ユトサトリ。『だいたいみんな躍ってる2024』 | 新・法水堂

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ユトサトリvol.6

『だいたいみんな躍ってる2024』



2024年9月11日(水)〜16日(月・祝)
小劇場楽園

脚本・演出:大竹ココ

舞台監督:宅間脩起 照明:黒太剛亮
音響:成田章太郎、佐々木一樹(いぜるい〜あ)
演出助手:栗俣好花
チラシデザイン:コウノサチコ
撮影:大倉英揮
ヘアメイク(チラシ):キャンディ・猫子
WEB制作:大原富如
会場制作:赤松翔子、伴あさみ(未来教育劇団ここたね)
当日制作:小山都市、ノナカモヱリ、ゆいゆい

出演:
大原富如[ユトサトリ。](相原ほたる)
佐藤美輝(川野樹里)
和愛(新入社員・小浜佳)
石澤希代子[あるいはエナメルの目をもつ乙女](藤井ゆかり)
宮﨑優里(主任・朝霞澄子)
菊地奈緒(税理士・北園)

STORY

上司の結婚式を間近に控え、オフィスで余興の練習をしている女性社員3人。軽いノリで好きな人をバラされた主人公(ほたる)は余興を辞退すると言い出してしまう。なんとか機嫌を取り戻してもらおうとあの手この手を尽くすメンバーの説得空しく、年齢不詳のチームリーダー、会社に来ては煎餅ばかり食べている税理士、さらには結婚する上司も巻き込み議論は激化してしまう。【公式サイトより】

1995年生まれ、ゆとり世代の大竹ココさんと大原富如さん&1996年生まれ、さとり世代のキャンディ・猫子さんの3人による劇団・ユトサトリ。、初の再演作品(2021年初演)。

舞台はオフィスの多目的ルームのようなところ。壁が2面あるうち、左側に出入口へと繋がる通路。その横に壁時計があり、開演時に7時を指している。
細長いテーブル3つ(うち2つは連結)、背もたれのある椅子が6脚、スツールが2脚、長椅子が1脚。部屋の隅にはハンガーにかけられたジャケットなど。天井には蛍光灯が四角く並ぶ。季節は年末。

女性6人による一幕物で、リアルタイムに進行。一見平和そうな雰囲気のオフィスが各々の隠したがっていることが明るみになるにつれ、加速度的に物語が展開していく。
あらすじでは「好きな人をバラされ」とあるが、正確にはほたるがゆかりの結婚相手・山本と以前付き合っていたことを同期の樹里がバラしてしまうことにより、関係にヒビが入ってしまうという展開。
ゆかりも上司というよりは先輩で、ほたるが世話になったゆかりの結婚式にも出ないと言い出したのはもっも別の理由があったりもする。
一体どうすりゃいいのよ状態になる中、「踊る阿呆に見る阿呆 同じ阿呆なら踊らにゃ損損」と言わんばかりに誰も彼をも巻き込んでの一世風靡セピアダンス(ソイヤ! ソイヤ!)はかなり強引ではあったけど、一種の爽快感があってよかった。

キャスト6人のバランスもよく、それぞれの役割を十二分に務めていた。中では唯一、初演から続投の大原富如(ふゆき)さんは感情の起伏を表情豊かに表現。ほたると一触即発状態となる佐藤美輝さん、新人らしからぬふてぶてしさの和愛(のあ)さんもいい塩梅。大人チームの石澤さん、宮﨑さん、菊地さんも要所要所で存在感を発揮していた。

上演時間1時間42分。