第1206回「伊福部昭の芸術シリーズ:Disc 15〜シンフォニア・タプカーラ、オホーツクの海」 | クラシック名盤ヒストリア@毎日投稿中!!

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 みなさんこんにちは😃「伊福部昭の芸術」シリーズも個々で発売されていたものは取り上げ終えましたので、ここからはおまけ枠でついてきた2枚のDiscを1枚ずつ取り上げたいと思います。今回はDisc 15の手塚幸紀&東京交響楽団による「シンフォニア・タプカーラ」、合唱頌詩「オホーツクの海」をみていきます。1984年2月21日にゆうぽうと簡易保険ホールにてライヴ録音された。


〜伊福部昭の芸術シリーズ:Disc 15、1984年2月21日ライヴ〜


「手塚幸紀指揮/東京交響楽団」

伊福部昭作曲:
シンフォニア・タプカーラ

合唱頌詩「オホーツクの海」



 1984年2月21日にゆうぽうと簡易保険ホールにてライヴ録音されたこの貴重な録音。LPレコードでは手に入れることができたようだが、今回BOXでのボーナスディスクとして初CD化された。代表作である「シンフォニア・タプカーラ」と「オホーツクの海」という名曲2曲をセットで聴くことができるのは当盤しかないだろう。


 伊福部昭:シンフォニア・タプカーラ、1984年2月21日ライヴ録音

・・・「伊福部昭の芸術」シリーズには何種類もの「シンフォニア・タプカーラ」が収録されていたが、今回が最後の種類となる。ライヴ録音ということもあるため多少気になる点はあるものの、ノイズなど目立ったものはほぼなく全体的に聴きやすい印象を受ける。全楽章通してテンポの緩急も明確にわかりやすくアプローチされていることもあって第1楽章、第3楽章ではキレ味抜群のかっこよさが極まった旋律を奏で、第2楽章ではたっぷりと透明度の高い音色で歌い上げている。全体的に個々を主張しすぎているわけではなく、まとまりのあるサウンドとなっていることもあって多少崩れそうな場面があったとしてもほとんど気になることはない。音色だけでなく豊かな響きにも注目して聴いてみるとなお面白いと言えるだろう。


 合唱頌詩「オホーツクの海」、1984年2月21日ライヴ録音

・・・1958年に作曲された管弦楽伴奏による合唱曲である。録音はほとんど残されておらず、当盤で唯一聴くことができると言ってもいいくらいに録音媒体が残されていない貴重な曲の一つだ。後の伊福部作品や映画音楽を感じさせる和音使いや旋律を感じることができる壮大なスケールで描かれている作品で、合唱とオーケストラが重なり合った際の響きは独特な雰囲気を奏でている。これは非常に美しい曲だ。ノイズもほとんどなく、明瞭で貴重な録音であることとしてこれは大切にしていくべきと聴き終えた今は感じた。


 「伊福部昭の芸術」BOXに収録されたボーナスディスク2枚のうち1枚を取り上げた。聴き始めた瞬間にその世界観に驚かされるというか、この録音の貴重さは聴いた人々全てに伝わると私は思う。ほとんど録音が残されていない「オホーツクの海」も「シンフォニア・タプカーラ」に引けを取らない存在感を放つ名盤であると聴いていて感じたので、今後も定期的に聴きたいと思う。そして次回ついに長かった「伊福部昭の芸術」シリーズも最後を迎える。最後のディスクに収録されているのはもちろんあの曲だ。最後までたっぷりと楽しんでいきたい。


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