武部聡志プロデュース

『ジプリをうたう』コンサートその2



【東京公演】

2026年3月13日(金)

東京国際フォーラム ホールA


出演(登場順):

大原櫻子

GLIM SPANKY

森崎ウィン

Kalafina

加藤登紀子

玉井詩織(ももいろクローバーZ)

浪岡真太郎・大島真帆(Penthouse)

増田貴久(NEWS)


演奏:

武部聡志(ピアノ)

渡辺裕太(ギター)

五十嵐宏治(キーボード)

浜崎賢太(ベース)

河村"よっち"吉宏(ドラムス)


スタジオジブリ作品の劇中で使用された楽曲を様々なアーティストがカバーしたトリビュートアルバム『ジブリをうたう その2』の発売を記念したコンサート。


まず武部聡志さんが登場して挨拶。

トップバッターはアルバムでも一曲目に収録されている大原櫻子さんで「風になる」。これはまあ予想通り。バックのスクリーンにはその曲が使用された作品のカットが映し出される。

まさか一曲で終わりということはないよね?と思っていたら、ちゃんと2曲目もあって一安心。というわけで『ホーホケキョとなりの山田くん』で使用された矢野顕子さんの「ひとりぼっちはやめた」。

更にお次はコラボということでGLIM SPANKYのお二人が登場して「さよならの夏〜コクリコ坂から〜」。GLIM SPANKYは今回のアルバムで初めて知ったけど、ボーカルの松尾レミさんは声量もあってパワフルな歌声。


ここで大原櫻子さんは退場。挨拶で噛んでいたけど笑、トップバッターとしての務めは十分に果たしていた。

残ったGLIM SPANKYは『アーニャと魔女』の「Don't disturb me」とアルバム収録曲「ひこうき雲」。前者は武部さん作曲で、ギターの亀本寛貴さんは本家にも参加しているのね。後者は武部さんと出演した『あさイチ』でも披露して話題になったそうだけど、松尾さんの歌声はユーミンの楽曲にぴったり(ユーミンのコラボレーション・ベストアルバムにも参加されているそうで)。


続く森崎ウィンさんとKalafinaも同じような形で進行。Kalafinaも初めて知ったけど、女性3人によるボーカルユニットで、美しいハーモニーを響かせていた。


東京公演のみ出演の加藤登紀子さんは特別枠。なんせこちとら本家ですから。笑

披露したのはもちろん、マダム・ジーナとして声の出演をした『紅の豚』から「さくらんぼの実る頃」と前作でSUPER BEAVERの渋谷龍太さんがカバーした「時には昔の話を」。

「さくらんぼ〜」はフランス語歌詞のパートは言葉の意味も分からないのに胸が震えた。「時には〜」はやや声が出づらそうなところもあったけど、そこさえも表現力でカバーしていてさすがはレジェンド。

合間の宮﨑駿監督から受けた演出についてのトークも軽快で楽しかった。


後半戦は玉井詩織さん⇒Penthouseの浪岡真太郎さんと大島真帆さん(本来は6人編成)⇒増田貴久さんとリレー。

玉井さんは前作もアルバムとコンサートに参加していて皆勤賞。「朝ごはんの歌」では冒頭、武部さんとピアノの連弾にも挑戦。

Penthouseは3日後に武道館公演を控えているそうだけど、アルバム収録曲「地球儀」は角野隼斗さんのピアノ演奏のデータを流しての歌唱。

続く「カントリー・ロード」は出だしは2人で披露し、途中からまっすーこと増田貴久さんが登場してのコラボ。

アルバムには参加していない増田さんだけど、ステージで一緒にやりたいと思っていたという武部さんの誘いで今回の出演が実現。「テルーの唄」は1番は武部さんのピアノと増田さんのボーカルのみで、増田さんの歌唱力の高さを実感できた。


アンコールでは武部さんの呼び込みで松尾さん、大原さん、玉井さん、森崎さんが登場して「ルージュの伝言」。ハモりも上々でいい感じ。

最後に全員で「やさしさに包まれたなら」。「ジブリをうたう」というより「ユーミンをうたう」なエンディングだけど、まぁこの2曲も『魔女の宅急便』のお陰で若い世代にも聴き継がれているところはあるからなぁ。

大原櫻子さんは最後までワチャワチャしていて(玉井さんとぶつかったり手を繋ぐところが分かっていなかったり)楽しそうだった。笑


アンコール含めて2時間10分ほど。

東京公演の様子はWOWOWで5月に放送されるとのことなので録画せねば。


 全曲目は↓



 


大原櫻子「風になる」(『猫の恩返し』)

大原櫻子「ひとりぼっちはやめた」(『ホーホケキョとなりの山田くん』)

