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永遠のとなり(白石一文)       2010年3月10日
                   文芸春秋文庫
                   2007年5月
                   文芸春秋単行本
 
 
うつ病を患って会社を辞め、妻子とも別れた青野精一郎は、
 
故郷の博多に戻った。
 
無職のまま療養生活をつづける彼は、
 
小学校以来の友人で、九年前にがんを発症したのを機に
 
やはり帰郷していた敦と、互いを支えあうように日々を過している。
 
五十を前に肉体的、精神的、
 
あるいは経済的な不安を抱える男たちの姿をとおして、
 
自分の人生を受け入れて生きていかざるを得ない人間の切なさ、
 
やるせなさを描きます。
 
恋愛小説で読者をつかんだ著者が、新たな境地を目指した一作。
 
 
                            以上HP
 
 
 
 
読み始めて 最初の3分の1あたりまでは
 
だらだらした感じがして
 
わたしが好きな 白石さんの 切れ みたいなものが不足しているようで
 
物足りない思いがしていたのですが
 
なんの!なんの! それ以降は ぐぐぐぅっと惹きこまれました。
 
今まで読んだ数冊とは 少し違う感じがしましたが
 
やっぱり 良いです 白石一文さん。
 
大切な人が異性という設定ではなくて 幼馴染という設定です。
 
いいな・・・とってもいい・・・・。
 
50代前後になって振り返る人生だからいいんです。
 
上り坂を登り 偏った価値観で 何だか勝っているような
 
高揚感を味わっても それは 永遠のものではないという感じ。
 
そんなころを振り返り なつかしくもあり むなしくもあるという感じ。
 
わたしにもあります。
 
最後の最後に タイトルの意味がわかるのですが
 
ほんと ぐっと来ました。