季節は移ろい、ときが経ってゆく。

「源氏物語」は千年の昔の恋にまつわる、

不思議な男と女の恋の物語。

 

ー源氏と夕顔ー

<光源氏>

少年の父はで桐壺帝で、母は身分低い

桐壺帝更衣。桐壺帝は若宮8歳のとき

に第一皇子(正室の子・朱雀帝)との

争いを避けるため、若宮8歳のときに

臣籍降下を決める。源氏の姓で、高麗

の相にその容姿が光り輝くようだと称

され「光源氏」と呼ばれるようになる。

 

光源氏は12歳のとき元服し、左大臣の

娘・葵上(あおいのうえ)を妻とした。

4歳年上で気位の高い葵上は源氏に心

を開かなかった。

結婚5年後、源氏が17歳のとき。

源氏は、夫(紀伊守)がいる空蝉と密

通し、紀伊守の妹・軒端萩とも契りを

結ぶ。源氏は、この頃に先帝の弟・皇

太子の未亡人で、美貌の六条御息所(

24歳)のもとへ秘かに通っていた。

 

<光源氏と夕顔>

ある夏の日。

源氏は乳母のひとり惟光を見舞うため

に五条の住まいに立ち寄る。このとき

乳母の隣の家の板塀に白い夕顔の花が

咲いているのに心惹かれ、護衛の随身

にとってと命じた。すると、中から女

の子が白扇を広げた上に、夕顔の花と

葉を一折のせて差しだした。その扇に

は「もしやあなたさまは源氏の君では」

と書かれていた。


源氏が乳母・惟光に調べさせると、源

氏の友人の頭中将の恋人で、一時身を

隠している女、夕顔であった。

 

源氏は、やがて夕顔のもとへ忍び、か

の女と契りを結ぶ。

 

 

その翌日8月15日の名月の夜に夕顔を

街の喧騒を逃れて古びれた荒廃した河

原の院に連れ出す。ふくろうの鳴き声

がするばかりの院。ここでふたりは愛

のときを過ごしていた。

 

夜中、源氏は、はっと目を覚ますと、

枕元に女人が立ち、こんな女を愛し

てと、夕顔の首元に手をかけ引き倒し

ていた。みると、夕顔はすでに息絶え

ていた。

 

 

 

埋葬地の鳥辺野は真っ暗。源氏は、ひ

とに知られないように、わずかばかり

の供を連れ、賀茂川を渡り、東山へ向

かうと17日の月が出ており、北の清

水寺の灯が見える。

夕顔が自分の理想の女性だと喜んだの

もつかのままだった。

源氏は二条の邸に戻るなり、病気にな

り、一ヶ月近く寝込んでしまう。

 

源氏が臥せているうち、秋が過ぎてゆく。

五条の家では、夕顔の小さな姫の子を育

てている乳母ガ行方しれずの夕顔をあ

きらめ、夫が九州に赴任するため、幼い

姫を連れて都を去ってゆく。

この幼い姫が成長したのちに美しい「玉

鬘(たまかずら)」となり、「源氏物語」

の男と女性の物語はさらに続いてゆく。

 

 

 

2023.1.28

藤壺(源氏艶女物語1)ー男と女の物語(334)

2023.1.31

紫上(源氏艶女物語2)ー男と女の物語(336)

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葵上(源氏艶女物語3)ー男と女の物語(337)

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明石君(源氏艶女物語4)ー男と女の物語(338)

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女三宮(源氏艶女物語5)ー男と女の物語(339)

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空蝉(源氏恋契結1)ー男と女の物語(340)

2023.2.7

軒端萩「源氏恋契結2(軒端萩と空蝉)」ー男と女の物語(343)