大原櫻子+GLIM SPANKY「さよならの夏〜コクリコ坂から〜」(『コクリコ坂から』)

GLIM SPANKY「Don't disturb me」(『アーヤと魔女』)

GLIM SPANKY「ひこうき雲」(『風立ちぬ』)

森崎ウィン「世界の約束」(『ハウルの動く城』)

森崎ウィン「いのちの記憶」(『かぐや姫の物語』)

森崎ウィン+Kalafina「いつも何度でも」(『千と千尋の神隠し』)

Kalafina「時の歌」(『ゲド戦記』)

Kalafina「Arrietty's Song」(『借りぐらしのアリエッティ』)

加藤登紀子「さくらんぼの実る頃」(『紅の豚』)

加藤登紀子「時には昔の話を」(『紅の豚』)

玉井詩織「風の谷のナウシカ」(『風の谷のナウシカ』)

玉井詩織「朝ごはんの歌」(『コクリコ坂から』)

玉井詩織+浪岡真太郎&大島真帆「初恋の頃」(『コクリコ坂から』)

浪岡真太郎&大島真帆「地球儀」(『君たちはどう生きるか』)

浪岡真太郎&大島真帆+増田貴久「カントリー・ロード」(『耳をすませば』)

増田貴久「テルーの唄」(『ゲド戦記』)

増田貴久「上を向いて歩こう」(『コクリコ坂から』)

〜encore〜

松尾レミ、大原櫻子、玉井詩織、森崎ウィン「ルージュの伝言」(『魔女の宅急便』)

全員「やさしさに包まれたなら』(『魔女の宅急便』)

ホエイ

『メヤグダ』




公演概要

2026年2月19日(木)〜25日(水)
シアター風姿花伝

STAFF

作・演出:山田百次

舞台監督:黒澤多生 演出部:陳彦君

舞台美術:鈴木健介 照明:黒太剛亮(黒猿) 衣裳:正金彩

賄い方:新部聖子(少年王者舘)、福永マリカ

当日運営:岩井由紀子 制作:赤刎千久子

プロデュース・宣伝美術:河村竜也

CAST

三上晴佳(専属事務員・常田チカ)

赤刎千久子[ホエイ](事務院・小山内チズコ)

中田麦平[シンクロ少女](事務員・花岡ショウキチ)

河村竜也[ホエイ](事務局理事長・津島ユウイチロウ)

羽場睦子(前理事長・紀夫の妻・高橋サエ)

尾倉ケント(クーバーの配達員・山中)

山田百次[ホエイ](県人会会員・木村ヤスオ)

東さわ子[劇団東演](ヤスオの妹・木村ユウコ)

《特別出演》

斉藤祐一(演歌歌手・RYUICHI)

成田沙織(イタコ演歌歌手・成田山サオリンゴ)

STORY

都内。とある地下鉄駅13番出口から徒歩5分、古びたビルの一室にある「つがるふるさと県人会」事務所。そこは、故郷に帰れない、帰らない人たちが集う場所。事務所に迷い込んだ一匹の猫。そこに出入りするようになった一人の男。どちらも、すこし「メヤグ」な存在だった。【公式サイトより】


概評

ホエイ、2年ぶりの新作公演。


舞台は東京にある「つがるふるさと県人会」の事務所。下手に側に事務机、上手側にソファセット。壁沿いに棚やホワイトボード。周囲には段ボールが山積み。天井からは金魚がいくつか吊るされている。


こまばアゴラ劇場なき今、ホエイがシアター風姿花伝で上演するとは意外だったけど、劇場に一歩足を踏み入れればいつものホエイワールド。河村竜也さんが客席案内をしながら、写真撮影にも応じる。

今回は青森ではなく、東京が舞台というところが今までとちょっと違うところで、登場人物たちと青森の関係はそれぞれ異なっている。

夕日が綺麗な町の出身ながら、故郷には帰りたくない人、東京に出てきてから一切方言を使わない人、逆に方言丸出しでこの事務所以外には居場所がないのだろうなと思われる人、元々愛媛の出身で結婚して青森で暮らしたもののうまくいかなった人……「ふるさとは遠きにありて思うもの」と室生犀星は歌ったが、東京という土地で暮らしながらも青森と関わりながら生きている彼らの姿は、地方出身者なら多かれ少なかれ共感できる部分があるだろう。

リアリスティックな作品ながら、落として割れた湯呑み茶碗がヤスオの骨上げに繋がる演出には舌を巻いた。

また、ヤスオと疎遠だった妹のユウコがお骨は引き取れないと断るくだりはその心情が分かりすぎて胸が締めつけられた。


キャストでは三上晴佳さんがいつもながらにイイ。冒頭の津軽弁で母親と喋っているシーンは何を言っているか正確には分からなくても伝わってくるものがあった。


上演時間1時間32分。


アフタートークのゲストは贅沢貧乏・山田由梨さん。由梨さん脚本、百次さんご出演の青森を舞台にしたラジオドラマを聴き逃したのが悔やまれる。再放送してくれないかなー。



劇団アンパサンド

『歩かなくても棒に当たる』

 

