佐那神社


伊勢国多気郡
三重県多気郡多気町仁田156
(P有)

■延喜式神名帳
佐那神社 二座の比定社
[合祀] 火地神社の論社
[合祀] 須麻漏賣神社の論社
[合祀] 守山神社の論社
[合祀] 穴師神社の論社

■旧社格
県社

■祭神
曙立王命(アケタツオウノミコト)
[合祀] 天宇受賣命 速玉男命 伊邪那美命 天照大御神 須佐之男命 天忍穂耳命 天穂日命 天津彦根命 活津彦根命 熊野久須毘命 多紀理毘賣命 多岐津比賣命 市寸嶋比賣命 火産霊神 倉稲魂命 大山祇神 木花咲耶姫命 事解男命 誉田別尊 猿田彦命 菅原道真 不詳二座


天手力男命が鎮まる社。記の天孫降臨の段に「手力男神者 坐佐那那縣也」とあり、太古より当地に坐していた神であると考えられます。
◎社名、そして地名に残る「佐那(さな)」から連想されるのは製鉄(製銅)。少々離れてはいますが、当社から北西2kmほどの地、「櫛田川」に近い四匹田というところで銅鐸が出土しています。当地は「佐那谷」ともよばれ鉄や銅を産出していたのかもしれません。
天手力男命とともに祀られるのは曙立王。佐那造の祖とされるので、この神も当地を拠点にしていたと思われます。祖母は鍛治氏族がこぞって奉戴した天目一箇神の血筋を引いています(祖父は彦坐王)。また記紀に登場するのも垂仁天皇の皇子 ホムツワケ神の段。言葉を話すことができない皇子が話せるようになるまでの経緯を描いたもの。そこには鍛治氏族である天湯河棚神などの鍛治神なども登場、もちろん天皇自身も製鉄と非常に関わり深いと考えられています。
◎主祭神である天手力男命は、これら製鉄鍛治氏族の象徴であったのではないかと考えられ、また一説には銅鐸そのものを神格化したものとも。非常に強いパワーを持つ銅鐸が神格化されたとき、そのパワーは腕力に置き換えられたということでしょうか。
◎当社は神宮の宮造使により20年に一度建替えられる十二社の一社。斎宮の祈年祭にも預かる神社で、神話同様に神宮または外宮と深いつながりを持つ神社です。





おそらく男根を模した陽石だと思われます。