トライストーン・エンタテイメント/ディライト・エンタテイメント
『いのこりぐみ』
公演概要
IMM THEATER
STAFF
作・演出:三谷幸喜
美術:堀尾幸男 照明:服部基
音響:井上正弘 邦楽:田中傳左衛門
衣裳:前田文子 ヘアメイク:宮内宏明
演出助手:伊達紀行 舞台監督:福澤諭志
宣伝美術:柳沼博雅 宣伝写真:源忠之
宣伝スタイリスト:菊池志真
宣伝ヘアメイク:宮内宏明、Ryota Nakamura (3rd) (菊地凛子)
宣伝:キョードーメディアス
制作・票券:熊谷由子 制作協力:style office
プロデューサー:佐藤政治、上野ゆう子、笛木園子 (fuetree)
エグゼクティブプロデューサー:山本又一朗
企画制作・東京公演主催:トライストーン・エンタテイメント/ディライト・エンタテイメント
CAST
小栗旬(若手教師・嶋シンゴ)
相島一之(教頭・野々村)
菊地凛子(保護者・熊沢コマ子)
平岩紙(担任・白石)
STORY
舞台となるのは小学校の教室。放課後、二人の教師が面談のために残っていた。そこにやってきたのが、ある児童の母親。度々学校にクレームを入れる、いわゆるモンスターペアレントだ。息子が担任に嫌われているから、その担任を変えてほしいと主張する。そこに当の担任教師も現れて、教師たちは母親と担任の二人から詳細を聞き取り、どうにか解決への糸口を探そうとするのだが……。【公式サイトより】
概評
小栗旬さんが社長を務めるトライストーン・エンタテイメントと関連会社ディライト・エンタテイメントの企画制作による三谷幸喜さん新作公演。
舞台はくすのき小学校5年B組の教室。
奥に黒板、その手前に教卓、壁に時計があり、開演時は5時を指している。上手側が廊下になっていて教室の窓から中庭が見える。
教室中央には机と椅子が3組置かれ、下手に置かれた机の上には手作りのトロフィー。それ以外の机椅子は舞台手前の教室エリアからはみ出たところに積まれている。
カスハラ(カスタマーハラスメント)なる言葉が定着するより遥か前にモンスターペアレントなる言葉が生まれていた教育現場。客はその1回限りのクレームで済むかも知れないが、学校という場においては保護者と教職員は最低でも1年は付き合っていかなければならない関係。
それだけに保護者からのクレームというものには慎重に対処していかなければならないわけだが、本作はまさにそうした保護者を迎え撃とうとする教頭と教え子でもあった若手教師の姿がまず描かれる。
果たして登場した保護者・熊沢は赤いドレスを着込んで見るからにちょっと異質な印象を与える。観客もこういうモンペがいたらさぞかし大変であろうという同情とともに成り行きを見守ることになり、担任が彼女とは正反対な落ち着いて真面目そうな女性教師と見るや、更に同情の念を深めていく。
ところが、若手教師・嶋が違和感を抱く。実は観客も幕が上がった瞬間から違和感を抱いていたはずで、それは遠近感が狂った教室に端的に表れている(田中傳左衛門さんによる邦楽も効果的)。
嶋が名探偵よろしくその違和感の正体を突き止めていくに従って、観客もまた気づくのである。おかしいのはこの学校(もしくは担任)の方だということに。
正直なところ、前半はなぜ三谷さんが今更こういう題材を選んだのか意図が摑めず、少々退屈に感じてもいたのだけど(熊沢の描き方もカリカチュアライズされてるし。他の観客にはウケていたけど)、終盤の展開はオセロが一挙にひっくり返されるがごとく鮮やかな手際だった。
4人のキャストはいずれもハマっていて、小栗旬さんは工藤新一役に続いて2代目古畑任三郎を狙えるんじゃなかろうか。笑
24年ぶりの舞台出演となる菊地凛子さん(当時は菊地百合子名義)は言動は突飛ではあるがどこか憎めない女性を魅力的に演じていた。
平岩紙さんも期待通り(?)裏がある女性を好演。相島一之さんは理想と現実のギャップを感じつつも自分の部下を守ろうという姿勢に人柄が滲み出していた(TikTokをチックタックと間違えるあたりにこの人物らしさを感じる)。
上演時間1時間41分。









