもそんな感じで、 何もかも日本の環境とは大違い。 という内容でした。 私が昔秘書として仕えていたボスの一人、そう、貫禄があり、ショッキングピンクのネクタイをして、銀座の歩道のど真ん中を悠々と歩く彼が(懐かしい!一度銀座で遭遇したのです。) 同様に大昔パリに赴任をしていたので私もパリへ行く旨のご報告のメールを打ちました。 するとボスはこう返信してきました。 「フランス人の人生を楽しむそのあり方をじっくり味わってくると良いよ。」 いざフランスにわたると、太陽の光を楽しみながらカフェのテラスに座り、心からリラックスした様子で時間を楽しむマダム、ムッシュ達。 永遠と語り合い、その時間をゆったりと楽しんでいる様子はフランス人そのもので、日本では見たことのない悠々たる光景でした。 フランス人なので、そういうカフェで、カッコつけている人もいるかもしれないけれど(笑) 彼らにとっては、カッコつけることでさえ人生を楽しんでいることの一つの現れなのだと思えるほどです。(またこれについては書きましょう!) フランスのIKEAで娘のことを「可愛い〜!」と言って抱っこして、ずっとお話ししてくれたご家族。我が娘を抱きながら、娘まで一瞬でまるで家族になったようにリラックスした雰囲気でした。 話は戻り、 フランス人は何かにつけて 「リラックスしてる?」「楽しんでる?」 と聞いてくれます。 「リラックスして過ごすことがとても大事よ。」 彼らにとっては日本人の私はいつでも緊張しているように見えたのかもしれません。 彼らのリラックスは心から・・というのが伝わってくるんですよね。 そしてフランス人はバカンスのために生きていると言っても良い、とはよく言われることですが、 本当にその通りでバカンス前はバカンスの話で持ちきり、一年に何度もあるバカンスのためにみんな一生懸命働いているくらいなんだとか。 一方、日本。 例えば日本人が誰かを褒める時や尊敬する時、「頑張っていること」に対して褒めたり価値を置くことがとても多い気がしています。 「頑張ること」 それが日本人が賞賛する美徳の一つとなっているような気がします。 それも悪いことでは決してなく素晴らしいことなのですけれどね。 でも、日本も時代が変わり、こんな話をどこかで見ました。 ある上司が若い人の仕事のやり方のいい加減さに頭が来て、 「俺は、死ぬ気で仕事頑張ってんだ!」 というと、その子が「え、死ぬ気でやってるんすか?楽しんでないんすか?」 って。笑 確かに日本も楽しもうとする人は増えて来ているんでしょうが、フランスのあり方はそれとも少し違う・・ どう表現したらよいのか。もっともっと深いところで人生のなんたるかを分かっている気がします。 何のために生きているか。 もっともっと深く広義的な意味で人生をゆったり楽しんでいる気がするのです。 あんなに人生をゆったりと過ごし、日本人からするとある意味適当に仕事をしているように見える人も多いフランスを見てきた後に、日本のそれを見ると、同じ人生だというのに、自分も含め、気の毒な気もしてくるほどです。 私の日本人の友人は言いました。 「誰かが何かを始めたり頑張ったりしていると私もやらなきゃってなんとなく焦るよ!」 この、「なんとなく」が、いかにも日本人らしいと思ってしまうのです。 というのも・・。
私がフランスから日本に帰国し、日本の幼稚園(最近は小学校も)を見ると、特に幼稚園などは毎日のように次のお遊戯会に向けて取り組んでいる。 お泊まり保育に向けて取り組み、次は運動会に向けて、次はお遊戯会、それが終われば生活発表会最後は一糸乱れぬ卒園式のための鬼のような練習。 (友人から制服をもらっていた幼稚園で、制服もあったし、卒園まであと半年だしと思ったのとあそこまで厳しい園だと思わなかった私の幼稚園選びミスです。娘には懺悔とはいえ、小学校に上がる前に日本式に随分慣れさせることはできたのかもしれません。) そんな風に、結局園生活のほとんどを何かの練習に費やしていた幼稚園の子供達。
先生達も大変です
親に見せるために必死で
「形」にしないといけないのですから。
相当なプレッシャーだと思います。
一方、フランスの幼稚園は
そういう意味では行事も全くない上
朝8時から16時まで、という
非常に長〜い1日を、
遊んだり、アクティビティをしたり、
一人一人ずつのお誕生日会をしたり、
お昼寝をしたり、お勉強をしたり・・
と、日本のように特別何かに向けて頑張り続ける、
ということなくゆったりと
過ごしているわけです。
日本のお子さんは、練習が多く、
結局のところ、小さいころから
「頑張ること」を要求されながら
過ごしているんだなぁと思い至りました。
そして行事があれだけ多いと
「頑張り続ける」こともまた
要求されているわけで・・。
ということを考えた時、
友人が「なんとなく焦る」
の意味がすごーくよくわかりました。
なんとなく、という言葉から
伺い知れるのは、
「頑張るのが良いこと」
というマインドが、無意識にまで
染み付いてしまっているのでは、と
いうことでした。
頑張るのが悪いとは思っていませんし、
頑張るのが必要な時も
もちろんあります。
フランス人だって頑張って勉強したり
仕事をしている人たくさんいますものね。
でも両国民の人生観の違いは、
街にあるその姿を見れば明らかなのでした。
そして、それは幼稚園という幼い教育の場から
すでに影響を受けているのかもしれないと
思った私です。
これこそが「文化」。
文化の違い、ということなのでしょう。
幼い頃からの環境、しつけ、教育、
それらのいわゆる「文化」が
人を、そして人生を作るんだなぁと
改めて思い知っている私です。
フランスにいた時より
日本に帰国してからの方が
たくさんの発見があるのも
私にとっては面白いことです
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いつもお読みいただきありがとうございます。
素敵な夜をお過ごしください。
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