劇団アンパサンド『歩かなくても棒に当たる』公演ビジュアル
 

 

公演概要

2026年2月20日(金)〜日(日)
東京芸術劇場シアターイースト

STAFF

作・演出:安藤奎

舞台監督:谷澤拓巳

照明:山口久隆 音響:高橋真衣

照明操作:宇野敦子 音響操作:野崎爽

演出部:成瀬正子

大道具製作:俳優座大道具 竹内智史

特集小道具:渡邉亜沙子

宣伝美術:宮村ヤスヲ 宣伝イラスト:安藤奎

記録写真:前澤秀登 撮影:彩高堂

票券:ローソンチケット

制作協力:坂田厚子、藤木やよい

主催・制作:劇団アンパサンド

CAST

西出結(502号室・宮内ユウコ)

永井若葉(402号室・小林マサヨ)

安藤奎(501号室・高橋メグミ)

安藤輪子(301号室・野崎カナ)

鄭亜美(杠(ゆずりは)愛子)

川上友里(元502号室・サナエ)

STORY

とあるマンションのゴミ捨て場。引っ越してきたばかりのユウコはゴミを捨てにやってくるが、収集車はすでに行った後らしく、ゴミ置き場には何もない。とそこへ下の階に住む小林や隣に住むメグミがやってきて、これから来るのかもしれないとゴミを置く。続いてやってきたカナはすでに収集車が行った後なのにゴミを置く人の気が知れないと腹を立てる。更に杠(ゆずりは)も加わり、以前はサナエが見張っていたからこんなことにはならなかったという話になる。サナエはかつてユウコの部屋に住んでいた自治会長で、1年前に交通事故で亡くなっていた。その話を聞いているうちにユウコは肩に重みを感じ、横たわる。再び目を覚ましたユウコの肩にはサナエのような顔がくっついていた。


概評

2024年8月初演、翌年の岸田國士戯曲賞を受賞した作品の再演。

 

舞台は 初演を踏襲(と言うか、これ以外にやりようがないか。舞台美術もクレジットされていないし)。
キャストは初演と同じで、戯曲も読んでいて展開は重々承知なのに大いに笑わせてくれて、何なら初演より面白く感じた。
もちろんそれは安藤奎さんの書く台詞の面白さがあってこそだが、キャスト陣が同じであるかのように見えてパワーアップしているからだろう。
とりわけ、先月の 東葛スポーツに続いてのシアターイーストとなるモンスター・川上友里さんは凄まじく、普通の俳優ではこんな役は絶対出来ないだろうというレベルで感心するほかない。2階(プレイハウス)に上がっても暴れまくってほしい。
鄭亜美さんのこの人、口調は丁寧だけど何言ってるんだ感も序盤から醸し出されていて可笑しくて仕方なかった。
 
余談ながら、カナが時間が過ぎているのにゴミ袋を持ってきたことが腑に落ちていなかったのだけど、結局この人は正義感の塊のような素振りはするけど、出せそうだったら出そうと思っていた、つまり根本のところではサナエさんがいた頃と変わっていないのだなと解釈した。
 

上演時間1時間25分。

 

 

 

マームとジプシー×川上未映子

『ウィステリアと三人の女たち』


マームとジプシー 川上未映子「ウィステリアと三人の女たち」公演


公演概要

【渋谷公演】

2026年2月19日(木)〜20日(金)

WWW

STAFF

原作:川上未映子「ウィステリアと三人の女たち」

上演台本・演出:藤田貴大

音響:東岳志 照明:南香織

映像:宮田真理子

衣装:遠藤リカ ヘアメイク:赤間直幸

ヘッドピース:松野仁美

衣装制作:Medenius

模型製作・原作家屋考証:重松理沙

舞台監督:熊木進 舞台監督助手:船津健太

アシスタント:柳瀬瑛美

宣伝美術:名久井直子

パンフレット写真/記録撮影:在本彌生

ヴォイス/フィジカルディレクター:石ケ森光政

企画制作・主催:合同会社マームとジプシー

CAST

青柳いづみ(私/腕の長い女/ウィステリア(老女))

STORY

3歳年上の夫と暮らす38歳の私は、自宅の前の藤の木がある大きな家が解体されるのを見る。そこには老女が住んでいたが、特に話しかけたことはなかった。解体工事がストップしたまま迎えた3月のある日、私はその家の前で腕の長い女に話しかけられたことがきっかけで、夜中にその家に忍び込む。そこで私は老女が若い頃、イギリス人の英語教師と塾を開き、ウィステリアと呼ばれていた頃の記憶を体験する。


