源氏は、高貴な方で光輝くとまでいわれ

た彼は女性をこよなく愛しては契りを結

び、若くして最初に結婚した葵上(あお

いのうえ)と源氏の、男と女性の物語。

 

<源氏と桐壺帝・藤壺>

少年の父は帝(みかど)の桐壺帝で、

母は身分低い桐壺帝更衣だった。

若宮(のちの光源氏)3歳の時に母

が亡くなった。

 

桐壺帝は、第一皇子(正室の子・朱雀

帝)との争いを避けたいため、若宮8

歳のときに臣籍降下を決める。

 

若宮は「源氏」の姓で、高麗の相人に

「光り輝くように」と称賛された美貌

から「光源氏」と呼ばれるようになる。

 

桐壺帝は、光源氏の母・桐壺更衣に生

き写しの藤壺女御を入内させる。

藤壺は、たぐいまれな美貌から「輝く

日の宮」と呼ばれ、ともに美しい母子

が仲睦まじく暮らす。

 

<源氏と葵上>

12歳で光源氏は元服する。

帝の桐壺帝は光源氏の後見に左大臣を

指定する。左大臣の娘・葵上(あおい

のうえ)を妻とした。

しかし4歳年上で気位の高い葵上(16

歳)は源氏(12歳)に心が開かない。

 

(葵上と六条御息所)

葵上は結婚5年後に懐妊したが、気晴

らしに賀茂祭(葵祭)の勅使になった

源氏の晴れ姿を見ようと牛車で出かけ

六条御息所との車争いに巻き込まれる。

 

このとから葵上は六条御息所の生き霊

に憑りつかれ、病になる。

葵上は夕霧を出産した後、源氏は葵上

の左大臣邸に寄りつかなくなる。

 

<源氏と六条御息所>

源氏は葵上と結婚5年後、源氏が17歳

のとき。

源氏は空蝉と密通、軒端萩と契り、夕

顔とも出逢い契る。そして六条御息所

と恋仲になる。

 

源氏(17歳)は、先帝の未亡人・美貌

の六条御息所(24歳)のもとへ秘かに

通っていた。

 

 

源氏18歳のとき。紫上(10歳)を知る。

源氏は義母・藤壺と密通し、その年の暮

れ、藤壺は男子を出産。その子の顔は源

氏にそっくりだった。

 

源氏19歳のとき、末摘花と出合い契る。

源典侍(57歳)と密会。20歳の源氏は

朧月夜と恋中になる。

 

源氏21歳のとき。

桐壺邸が退位され、源氏の兄の朱雀帝の

世になる。

賀茂の斎院に弘徽殿の女三宮が立たれ、

源氏は御禊の儀式の勅使として仕える。

葵上は妊娠していたが、女房たちに「

せっかくの晴れ姿、北の方がご覧になら

なくては」と促され出かけた。

 

一方、源氏の足が遠のき、恨めしくおも

っている六条御息所(28歳)。

ここで葵の上と六条御息所の下人同士の車

争いが起こった。左大臣家の下人らが狼藉

をはたらき、衆人がみるなか、辱めをうけ

た御息所の無念はたとえようもない。

 

葵上(25歳)は出産を前に物の怪に憑り

つかれて苦しんでいた。正体は六条御息

所の生き霊。

葵上は、左大臣家が総力を尽くし、甲斐

あってようやく男児(夕霧)を出産。

ところが、葵上は物の怪に襲われ命を落す。

 

 

 

何とも怖い話である。

嫉妬にさいなまれる六条御息所。

葵のうえのからだを使い、源氏に訴える。

(「葵」より)

 

嘆きわび 空にみだるる 我がたまを

 結びとどめよし たがひのつま

 

悲しみに耐えかねて 抜け出した私の魂を

結び留めてください 下前の褄を結んで

と、歌を詠む。

恐ろしくもあり、哀しくもある、男と女性

の物語。

 

「源氏物語(葵上)」ゆかりの地

ー京都の上賀茂神社ー

 

 

上賀茂神社(京都市北区上賀茂本山309)

 

都の鬼門を守る京都最古の神社(正式名

:賀茂別雷神社)で、賀茂祭(葵祭)は、

上賀茂・下賀茂神社の祭事で、京都三大

祭のひとつ。「葵」の帖では、斎院御禊

の勅使の源氏の姿を忍んで訪れた葵上。

このとき葵上の車が六条御息所の車を、

押しのける車争いが起こる。これが恐ろ

しくもあり、哀しくもある展開となる。

 

 

 

 

2023.1.26

源氏物語13「浮舟(夢物語)」―男と女の物語(332)

2023.1.28

藤壺(源氏艶女物語1)ー男と女の物語(334)

2023.1.31

紫上(源氏艶女物語2)ー男と女の物語(336)