第1151回「伊福部昭の芸術シリーズ:Disc 2《響》」 | クラシック名盤ヒストリア@毎日投稿中!!

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 みなさんこんにちは😃本日は定期的に取り上げている「伊福部昭の芸術」シリーズをみていきます。2回目となる今回は「響」、交響楽の世界をみていきます。演奏は変わらず広上淳一と日本フィルハーモニー交響楽団で、曲目は「シンフォニア・タプカーラ」、管弦楽のための「日本組曲」が収録されています。


〜伊福部昭の芸術シリーズ:Disc 2《響》〜


「広上淳一指揮/日本フィルハーモニー交響楽団」

伊福部昭作曲:
シンフォニア・タプカーラ

管弦楽のための「日本組曲」



 Disc 2《響》では頻繁に演奏される交響曲である「シンフォニア・タプカーラ」と元々はピアノ独奏曲だった管弦楽のための「日本組曲」が収録されている。2曲とも伊福部先生を代表とする曲であることは間違いない。それをSHM-CDの高音質盤で聴くことができるのだから満足しないわけはないだろう。


 伊福部昭:シンフォニア・タプカーラ、1995年録音

・・・伊福部先生の作品中でも特に好きな曲の一つである。3楽章からなる交響曲で、「タプカーラ」はアイヌ語で「たって踊る」という意味になっている。演奏として、「緩→急」や「急→緩」といった際それぞれに適した音色やダイナミクス、音形で演奏されている。テンポの緩急に関してもより明確化されているため、聴き手としても飽きることなく聴き続けることができるようになっている。第3楽章終結部の追い込みに関しても中々のもので、テンションが最高潮のまま聴き終えることができるのも良い点だろう。今回は何より打楽器の音が非常に良くとれているのが良い。


 伊福部昭:管弦楽のための「日本組曲」、1995年録音

・・・元々は自身の作品である「ピアノ組曲」が原曲であり、それが管弦楽版に編曲された。第1曲「盆踊」、第2曲「七夕」、第3曲「演伶」、第4曲「佞武多」からなる。日本の舞曲および芸能が取り入れられていることも面白い点ではあるが、一種の映画音楽を聴いているかのような面白さがこの組曲にはあると私は考えている。各楽器が個性的な音色やリズム、和音を奏でていると言うこともあって後の作品と似ている部分もある原点的な曲だ。演奏ではダイナミクスの振り幅はそれほど幅広くないのだが、安定感のあるテンポとバランスの取れた音響は聴きやすい印象を受ける。


 さて「伊福部昭の芸術」シリーズ2回目としてDisc 2を今回みてきたが、聴けば聴くほどその世界観にひきづりこまれていく名演だったことは間違いない。特に「シンフォニア・タプカーラ」はやや固めの演奏ではあったが、時より躍動的な面をみせる箇所も何箇所か存在しているので聴いているだけでテンションが上がった。このままDisc 3を後日また取り上げていきたいと思う。


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