概評

マームとジプシーと川上未映子さんによる7年ぶりのコラボ作品。


背景にスクリーンがあり、映像や章立ての数字(4と5の間に4.5あり)、相手の台詞などを表示。舞台上には家の模型やマネキン、テーブル、脚立など。


今年の岸田國士戯曲賞を受賞した大石恵美さんによるダダルズ『よだれ観覧車』は女性の一人芝居だったが、こちらの一人芝居も凄かった。

青柳いづみさんは原作となる短篇小説をほぼ丸々覚えなければならない状態で、ただただ圧倒的だった。


舞台上には青柳さんの他、お手伝いさんのような装いの女性一人と男性一人がほぼ常駐。女性の方は小道具係(アシスタントの柳瀬瑛美さん?)、男性の方はヘアメイク係(赤間直幸さん?)といった感じなのだけど、特にメイクを直す時に2人が立って向かい合う姿が儀式めいて見えて美しかった。


上演時間1時間37分。

 


Office8次元プロデュース

『人間失格』


舞台『人間失格』キャストビジュアル


公演概要

2026年2月13日(金)〜22日(日)

新宿シアタートップス

STAFF

原作:太宰治

脚本:堀越涼(あやめ十八番)

演出:寺十吾(tsumazuki no ishi)

音楽:坂本弘道

ステージング:黒須育海(BUSHMAN)

舞台美術:乗峯雅寛

照明:廣田恵理(東京舞台照明)

音響:岩野直人(ステージオフィス)

映像:浜嶋将裕 衣裳:神波憲人

衣裳協力:今井由希 大道具:俳優座劇場

演出助手:日高信乃

演出助手補佐:前殿はるか、坂田瑞季

アンダーキャスト:土屋暖

舞台監督:保坂康幸

宣伝美術:山下浩介 宣伝写真:玉井美世子

宣伝ヘアメイク:三上彩、野原友梨絵

映像収録:西川昌吾(TWO-FACE)

票券:Mitt

当日運営協力:嶋谷佳恵(劇団肋骨蜜柑同好会)

制作助手:坂宮舞(Office8次元)

制作協力:大森晴香(SET)

主催・企画・製作:Office8次元

CAST

小早川俊輔(大庭葉蔵)

陳内将(「私」)

郷本直也(葉蔵の友人・堀木正雄/日本兵)

鈴木裕樹(署長/商人)

佐瀬弘幸(葉蔵の父/客/寿司屋の大将)

近藤茶(中学校の同級生・竹一/客/共産党員/医者)

淺場万矢*[柿喰う客](雑誌の記者・シヅ子/姉/小母/女給/質屋)

原伊理(カフェの女給・ツネ子/女給)

米倉ゆい(煙草屋の娘・ヨシ子/アネサの妹・セッちゃん/仲居)

奥山美代子[文学座](マダム)

三尾周平*(「私」の友人/家族)

吉井翔子*(薬屋の奥さん/下女/学友/女給)

水野小論[ナイロン100℃/SUMMER HOUSE](淫売婦/女将/母)

糸原舞(老女中・テツ/下女/仲居)

早海亜衣理(下宿屋の娘/家族/遊女)

柳本璃音[劇団Q+](同志/アネサ)

丸山穂葉*(共産党員/学友/女/丁稚/家族)

利根川凜*(学友/女給/シゲ子/丁稚/家族)

野口詩央[劇団かもめんたる](幼少期の大庭葉蔵/シゲ子/郵便屋)

佐野眞一(古物商・ヒラメ/下宿/客)

田中春道(学友/客/共産党員/医者/郵便屋/家族)

*=Office8次元

STORY

「恥の多い生涯を送って来ました」とある喫茶店で、「私」は三冊の手記と三葉の写真に出会う。そこには『大庭葉蔵』という一人の男の半生が綴られていた。彼を取り囲む、人間、酒、煙草、思想———絶望の果てに心中や自殺を試みては死にきれず、やがて彼は廃人と化していく。【公式サイトより】


概評 

淺場万矢さん主宰のOffice8次元プロデュースによる近代日本文学新説上演第三弾。


舞台は二階建ての家屋。一階中央に障子戸。2階はガラス窓があり、「私」が訪れるバーなどで使用。


これまで原作はもとより映画、漫画(伊藤潤一先生!)、舞台で何度となく接してきた『人間失格』、どのあたりが「新説」なのかはよく分からなかったけど、寺十吾さんによる演出は随所に天野天街さんリスペクトが感じられるものだった。映像が浜嶋将裕さん(チラシも当パンも濱島となっていたが…)ということもあるが、終盤、これまで葉蔵に関わってきた登場人物たちが両開きになった障子戸や袖から顔を出して笑顔を見せるシーンは一人で涙を流していた。

