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[紀伊国牟婁郡] 阿須賀神社
■表記
事解之男命(コトサカノオノミコト)
事解男命
泉津事解之男命(ヨモツコトサカノオノミコト)等
■概要
◎事物を明らかにし、事態を収集させるという神。或いは魔を祓う神とされることも。
◎紀においては五段一書のみに登場(紀の本文や記には記述無し)。
亡くなってしまい黄泉国へ行った伊弉冉尊を追いかけた伊弉諾尊が辿り着く場面。伊弉冉尊が「(変わり果てた姿の)私を見ないように」と言ったにも関わらず、伊弉諾尊は見てしまいます。伊弉冉尊に「あなたは私の心を見た、私はあなたの心を見た」と言われ、失意のまま帰ろうとします。その時伊弉冉尊は「離婚しよう」と言い、伊弉諾尊は「あなたには負けない!」と言い返します。この時に吐いた唾を速玉之男と名付けました。次に掃き清めたのを泉津事解之男と名付けました。
原文は「不負於族 乃所唾之神 號曰速玉之男 次掃之神 號泉津事解之男 凡二神矣」
◎文脈からは「吐いた唾(速玉之男)」を掃き清めたということではなく、離縁することとなった伊弉冉尊との「わだかまり」といったようなものを祓ったのであろうかと。
◎あくまでも個人的な思量ですが、速玉之男神は出雲国あるいは紀伊国の熊野で実在した可能性を抱かせる神、事解之男神はやはり観念的な神ではないかと。
「解」を「わかる」「さとる」といった意味合いに取るのが一般的ですが、「ばらばらになる」「解く」といった意味合いの方に関心を持ちます。前者は「事」は事代主神と同様に「言」を「言葉」と捉えてのもの。後者は「事」を文字通り「事象」と捉えてのもの。紀の一書に登場するのは「離縁」しようとする場面。十分に可能性があると考えています。
■祀られる神社(参拝済み、主要社のみ)
[伊勢国多気郡] 佐那神社
[伊勢国多気郡] 豊原神社
[志摩国] 飛鳥神社(尾鷲市曽根町)
[伊賀国] 猪田神社(猪田)
[伊賀国] 猪田神社(下郡)
[伊賀国] 比々岐神社
[伊賀国] 陽夫多神社
[紀伊国牟婁郡] 飛鳥神社(東牟婁郡太地町)
[紀伊国牟婁郡] 阿田和神社
[出雲国] 熊野大社 上の宮
[出雲国] 佐太神社(記事未作成)
*その他全国熊野社で祀られる
*相殿、配祀、合祀等で祀られる社
[伊勢国河曲郡] 久々志彌神社
*関連社
[丹波国] 葛城神社(船井郡京丹波町)
[大和国葛上郡] 葛城一言主神社
[大和国葛下郡] 調田坐一事尼古神社
[大和国平群郡] 一言主神社(生駒市上町)
■*神名一覧*