NETFLIXシリーズ
『極悪女王』エピソード1
The Queen of Villains
2024年日本ドラマ 62分
監督:白石和彌
企画・プロデュース・脚本:鈴木おさむ
プロデューサー:長谷川晴彦、千綿英久
ラインプロデューサー:井上潔
アソシエイトプロデューサー:成瀬保則
プロレススーパーバイザー:長与千種
脚本:井上純哉
音楽:木村秀彬、鈴木俊介、石塚徹、Teje、田井千里
音楽プロデューサー:田井モトヨシ
監督補:茂木克仁 美術監督:今村力
撮影監督:鍋島淳裕 撮影:馬場元
照明:かげつよし 録音:浦田和治
美術デザイナー:赤塚訓 装飾:京極友良
キャスティング:南谷夢
衣裳デザイン:髙橋さやか
衣裳統括:加藤優香利 ヘアメイク:有路涼子
スクリプター:松本月
編集:加藤ひとみ、脇本一美
音響効果:柴崎憲治
リレコーディングミキサー:田中修一
ポストプロダクションスーパーバイザー:山川健太郎、塩崎健太
VFXプロデューサー:川瀬基之
VFXスーパーバイザー:朝倉怜
助監督:渡辺圭太 制作担当:篠宮隆浩
オープニング:「Dump the Heel」ゆりやんレトリィバァ
主題歌:「Are you serious?」Awich
出演:
ゆりやんレトリィバァ(松本香(ダンプ松本))
唐田えりか(長与千種)
剛力彩芽(北村智子(ライオネス飛鳥))
村上淳(全日本女子プロレス興業社長・松永高司)
斎藤工(全日本女子プロレス興業専務・松永俊国)
黒田大輔(全日本女子プロレス興業副社長・松永国松)
えびちゃん[マリーマリー](本庄ゆかり(クレーン・ユウ))
隅田杏花(大森ゆかり)
水野絵梨奈(横田利美(ジャガー横田))
鎌滝恵利(ラブリー米山)
根矢涼香(デビル雅美)
安竜うらら(堀あゆみ(ジャンボ堀))
堀桃子(中野恵子(ブル中野))
鴨志田媛夢(ジャッキー佐藤)
芋生悠(マキ上田)
赤ペン瀧川(トヨテレビプロデューサー・臼井延夫)
仙道敦子(香の母・松本里子)
野中隆光(香の父・松本五郎)
田畑智子(五郎の愛人・栗原愛子)
西本まりん(香の妹・松本広美)
プリティ太田(プリティ・アトム)、野澤健(リトル・フランキー)、ミスター・ブッタマン(アブドーラ・コブッチャー)、ANNA(モンスター・リッパー)、清野茂樹(実況・志生野温夫)、池浪玄八(上木浩一)、神宮寺しし丸(リングアナウンサー)、さとる(幼少期の松本香)、柚穂(幼少期の松本広美)、永尾柚乃(愛子の娘・香)、枝光利雄(実況アナウンサー)、中村紬、佐藤浬、山本眞卯(ビューティ・ペア親衛隊)、各務百香(同)、田中佳奈子(同)、天田将行(酒屋店主)、坪井篤史(酒屋の常連客)、木下弘明(松本家の隣人)、SAKI、清水ひかり(ラ・ギャラクティカ)、川畑梨瑚(プロレスラー)、門倉凛(北村智子のダブル)、本木幸世[クレジットでは元木幸世](太陽パン屋店員)、桃野美桜(プロレスラー)、花屋ユウ(ミネルバ葉子)、堀田祥子、橘さり、丹羽麻佑子、栃洞雪乃(55年組・酒井加寿子)、吉田有希(奥野まなみ)、長村咲、佐藤緑、三浦綾花(クラッシュギャルズ親衛隊)、春名涼羽(新人レスラー)、志田美由紀、佐藤未涼、仁泉鋭美、中村未華(オーディション参加者)、三澄朝子(同)、齋藤憲良、しおつかけいいちろう(全日本女子プロレス興業広報)、へんみのぶあき(レフェリー)、海翔(飲屋街の犬)、マ力口二(神社の犬)
STORY
1980年代、極悪同盟を率いて全日本女子プロレスのヒールとして活躍したダンプ松本。幼き日の松本香(かおる)はトラック運転手の父親と内職で家計を支える母親、そして妹の4人暮らし。父親はたまに帰ってきては母親から金をむしり取り、外には愛人との間に出来た娘に同じ香という名前をつけていた。傷心の香は偶然、女子プロレスの練習場で何度倒れても立ち上がる新人選手の姿を見て感銘を受ける。1979年、その新人選手はジャッキー佐藤の名前で活躍し、マキ上田とのビューティ・ペアは絶大なる人気を博していた。そんな折、香は母親が見つけてきたパン屋に就職することになるが、プロレスラーになりたいという夢のため、新人オーディションに向かう。そこには後にライバルとなるクラッシュギャルズの長与千種と北村智子(ライオネス飛鳥)の姿もあった。
プロレスラー・ダンプ松本さんの半生を描くドラマシリーズ。全5話。
製作中から色々と話題となっていた本作だが、ようやく日の目を浴び、評判も上々の様子。
子供の頃、クラッシュギャルズvs極悪同盟の対決をリアルタイムで見ていた私ではあるが、ダンプ松本さんの少女時代から描かれるエピソード1は知らなかったことばかりだった。
もう既にさんざん書かれていることではあるけど、ゆりやんレトリィバァさんの演技がとてもいい。エピソード1ではオーディションで憧れのジャッキー佐藤を前にした時の恍惚とした表情が「プロレスが大好きです」という台詞とあいまって抜群だし、その後の母親に土下座して「うち、プロレスラーになりたい!」と訴えかけるシーンや父親に反旗を翻すシーンもグッと来る。
今のところ、悪役の片鱗も見せていない、純粋にプロレスが好きな少女がどのようにダンプ松本となっていくのか、その変化も見どころだろう。
ただ、始まりが1974年なのはクエスチョンマーク。ダンプ松本さんは1960年生まれだから1974年だと中学生。それなのに劇中ではランドセルを背負っている。1979年のシーンは卒業を控えた高校3年生のようだが、5年で小学生から高校3年生に進級したことになってしまう。
恐らく母に連れられて父の愛人宅へ行き、そこで同じ香という名前の腹違いの妹がいることにショックを受けて雨の中を飛び出した香がジャッキー佐藤さんに出会って女子プロレスにのめりこむ、という展開を作りたかったがためにこうした矛盾が起きてしまったのだろう。恐らくこの展開はフィクションだろうから(愛人宅に行ったのは実話だとか)、いっそのこと中学生設定ではいけなかったのかな。
そうそう、エピソード1を見る前に知ってしまっていたのだけど、酒屋で角打ちをしている男性はシネマスコーレの坪井篤史支配人。白石和彌監督もたびたびスコーレに来館されているので出演自体は不思議ではないものの、ちょっとびっくり。姉妹にソーセージのご褒美を与えるのは現場でつけられた演出だとか。