また、寺十さんとはたびたびコンビを組んでいる坂本弘道さんの音楽が本作をより一層風格あるものにしていた。 


キャストは初めましてな方が多かったけど、主演の小早川俊輔さんをはじめ熱量の感じられる演技で自然と引き込まれた。ヨシ子役の米倉ゆいさんもよかったな。


上演時間2時間15分。


 

 

根本宗子の面談室vol.68


根本宗子イベント 辻凪子清水くるみ

2026年2月18日(水)

LOFT/PLUS ONE


出演:根本宗子

ゲスト:辻凪子、清水くるみ


根本宗子さんが開催しているトークイベント、2021年7月のvol.47以来の参加。


前半のゲストは辻凪子さん。

1月に上演された辻󠄀さんの一人芝居『ドルフィ田イル香の偏屈なダンス』のアフタートークに根本さんが呼ばれたことが縁でのご出演。根本さん一人芝居


後半のゲストは今年7月、根本さん作・演出の『超、Maria』に根本さんとWキャスト出演する清水くるみさん。最初に組んだ『新世界ロマンスオーケストラ』の話や清水さんがご覧になった『宝飾時計』の話など。

最後は辻󠄀さんも加わって3人でのトーク。


今回は『超、Maria』についての期待コメントをSNSに投稿することで根本さんのサイン入りチラシ(まだ仮のもの)のプレゼントあり。本作はコロナ期に配信版を観たきりだけど、今回はももさん&根本さんペアと田村芽実さん&清水さんペアのWキャスト両方とも観る所存。手売り即売会にも行かねば。

世田谷パブリックシアター

『黒百合』


舞台「黒百合」キャスト集結ビジュアル


公演概要

2026年2月4日(水)〜22日(日)
世田谷パブリックシアター

STAFF

原作:泉鏡花 脚本:藤本有紀
演出:杉原邦生
音楽:宮川彬良 美術:堀尾幸男
照明:北澤真 音響:稲住祐平
衣裳:西原梨恵 ヘアメイク:国府田圭
振付・ステージング:下島礼紗 
所作指導:藤間貴雅 
演出助手:山下茜 舞台監督:南部丈
世田谷パブリックシアター芸術監督:白井晃

CAST

木村達成(千破矢滝太郎)
岡本夏美(花売り娘・雪)
土居志央梨(県知事の娘・勇美子)
白石隼也(雪の恋人・拓)
白石加代子(荒物屋の婆さん)
村岡希美(盗人・白魚のお兼)
田中佑弥(法学生・島野)
新名基浩(警部長の息子・雀部多磨太)
猪俣三四郎(県知事邸の馬丁・義作)
大西多摩恵(県知事邸の使用人・道)
外山誠二(盗賊・慶造)
内田靖子
鈴木菜々
佐藤俊彦

スウィング:小林宏樹、松本祐華

STORY

明治後期、越中・立山の地。県知事の令嬢・勇美子は、屋敷に出入りする花売り娘・雪に、仙人か神しか見たことがないと語られる幻の花「黒百合」を採ってくるよう命じる。黒百合は、足を踏み入れるだけで暴風雨が起こると恐れられる「魔所」の滝のそばに咲くといわれていた。雪は盲目の恋人・拓の目を治す金のため、その危険な依頼を受ける。一方、幼くして母を亡くし浅草で孤児として育った滝太郎は、突然現れた男に華族の血を引くことを告げられ、富山の子爵家・千破矢家に連れられる。若様として育てられ侠気ある青年となるが、生まれつきの手癖の悪さは消えず、盗賊稼業から足を洗えない裏の顔も抱えていた。ある日、県知事邸で雪を目にした滝太郎は一瞬で心を奪われる。雪に迫る男たちを懲らしめるなか、自らも黒百合採りに挑む決意を固める。その背景には、幼少期から滝太郎を知る盗人・お兼から「お前の盗みはゴミを漁る犬のよう」と言われ、真の盗賊なら人知を超えたものを盗みたいという思いが募るようになっていたことがあった。雪は拓に献身的に尽くすが、拓は甘えることを恐れ、敢えて彼女を突き放してしまう。彼もまた、胸の内に秘めた事情を抱えている。隣家の荒物屋の婆さんは、そんな二人を優しく見守り続けていた。滝太郎が“大盗賊”へと成長してゆく軌跡を縦軸に、滝太郎・雪・拓の奇妙な三角関係、さらに勇美子が手元で愛でるモウセンゴケ(食虫植物)の内に広がる、夢とも現実ともつかない異界が重なり合う。冒険譚、恋愛譚、怪異譚……数多の物語が交錯しながら、鏡花文学ならではの幻想的な人間模様が浮かび上がる。【公式サイトより】

