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この胸に深々と突き刺さる矢を抜け・下(白石一文)

 

2011年12月15日

講談社文庫

2009年1月

講談社単行本

 

345ページ

 

ワバタは胃ガンであった。手術の直後から、数年前に死んだ息子が自分をどこかに導こうとする囁きが聞こえ出す。格差社会、DV、売春――思索はどこまでも広がり、深まり、それが死の準備などではなく、新たな生の発見へとつながってゆく。発表されるや各メディアから嵐のような絶賛を浴びた、衝撃の書。(講談社文庫)


胸に刺さる矢とは? 山周賞受賞の渾身作。カワバタは癌に侵されていた。大物政治家Nの追及も、行く手が幾重も阻まれ、恐ろしい罠にはめられてしまう。そんななかカワバタはある運命的な出会いをする。

 

かつて夢中になって読んだ白石一文さんの

この哲学的な部分が

わたしは好きだったんだろうな~

過去のものとして思い当たるページは

たくさんありました

 

いろんな文献の引用が長くて

それが物語と

どう関連しているのか?

よくわからないことが多かったです

 

白石一文さんの持論を

長々と訴えられているだけのような

うんざり感もありました

 

わたしは年に100数十冊の本を読みますが

心が震えるほどの感動を覚えるのは

5冊もないような印象です

そして1冊2冊くらい

文字を追うだけで早読みで

未消化な本があります

 

残念ながら

かつては好きだった白石一文さんの

この作品がそうなってしまいました

 

残酷なシーンが

今のわたしには辛いこともあり

過激すぎる作品と言う印象です

 

☆白石一文さん作品読書記録☆

 

2010年

 

「一瞬の光」

一瞬の光(白石一文)

一ページ目ですぐにこの小説「好き」と感じた。音譜

長編だけど先々を急いで読まずにじっくり読みたいと思った。

文章も味わい深く丁寧な感じ。

東大出の一流企業でエリートコースに乗った主人公の心理。

その先の展開。

最後の平穏な心。

とてもわかりやすくて感情移入できた。

白石一文さんの小説を読むのはこれが初めて。

他にも読んでみたい。チョキ

 

「私という運命について」

私という運命について(白石一文)

白石一文さんの作品を読むのは、これが2作目

一作目の「一瞬の光」も一ページ目で、この小説は「好き」と感じて

哲学的で味わい深い文章なのに、楽に読み進めていった

この「私という運命について」も、主人公の亜紀に感情移入しやすく

読後感がとてもよかった

この作品も、エリートと呼ばれる人たちが多く登場し、

企業内部が描かれている

好きなんだな・・わたしはこれが

エリートと呼ばれる立場にいる人の、心のむなしさのようなもの・・・

そして、「一瞬の光」では、

主人公が、若い女性を支えていくことに喜びを感じ

この作品の、亜紀は紆余曲折の末、結婚して子供を生むということに

しあわせを味わい

康も超エリート街道を約束されていた会社を辞めて、

家業を継ぐ道を選んでいく

という、その感じが、私自身の中の価値観にすんなり合うから

過去読んできた、膨大な小説の中で、一番のめりこんだのが

山崎豊子さんの「沈まぬ太陽」だったけど

白石一文さんの小説は、山崎豊子さんに通ずるところがあるように感じる

白石一文さんは、わたしと同じく1958年生まれの、福岡県出身

懐かしい言葉や、土地が出てくることも、物語に入っていきやすい

ところ

この作品で、亜紀がしばらく福岡勤務をする時期があるのだけど

描かれている亜紀の、ウォーキングコースがわたしの実家のすぐ近く

そこの路地を亜紀が歩いているのではないか・・・と、感じてしまった

 

 

 

「すぐそばの彼方」

すぐそばの彼方(白石一文)

今、世間でも政治の世界の報道が多い。

わたしには、よくわからないことばかり。

政治家の発言を聞いても、それは表の発言であって、

裏がどうなっているのか・・・何を信じていいのかわからない。

熱く語られても、心に響いてくることがない。

この小説の舞台が、そんな大物政治家の世界だからか?

なんだか、難しくて複雑で人物関係図もよく理解できなかった。

ただ、主人公の龍彦の視点に立って、読み進めて、

「四年前に起こした不祥事」

により、受けてしまった心のダメージの感じは、

とってもわかりやすいのだけど、

なんでこうなったのか?という真相は描かれず

その説明はいつしてくれるのか・・・とじらされ

結局、ラストで真相がわかってきたときには、引っ張られすぎた感があって

「なぁ~んだ・・そんなこと・・・」

って感じてしまった。

これは、前に横山秀夫の「半落ち」でも感じたことがある。

エピソードそのものは、重く、深いのに、引っ張られすぎて

何?何があったの???

