比々岐神社


伊賀国伊賀郡
三重県伊賀市北山1427
(P有)

■延喜式神名帳
比々岐神社の論社

■旧社格
村社

■祭神
比々岐神
[合祀] 武甕槌神 経津主神 天児屋根命 建速須佐之男命 大日靈貴命 速玉男命 事解男命 伊邪那美命 誉田別命 大物主神 大山祇神 火産靈神 市杵嶋比女神 綾門日女神 事代主神 宇迦之御魂神


伊賀市南東部郊外、「伊賀上津(いがこうづ)地区」の「北山」の古い集落内に鎮座する社。鎮座地は「木津川」沿い、川を見下ろす台地上。また「初瀬街道」からもそう遠くはないところ。社叢は「比々岐の森」とも呼ばれ古来より親しまれてきたようです。
◎大宝年間(701~704年)に創建であろうとされることと(根拠は不明)、式内社に比定されているということ(伊賀市猪田の猪田神社の合祀社 大内社も論社に挙げられる)以外は、ほとんど不明の社。
◎ご祭神の比々岐神も地主神であろうとされること以外は不明。「伊水温故」(江戸時代に書かれた伊賀の郷土史)には、由気忌寸を祀るとしています。記紀には登場しない神でもありこちらも不明、国造であったという資料もありますが。
◎近江国伊香郡に天比比岐神社が鎮座します。そちらも「比比岐神」という不明の神がご祭神。一説には天太玉命を祖とする日置部が奉斎した社ではないかとも。「日読み」し暦を制作することを職掌としていた氏族。当社も台地上に鎮座しているため、可能性としてはあるのかも。

◎他にあげられているご祭神(合祀神)については明治の合祀政策によるもの。これは三重県の強力な合祀政策遂行の結果。村社6社と無格社60社が当社に合祀されたようです。
◎元亀四年(1573年)銘の棟札に「石八幡宮新造建立」とあり、中世には八幡信仰の影響を受けていた痕跡があります。一の鳥居には「八幡宮」の扁額が掲げられています。
◎また北西2kmほどのところに比自岐神社が鎮座していますが、社名の近似性から何らかの関連があるのかもしれません。

写真は2018年3月頃と2022年7月撮影のものとが混在しています。




「八幡宮」の扁額。






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