概評

泉鏡花が26歳の時に読売新聞に連載した小説の初の舞台化。藤本有紀さんによる脚本は7年前に書かれていたが、ようやく日の目を見ることに。

藤本さんの脚本&杉原邦生さんの演出ということでそれなりに期待はしていたのだけど、うーん、今ひとつ入り込めなかった。
舞台美術や演出面はよかったが、そもそも物語自体に面白みを感じないし、なぜこの作品を今更上演しようと思ったのかよく分からなかった。それでもキャスト陣に惹きつけるものがあれば楽しめたのだろうけど……。
土居志央梨さんは杉原さん演出の 『グリークス』(2019年)から注目していただけに、再び杉原さん演出作品に出演ということで楽しみにしていたけど、特に印象に残らないまま終わってしまった。


上演時期2時間45分(一幕1時間30分、休憩20分、二幕55分)。


本日は鑑賞サポート回で聴覚障害者のための字幕タブレット貸出の他、杉原邦生さんと芸術監督の白井晃さんによるポストトークにも手話通訳がついていた。また、ロビーには舞台美術の触れる模型の展示も。

黒百合舞台美術の触る模型


『This is I』


映画『This is I』のメインビジュアル


公演概要

2026年日本映画 129分

STAFF

監督:松本優作

脚本:山浦雅大

エグゼクティブプロデューサー:佐藤善宏

プロデューサー:窪田義弘

ラインプロデューサー:保中良介

特別協力:はるな愛『素晴らしき、この人生』(講談社文庫)

企画:鈴木おさむ 音楽:小瀬村晶

企画協力:深町公美子、和田耕治『ペニスカッター 性同一性障害を救った医師の物語』(方丈社)

制作統括:大槻厚史

キャスティングプロデューサー:新江佳子

協力プロデューサー:鈴木嘉弘

撮影:榊原直記 美術:我妻弘之

録音:竹内久史 照明:柴田雄大

編集:宮島竜治 助監督:井手博基

制作担当:相場貴和、松村隆司

衣裳デザイン:宮本茉莉

ヘアメイク:板垣実和、結城春香

装飾:大和昌樹 

VFXプロデューサー:長井由実

整音:藤島敬弘 音響効果:井上奈津子

スクリプター:万洲田千尋

ダンス振付:akane

音楽プロデューサー:成川沙世子

ポスプロスーパーバイザー:山川健太郎

CAST

望月春希(大西賢示/はるな愛)

斎藤工(医師・和田耕治)

木村多江(賢示の母・大西初恵)

千原せいじ(賢示の父・大西和孝)

中村 中(冗談酒場のママ・アキ)

吉村界人(ダンサー・タクヤ)

末成映薫(賢示の祖母・大西ミツ)

MEGUMI(和田クリニックの看護師・清宮裕子)

中村獅童(天満西署・鶴久)

藤原紀香[愛情出演](番組プロデューサー)

山村紅葉(芸能事務所社長)