の連続のあとで明かされると、なんだか拍子抜けしちゃうんだよね。

ダメージの感覚はわたしにも経験があるので、描写がうまいなぁ・・

さすが白石一文さんだわって、

わくわくしながら読んでいたのに残念な感じ。

 

 

 

「僕のなかの壊れていない部分」

僕のなかの壊れていない部分(白石一文)

読後感を一言で言うと

疲れた・・・

もう、しばらく白石一文さんの作品は、結構です・・・・

一作目は「一瞬の光」

今年3月に、白石さんの作品を初めて読んだとき

最初の数ページで、とても強く惹かれた

この方の作品は好き

何冊も読みたい!

そして、これが4冊目

まず、この作品を読み始めて感じた物足らなさは、

どの作品も背景や人物像が似ていて

この場面・・・このせりふ・・・どっかで読んだぞ・・・

と感じ

読み進めるうちに、あれ?この人の過去や背負っているものは何だっけ?

あ・・あの過去やあれを背負っている人は

この作品の登場人物じゃなかったのか・・・

みたいな、勘違いを起こしてしまったこと

もちろん、私自身の集中力が衰えて、記憶違いも起こしているという

ところが大きいとは思うが

読みながら「飽きちゃった」って感情が出てしまった

読書のタイミングって、そのときの、

心境とか(疲れているとか勢いがあるとか)

生活のあり方(たっぷり時間を取れるとか、忙しくて細切れにしか読めないとか)

によって、同じ作品でも

良く感じたり、疲れを感じたり

ということがあるように思います

もっとゆっくり読書に浸れて

自分自身の心とじっくり向き合える状態のときだったら

白石さんの哲学にとてもうなずけたとは思います

書き留めておきたいフレーズも

やっぱりあっちこっちに散りばめられていました

ひとつだけ書き留めておきます

「みんなこの世界に居る人たちは きっと本当のことが分かっているのに

 それができないで苦しんでるのかもしれないなって」

 

 

 

「もしも、私があなただったら」

もしも、私があなただったら(白石一文)

白石哲学が適度に散りばめられているけど

小難しくはなく

すすぅ~と読み進められました。

白石さんの小説は、立ち止まって読み返し読み返し・・・することが多く

時間をかけてじっくり読むことが多かったので

こんなことは珍しかったです。

でも最終的にはやっぱり 純愛物という印象 というのは

変わりないです 。

小難しいのばかりが続くと 肩の力を抜きたくなるので、

白石さんの小説がとっても好きだけど 立て続けに読むのはしんどい

って思っていましたが、

こんなに読みやすい小説があるなら 重いのと軽いのを交互に読めば

白石さんの小説を立て続けに読めるなぁって思いました

もしも、私があなただったら・・・・ってタイトルには

どんな意味があるのだろう・・と 興味がありました。

いたってシンプルでした。

頭の中に もしも、私があなただったら・・・ってフレーズが

今も残っていて  物を考えるとき

もしも、私があなただったらって

わたしもひんぱんに出てきそうな感じがしています。

 

 

 

「永遠のとなり」

永遠のとなり(白石一文)

読み始めて 最初の3分の1あたりまでは

だらだらした感じがして

わたしが好きな 白石さんの 切れ みたいなものが不足しているようで

物足りない思いがしていたのですが

なんの!なんの! それ以降は ぐぐぐぅっと惹きこまれました。

今まで読んだ数冊とは 少し違う感じがしましたが

やっぱり 良いです 白石一文さん。

大切な人が異性という設定ではなくて 幼馴染という設定です。

いいな・・・とってもいい・・・・。

50代前後になって振り返る人生だからいいんです。

上り坂を登り 偏った価値観で 何だか勝っているような

高揚感を味わっても それは 永遠のものではないという感じ。

そんなころを振り返り なつかしくもあり むなしくもあるという感じ。

わたしにもあります。

最後の最後に タイトルの意味がわかるのですが

ほんと ぐっと来ました。

 

「草にすわる」

草にすわる(白石一文) 

☆     草にすわる

   生きる意味を見失っても ふたりでなら生きられる。

   共に生きる人がいれば 生きて行ける。

   人は人に必要とされ 生きていてほしいと求められて    

       生きられる。

   そんなことを考えました。

 

☆     砂の城

   名声を手に入れても 家庭がうまくいかなければ 

      むなしい。

   しあわせは なんでもない平穏。

   改めて そんなことを感じました。

   この小説は、新幹線の中で読んだのですが、

      書かれていることが深いので、

   ひとりきりの雑音のない部屋で

      集中して読んだほうが良かったように思います。

 

☆     花束

   新聞社と銀行という、興味深い世界が舞台。

   わたしの父が新聞社の元会社員で     

   わたしが元銀行員だから。

   でもあんまり理解できなかった。

   難しい世界だわ。

   ただ、自分の信念を持ち続け、

   上司にもこびず流されず

   仕事をする男が痛快で、

   胸のすくおもいがした。

   わたしが男だったら、

   きっと腰巾着になってやがて捨てられるタイプ

   なような気がするので、

   こういう男性をとてもかっこよく思う。

 

 

2011年

 

「見えないドアと鶴の空」

見えないドアと鶴の空(白石一文)

久しぶりに手に取った白石一文さんの小説。

読み始めは、うんうん・・・好きだなぁ・・・白石さん。

って 感じたんだけど

なぜオカルト?

