京都は朝から雨が降り、山々を覆う
曇天の空、梅の花が咲きはじめ、こ
の寒さを越えば、もうすぐ春が来る。
「源氏物語」の紫式部は、光源氏を
優しい理想の男性に仕立てている。
彼はこよなく女性を愛し、契りを結
んでゆく。異性と愛し合うことは、
愛憎がともない、そのことで疲れき
ることがある。
この頃に源氏が出逢う花散里との恋
契結物語。
<源氏と女性(波乱万丈)>
源氏22歳のとき、妻・葵の上(26歳)
が子ども(夕霧)を出産後亡くなる。
その年、義母・藤壺に似た14歳の紫上
(藤壺の妹の子)と結婚。
源氏23歳のとき、六条御息所(30歳)
が伊勢へ娘(玉鬘)とゆく。
そして源氏24歳のとき波乱万丈の年に
なる。政敵の右大臣家の朧月夜と契り
をかわす。
朧月夜は当時の帝、朱雀帝(源氏の異
母兄)に寵愛されていた。
かの女の父・右大臣に現場をみられ、
帝の母・弘徽殿の怒りを受け、源氏自
ら須磨・明石へ流転の身となる。
花宴の弘徽殿の几帳の中の朧月夜と中に入る光源氏。
<源氏と花散里>
このようなとき、源氏は、父・桐壺院
に仕えていた麗景殿の女御の妹姫がつ
いてきて、宮中で覗いたことがある。
そのとき源氏は妹姫を好きになる。
その後桐壺帝がおかくれになり、その
女御も里下がりされた。頼りにする人
もなく、妹姫と二人で寂しく過ごして
いる。
源氏は、その妹姫に言い寄った。
桐壺院女御とその妹花散里の邸を訪ねる源氏「花散里」
この花散里は、何の邪気もなく、ひと
柄が匂うように優しく、たとえ源氏が
、ながく行かずにいても、恨み言も言
わず、行ったときには、よくいらっし
ゃいましたと心から喜ぶ、そういう人
で、源氏は心からなごむ。
源氏のひとり息子・夕霧は、生まれて
すぐ亡くなった母・葵上にかわり、花
散里によって育てられる。
光源氏は、33歳のときに長男の夕霧が
12歳で元服し、光源氏自身は太政大臣
(太政官の最高位)にまで上りつめ、
養女の斎宮女御(前東宮と六条御息所
の子:梅壺女御)が冷泉帝の中宮(秋好
中宮)になる。
光源氏35歳のとき、
まさに生涯絶頂の時代のときだった。
新しい御殿の六条院が完成する。
このとき源氏は花散里にも夏の御殿
をあたえた。
新年を迎え六条院はいっそう華やいで
いる。源氏は明石姫君、花散里、玉鬘、
明石君、未摘花、尼姿の空蝉、とすべ
ての女君の部屋を巡り、寿(ことは)ぐ。
源氏の六条院御殿での春の催し・船楽
源氏にとって波乱万丈の生涯の年。
恋に疲れた源氏は、花散里の御前へゆ
き、ほととぎすの声に二人して耳を傾
け、とりとめない日常の会話をかわし、
源氏は歌を詠む。
たちばなの 香をなつかしみ ほととぎす
花散里を たずねてぞとふ
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