真田怜臣(冗談酒場・メグミ)、ゆしん(同・ジェニファー)、枕芸者しと(同・まるみ)、椎名理火(同・アネット)、梛野すず(同・キョウコ)、中里虎鉄(同・小百合)、畑駿平(賢示の弟・大西幸二)、山崎聖(小学生の大西賢示)、山下容莉枝(タクヤの母)、原金太郎(芸能事務所社長)、星田英利(芸人H)、藤堂海(タクヤの叔母)、瑞生桜子(患者)、日高ボブ美、大塚ヒロタ、東野良平(ディレクター)、緒方ちか(教師)、関幸治、たけばやし、川連廣明(和田の同期)、板倉武志(同)、青木将彦(同)、大山真絵子、佐々木道成、須藤琉偉(男子A)、蒼井旬(男子B)、歳内王太(男子C)、森聖仁(幼少期の幸二)、高木龍之介、ニクまろ、コガケースケ、たにてひと、宮崎隼人、松本銀二、原啓太、山岡竜弘(BAR「エンジェルネスト」の客)、古木将也(同)、小川隆将(同)、大河内奏至(鶴久の部下)、川谷修士、正木航平(タレント)、采良、佐藤真尋(賢示の同級生)、千葉幸都(同)、荒生凛太郎(同)、おだかふみ、chii、FUMIKA、おおうちすずか、konyuri、Kotoe Ikeda、華月、バンヒヨリ、コウノアサヒ、EriNa、松田、吉野百葉、CHIHARU、明星、ayuna、Wako、maya、momoka、MomokA、Sounosuke、市毛優里子、Shi0n、AhaNe、Anne、kei、夢叶、Saki、KANNA、おおかわりな、SORA⇩N、HIRUMA、E-ICHI、Dyki、ナパチャット、ぴすたちお、Y-1、茂木拳斗、ハイジ、ToLa、YUTO、清水美智子、MAYA、小川りつ、増川貴美、森本竜馬、SOSUKE、敬太、金子裕二朗、大脇清空、照井らん、金田誠一郎、町田政則、大津年金手帳、小島ことり、柿崎勝行、永田美香、中川颯子、BENI、AVEY、明石恵麗奈、Mei、たけうち亜美、雪ましろ、泰平、宮城海鳴、山同燐、土屋凜、金城幸美、國咲マイカ、イサラ、キラキラ、あやオルドニェス、蝶羽、Sasha B Savannah、ruru park、Gabliel Ito、Oksana S、Aiko Schoeve、Francesca Fulan、Lea T、Naomi A、Fenix D'Joan、Trinh Quynh Lien、Sofia Ai、Paulina D、Jasmine Rose、Kei Romas、Shima Shyna、リリア、アロム、土井佑哉、鯉江至音、CONTA、小崎伶爾、LoyD、HiKAL、KaZuMa、廣田佳樹、NΛRU、Tomo、世志男、橘芹那、平手志帆梨、愛瀬めい、Riri、松嶺こはく、山田はるか、倉本香織、上野恵理香、ジョイ、イ・ウンジ、イ・ヒョンミ、パク・ソンウォン、菊田歩夢、新井元輝、福井彼方、英鷹哉、三浦心海、百田汐里、烏丸きなり、土居紗彩、久保田直樹、大江晋平、小川翔、北代祐太、貝桝壮汰、野性爆弾ロッシー、岐部公好、小西希林、山口雄大、桃谷晶、黒住尚生[声の出演]、杉井孝光、栗田昌治、秋葉美希、仁瓶あすか、村田彰洋、宇羽野道、田中伊吹、タナカサキコ、勝平ともこ、久保桜、乃緑、吉田庸、山田裕記、岡本健太郎、大西ユースケ、グッド良平。、森レイ子[声の出演]、池渕厚子、坂中久志、マーク大喜多、四家秀治、時田穂乃華、川合千里、藤田りえ

STORY

幼い頃からアイドルを夢見ていたケンジは、成長とともに“自分らしさ”と周囲の視線に悩むようになる。学校でいじめを受け、家族にも相談できずにいたケンジは、両親に内緒で働きはじめたショーパブで、華やかで個性的なメンバーたちと知り合い、「愛」という名前でステージデビューを果たす。そして愛は、貴公子のようなダンサー・タクヤと恋に落ちる。一方、過去に患者を救えなかった苦悩を抱える医師・和田は、愛の深い苦悩を知り、性別適合手術の世界に足を踏み入れることを決意する。【「映画.com」より】


概評

『映画MANIA』でお馴染みの(東海地方限定)タレント・はるな愛さんの半生を映画化。

ここにも絡んでいたか、鈴木おさむさん。


幼い頃から松田聖子さんに憧れ、高校を中退してショーパブで働き、性別適合手術を受け、アイドルを目指して東京に出てきて……ともちろんメインは愛自身なのだが、もう一人の主人公と言っていいのが、和田耕治医師。

この方も賢示同様、自分が何者であるか悩み続ける。同期の医師が命を救わない和田を見下すが、愛にとっては自分を女性にしてくれた和田は間違いなく命の恩人であろう。それだけに彼が手術中の死亡事故を医療ミスだと非難された挙句、非業の死を遂げるのは何ともやりきれない。


全篇を80年代以降の流行歌が彩り、ミュージカル調の演出が随所に挟まれるのも見どころの一つ。とりわけ、PRINCESS PRINCESSの「Diamonds」の「好きな服を着てるだけ 悪いことしてないよ」という歌詞にグッと来た。

最後に使われる渡辺美里さんの「My Revolution」も悪くはないが(むしろ好きな曲)、やはり松田聖子さんで締めてほしかったな。


今回、オーディションで愛役を勝ち取った望月春希さん、今後の注目株ですなっ。


 



和田企画再始動公演

『なる、ならない、なれない、ある』




公演概要

2026年2月13日(金)〜15日(日)

水性

STAFF

脚本:大池容子(うさぎストライプ)

演出協力:大北栄人(アー)、山田カイル(抗原劇場)

クリエーションメンバー:和田華子、オノマリコ、小野晃太郎、大池容子、黒澤多生、松井周、山田カイル

稽古場協力:池田きくの(劇団しようよ)

照明音響オペレーター:池田きくの(劇団しようよ)

当日運営:白石ころ(コメディアス)