超自然現象と 白石さんの組み合わせって わたしには違和感があった。

 

2012年

 

「どれくらいの愛情」

どれくらいの愛情(白石一文)

読みながら 何度も「くどいなぁ」 って感じた。

「もう読むの飽きたわ」とも。

男尊女卑の価値観が 女の幸せだよって 押し付けてくるような感じにも

「勘弁してください」って気分。

そこはうちの主人に重なってて わたしはそれを押し付けられても

それがしあわせだと感じて生きてきたにも関わらず

本で読むと 「うんざり」な感じがしてしまう。

2年半ほど前に 初めて白石一文さんの作品を読んで 「大好き!」

と感じ 「大好きだから立て続けにたくさん読んだ」のだと 

自分の中の記憶はそうなっていた。

「大好きだった白石一文さんの作品を 今の私は求めていないんだな」

って 今回は感じた。

 

 

2013年

 

「不自由な心」

不自由な心(白石一文)

一時、白石一文さんの小説がとっても好きだなぁ~

って感じていました。

白石さんの哲学みたいなもの・・・好きでした。

まとめ買いして、読み残していたこの一冊を、本棚に見つけて、

久しぶりに白石一文さんを、読みました。

・・・・う~~~ん・・・・??  なんでだろう・・・・。

女性を小ばかにされている気分になっちゃった。

仕事のしがらみや、家庭のしがらみの中で、

重荷を背負い、窮屈さを感じている男性の、

揺れる思いをとてもうまく描いているように感じられるのですが、

そして、そういう部分にきっと共感する男性が多いだろうなと

感じられるのですが、

女性として、そんな風に扱われるの・・・そりゃないでしょ!

って気分になっちゃった。

多くの男性は、女性をもう少し大切に思ってくれていると、

わたしは思っています。

 

 

2017年

 

「ほかならぬ人へ」

一時白石一文さんをよく読んでいました。

白石さん独自の世界観、理屈っぽさ、哲学、

それらを久しぶりに読みたくなりました。

ここまで突き詰めて考えたら、

ベストの相手って、そうそういないんじゃないの・・・?

添い遂げて、ベストのお互いになる努力でいいんじゃないの・・・?

なんて思いながら読みつつ、

人間不信に陥りそうな気分になりました。

 

「砂の上のあなた」

「ほかならぬ人へ(白石一文)」「砂の上のあなた(白石一文)」白石一文さん作品過去記事リスト・TO

終盤にいきなり次々に判明していく、

複雑につながる人間相関図が、

再読してもすんなり頭に入ってこなかった。

頭に入ってこなくても、差しさわりのない小説かなとも感じます。

子供を作りたいタイミングが、夫と妻でずれること。

ありがちなことと感じました。

わたしには作るという感覚がなかったので、わからない感情。

だけどわたしの子供たちの感覚を理解するには、

こういう感情も知っておきたいと思います。

 

2019年

「神秘」

「神秘(白石一文)」白石一文さん読書記録一覧

白石一文さんだなぁ・・という感じが確かにありました。

新聞連載物を一冊にまとめた長編なので、

続けて読むと飽きてくる感じと、

哲学にくどさを感じるところもありましたが、

神戸が舞台の部分が多くて、

街並みが思い浮かび、リアルでした。

そもそも白石一文さんを読み始めた最初は、

わたしの出身である、

福岡、博多、小倉がよく出てくることに、

惹かれたところもあったのです。

この作品は34年住んでいる神戸が多く出て来て、

そういうところも楽しかったです。

 

 

2021年

一億円のさよなら

「一億円のさようなら(白石一文)」白石一文さん作品読書記録

白石一文さん哲学に惹かれて

一時期たくさん読みました。

この作品からも白石一文さん哲学が

伝わってきました。

長さの割にはそれほど深くも重くもなく

娯楽作品としてサクサクと読めました。

 

展開が次々で

スピード感があって

一体この先どう動いていくの??

と次々にページをめくり

ラスト

こう来たか!

良い読後感でした。

 

2024年

この胸に深々と突き刺さる矢を抜け・上

「この胸に深々と突き刺さる矢を抜け(白石一文)」白石一文さん作品読書記録(14冊)

冒頭から

女性蔑視の感覚があり

ん??白石一文さんって

こんなんだっけな??

あれ??

わたし自身の価値観が

50代前後のころと変わってきているのかな???

 

またこの作品は

やたらと文献の引用

それも数ページに及ぶほど長くて

政治がらみの事になると

わたしにはさっぱりわからず

 

わからないまま読んでいますが

白石一文さんの持論を

ただ作品に込めて

小説の形で強気に発信している感があり

なんか・・

う~~ん

今のわたしにはちょっとしんどい読書な感じです


10位