「桃色行脚」の中で不定期気まぐれに取り組んでいる、「通い慣れた球場の座った事ない席種を試そう」活動。
その中で、「いつか天気が悪い時に試そう…」と密かに目論んでいたとある席種に念願叶って初潜入を果たしてきた、申し分のない悪天候であった昨日の休場日の話をさせて頂く。
小雨の中向かった先は、東京湾岸のこの球場。
今季初の、つまり改名後初となるマリーンズ本拠地、「ZOZOマリンスタジアム」である。
この日の千葉市の天気予報は曇り時々雨であったが、実際の空模様は「時々雨」なんて生易しいものではなく、京葉線の車中も、海浜幕張駅を降りた際も、そして球場に到着した時もそれ以降も、強弱の差こそあれひたすら雨であった。
そんなコンディションの中で屋根なし球場で野球観戦しようと思ったら、当たり前だが防雨装備を整える必要があるのだが、こちとら可能な限り荷物を増やしたくないと常に考えている無精者ゆえ、楽はしたいし濡れたくもない。
というわけで選んだのが、前述の「いつか天気が悪い時に試そう…」と温めていたこちらの席種。
眼前のフィールドの眺めからお察しの通り、ここは外野エリア。その中で、レフトスタンドのバックスクリーン寄りに位置する…
2008年からここにそびえ立っている、「セブンイレブンスタンドデッキ」。ご覧の通り、外野スタンドの一部をステージ状に嵩上げしたエリアである。
スタンド最上段にあり、マリンをぐるっと囲む庇の下となるため、ここならば多少の雨は凌いでくれるのではなかろうかと、わざわざ雨予報の日を狙ったというわけである。
エリア内の全景がこちら。
レフト側からバックスクリーン方向の眺め。
反対の、バックスクリーン側からレフト方向の眺めがこちら。
想像していたよりはるかに広いな、というのが初めて立ち入った際の印象。
場所が場所なため、スコアボードに目をやると…
全く何も見えないのである。
とは言え、レフトとライトの壁面に巨大ビジョンを持つZOZOマリンゆえ、視点を右へ左へと慌ただしく動かせば、情報に困る事はない。
この「セブンイレブンスタンドデッキ」は4名一組の席と1名用の2種類の席種が存在しているのだが、今回取ったチケットは4名席の方。値段は（この日のシルバー試合日で）1名席が2800円、4名席が11600円で、一人頭は一緒である。
前掲の写真のように、前列後列の2列構成のエリアなのだが、同じ4名席も前列と後列でずいぶんと様子が違うのが大きな特徴。
こちらが前列の様子。丸テーブルを囲む形で背もたれ付きの椅子が並ぶ。目の前のフェンスは低く、視界を妨げない。
一方、後列はこんな感じになっている。
写真では長方形に見えるかもしれないが、実物は台形のハイテーブルと、テーブルに合わせたハイチェアが4脚。
この2種類の4名席のうち、今回は雨避け重視でこの後列を選んだ…というのは嘘で、試合前々日の時点でチケットを取ろうと思ったら後列しか空いていなかっただけなのだが、結果的には後列で正解であった。
というのも、既にここまでの写真からお察しかも知れないが、マリンの強風により容赦なく吹き込んでくる雨粒に、前列はほぼびしょ濡れ状態であったからである（後列でも多少の雨が吹き込んできたが、許容範囲内であった）。
「後列だと見にくいかも知れないな…」というのが行く前の懸念材料であったが、前列に対して視点がかなり上げられているため、後列に座っても前列の観客に視界を妨げられる事もなかった。
こちらが実際の席からの眺め。
椅子の横に映っているのは、各テーブルにひとつずつ完備されている荷物入れのカゴ。
親切なアイテムだが、4名用と考えるといささか小さい。
後列の台形のテーブル。
カップホルダー用の穴などはないため、風が強い時にはドリンクに注意を払う必要があるが、4名で弁当を広げたり、お洒落な桃色の「野球観戦手帳」の書き込みなどには十分なスペースが確保されていた。
エリア内に売り子はやって来ないが、小さなテントの売店が1軒ある。
大きく表記されている通り、この「セブンイレブンスタンドデッキ」エリアでは、当日でも申し込みが可能な飲み放題サービスがある。
ビール換算で4杯が基準になる飲み放題だが、この日は決してビールが美味い!!というコンディションでなかったのと、降雨コールドのリスクを勘案し、参加は見送る事に。
試合終盤まで雨が降り続けたこの日のZOZOマリンにあって、「雨避け」という最大の目的はある程度以上の成果が見られたこの「セブンイレブンスタンドデッキ」（ただし後列に限る）。
今回は「雨だから」という理由で選んだわけだが、パーソナルスペースも前後左右の距離も十分に取られており、外野の雰囲気を味わいながらも仲間とわいわい飲んだり食べたりも楽しみたい、というニーズの方には天候関係なくお勧めできる、予想していたよりはずっといい席種であった。
「雨避け」を席選びの筆頭に考える方は、おとなしく上の内野自由席の最上段を選ぶ事をお勧めする。
この外野の「セブンイレブンスタンドデッキ」から見届けた鷗鷲鳥類対決の話は、また次回に。
今シーズンも色々な球場の様々な席種にトライしてゆきたいと考えている当スタジアムへの皆様のご来場を、引き続き心よりお待ちしております。