記録写真:明田川志保

記録映像:ロブ・モレノ

プロデュース:和田華子、石塚晴日、オノマリコ

主催:和田華子

CAST

大石将弘(映画のオーディションを受ける俳優・新島/佐々木の友人A)

和田華子(介護施設で働くFtMトランスジェンダー・佐々木/新島のマネージャー・奥田/バイト ほか)

STORY

「誰かいない? そういう当事者の人、知り合いにー」39歳、男性、バイトがやめられない俳優・新島に、突然転がり込んできた “大規模映画のメインキャスト” オーディション。演じなければならないその役は、トランス男性。合格をつかむために新島がたどるのは、取材のできる「当事者」を探す旅だった──【公式サイトより】


概評

昨年予定されていた『スティルヒア』が公演中止となった和田企画の再始動公演。

メインとしては大石さんがオーディションでトランス男性の役を勝ち取りたい俳優の役で、和田さんがその俳優から取材を申し込まれる当事者の役。
映画や演劇における当事者キャスティングについては様々な議論があるところだけど、この新島という俳優、トランス男性の意味も分かっていない有様で失言のオンパレード。思わず笑ってしまうぐらいだが、と同時にマイノリティにある種の物語を押しつけるマジョリティの傲慢さを改めて感じた。
本作は俳優の演じたいという欲も描いていて、単純に当事者キャスティングにすべし!となっているわけではない。そんなことを言ったら、トランスジェンダーの俳優はシスジェンダーの役を演じることができなくなってしまうわけで。
そういった意味で秀逸なのがタイトルで、その役に「なる」なんてのは不可能で、「なれる」と思っているとしたら、それこそ俳優の傲慢というものであろう。それよりもその場にその役としてどう「ある」かが重要なのだろうな。

キャストは2人とも素晴らしく、複数の役を切り替えながら、息もぴったり。役者ならこういう役を演じてみたいと思うのだろうな、と思わせるものがあった。

上演時間1時間15分。

ロームシアター京都×京都芸術センターU35 創造支援プログラム“KIPPU”

餓鬼の断食vol.5

『DOGHOUSE』


餓鬼の断食vol.5 DOG HOUSE 公演ビジュアル

公演概要

2025年12月5日(金)〜7日(日)

ロームシアター京都 ノースホール

STAFF

脚本・演出:川村智基

舞台監督:村田瞳子

照明:植田悠子 音響:池田翔

舞台美術:小林新(劇団ケッペキ)

演出助手:田中陽太(ベイビー、ラン)、入江拓郎(THE ROB CARLTON)

ドラマトゥルク:キャメロン瀬藤謙友

記録映像:川上さわ

フライヤービジュアル:のもとしゅうへい

プロデューサー:堀綾花(餓鬼の断食)

制作:渡邉裕史(ソノノチ)、餓鬼の断食制作部

CAST

坂口修一(お寺の住職・井上隆(52))

木全晶子(住職の妻・井上直美(54))

下野佑樹[[フキョウワ]](隆の息子・井上拓也(30))

熊谷帆夏[劇団アンゴラ・ステーキ](直美の娘・井上桜(24))

秋庭悠佑(直美の兄ヒロシが経営する土建業の社員・佐藤圭太(25))

川口隼弥(ゲストハウス経営・村上大地(25))

風雅ひかる子[舞夢プロ](ゲストハウス経営、大地の婚約者・富田有紗(25))

永津真奈[Aripe](市役所の職員・佐々木美穂(43))

STORY

後期過疎集落にある寺院で住職を務める井上隆は息子の拓也、再婚相手の直美とその娘の桜と4人暮らし。桜は併設する保育所で働いているが、拓也は仕事を辞めて以来、引きこもっていた。8月9日、翌日の祭の準備のため、直美の兄が経営する土建業の会社で働く佐藤圭太や、東京から戻ってきて外国人相手のゲストハウス開店に向けて準備を進める村上大地と婚約者の富田有紗、市役所の職員・佐々木美穂らが出入りする。


概評

第70回岸田國士戯曲賞最終候補作を配信にて。


舞台は寺院の共有部分。上手側に十畳の和室があり、下手側には中庭。奥には下手側に向けて渡り廊下があり、途中にトイレの小窓。


戯曲を先に読んでから映像を観たのだが、手持ちカメラでワンカットで撮影されているため、とにかくブレブレで視点が定まらず、とてもじゃないが映像作品として見られたものではなかった。

役者陣の演技も戯曲から想像していた100倍は騒々しく、特に圭太役の秋庭悠佑さんはバク転を決めるなど身体能力の高さは分かるものの、不必要な動きが多すぎて少しは落ち着きなさいよと言いたくなるぐらいだった。

あと、やはり桜と有紗があんな人目につくところでキスしたり抱き合ったりするのは不自然。一体どこが評価されたんだろう……。


配信時間2時間20分。