ルネスタ | kyupinの日記 気が向けば更新

ルネスタ

2012年4月18日にルネスタという眠剤(不眠症治療薬)が発売になっている。これはエーザイから発売されており、海外からの導入品である。剤型は1mg、2mg、3mg。

ルネスタは、既に発売されているアモバンの光学異性体、Sゾピクロンである。もう一方のR体は単に苦いだけで活性がないと言われている。

だから、アモバンの苦味を減らし効果を高めた睡眠薬がルネスタなのである。従って、かつてアモバンで中毒疹が出たような人は禁忌である。

このSゾピクロンだが、これも少しは苦いらしい。しかし、R体がないだけ苦味は弱いと言う。メーカー的には苦味を感じる人は4割くらいらしいが、実際に使うとそこまで多くはない。

Sゾピクロンだが、アモバンのS体だけ取り出しているため、半減期が少し伸びて5時間と言われている。(アモバンは4時間)その分、少し使いやすくなっている。

ルネスタ2mgはアモバン7.5mgに相当するという。一般には成人には2mg錠を投与し病状に応じて3mgまで増量できる。高齢者のために1mg錠も発売されている。

過去ログにもあるが、ある時期、半減期の短いものが争って発売された時代があり、次第に短い半減期にはそれなりに欠点があることがわかってきた。短いと、健忘などが生じやすいのである。反跳不眠の原因にもなる。

マイスリーの半減期は2時間くらいと言われているが、2時間では早朝覚醒や中途覚醒には薬効が弱いし、健忘の原因にもなる。ルネスタの半減期5時間はバランスが良いということであろう。薬価はルネスタの2mgで80円弱である。

ルネスタは2005年、同じ商品名で既にアメリカで発売されている(Lunesta)。

また、一般のベンゾジアゼピン系眠剤と異なり、発売1年以後は1ヶ月を超えて処方可能になる(発売1年以内は従来どおり14日まで)。これは今のデパスやアモバンと同様である。この理由はルネスタが習慣性医薬品に指定されていることによる。

ルネスタが長期投与できる理由は、耐性の形成や退薬症候群、反跳性不眠がほとんどないためで、アメリカでは6ヶ月くらい処方できる。

禁忌は、アモバンで過敏症のある人、重症筋無力症の患者、急性狭隅角緑内障の患者のケースである。

ルネスタの名前の由来だが、ルネはラテン語のLuna、スタは英語のStarから来ていると思われる。

まあ、金環日食のようなものであろう。(←謎)

エーザイのルネスタのサイトを見ると、マスコットの熊がいる。よく見ると、首の辺りに明るい模様があり、ツキノワグマのようである。これはルネをモチーフ?しているのだろうか?

耳が星(Star)になっているのは面白いと思った。

参考
鏡像異性体
レグナイト