石の上にも○○年~物書き志望女のひとりごと -35ページ目

石の上にも○○年~物書き志望女のひとりごと

日常で気になったことや、長い物書き志望歴で思ったことをランダムに綴ります。

2017年に「定年女子」というドラマが放送されたとき、軽くめまいがした。そういう時代になったのだ、と感慨が大きすぎて。

 

私が就職したのはバブル期だった。「男女雇用機会均等法」が施行されて数年、期待の女性先輩も多くいた。でも基本的に男社会で対等に進んでいけるのは、やはり特別頭が切れる女性だったように思う。

 

当時は「想い出にかわるまで」「クリスマスイブ」など、私が尊敬する内館牧子さん脚本のドラマが流行った。基本、ドロドロドラマと言われるけれど、女性の職場における立場がリアルに描写されていたことが人気の一因だったはず。

 

まだお茶くみ、コピー取りが主な仕事だった時代、その中で年齢を重ねるうちに肩身が狭くなる。結婚が最大の幸せで円満退社が一番の誇り。男性側の「女の子にこんな仕事させたらかわいそうだから」との思いは、決して悪気ではなくあの頃は本気の誠意だった、等々。

 

仕事をする女性が出てくるドラマもあったが、大体は恋愛ドラマの背景の、例えば不倫相手が会社の同僚といった添え物程度か、医者や弁護士など専門的な職業だった。だから内館さんのドラマに出てくる普通のOLの切なさは強烈だった。

 

その後、ドラマでの女性の仕事は添え物ではなくなっていく。両立のための「ダブルキッチン」とか、OLとひとくくりにできない曲者ぞろいの「ショムニ」なども面白かった。

 

最近は、主人公の女性はほぼ普通に仕事する。「獣になれない私たち」しかり「校閲ガール」しかり。

 

こういった中でドラマシナリオコンクールにはどんなものを出したらいいのか悩む。

 

会社は男社会で女がどうしても不利を感じる話。普通の女性が普通の男性と同じように何も考えなくても同じに進むのは難しい。そういうものを書きたいと思っている。とすると、時代設定は現代にはできないのかな、と思う。けれどこうした風潮が残っている会社もまだ多く、知り合いから聞く愚痴からは、時代遅れの話でもないという気がしている。

 

ドラマは現実を先導する立場なので、今なぜそのテーマなのか、が大事という。内館さんの頃はそういったものがなかったので新鮮だった。でも今は「女性のお仕事もの」は氾濫している。つまり、そういったものを応募しても作品としての新しさはない時代になったということだ。

 

何せ女性の定年退職のドラマが放映される時代。今や仕事を定年まで続ける方も増えた。けれど、バブル期に最善とされた結婚退職をした女性は、それゆえに「自立していない」といった目で見られる不快さもある。

 

そういった多様化を扱えば新しくて面白いドラマにもなるのかな、と思う。思いつつも、扱い切れるかどうか、まだまだ修行の必要も感じる。

 

(了)

 

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主婦歴数十年。料理のレパートリー、一桁。

 

料理した回数だけなら数えきれない私だけど、大抵は市販のカレーの素、中華の素、〇〇焼の素……と、味付けはほぼ外注と言っていい。最近の「素」は下手に手探りで調味料を合わせるより美味しくて間違いを起こさない。早くからそれに気付いていた私は、ヘビーな愛用者なわけで。

 

とはいえ、美味しいものを食べるのは好き。だから美味しそうな料理本をながめるのも料理番組を見るのも好き。気になったものは真似して作りたいと思う気概もある。

 

けれど、その気概が挫かれることは多い。料理本・番組、共にあるワードが出てくると投げ出してしまう。

 

その1「〇〇したらラップで包んで冷蔵庫で一晩おきましょう」


これ、ダメなんだなあ……。料理は嫌いじゃないけど、毎日となるとやる気を起こすのが大変。やる気になったらその貴重なチャンスに一気にやらないと。一晩経ってそのやる気が持続しているかは怪しい。ラップで包んだまま1週間や2週間、平気で過ぎてしまいそうなんである……。

 

その2「魚焼きグリルを使うだけなのでカンタン」


作ること自体はカンタンかも知れないけど、その後が問題。あのグリルの、乗せる台一本一本と受け皿の汚れを洗うのが嫌いで嫌いで。そもそも本来利用するはずの魚さえフライパンにシートを敷いて焼いているくらいなのだ。

 

その3「ここでミキサーにかけます」


これも2と同じ理由で私にはNG。大昔、ビシソワーズというジャガイモのスープ作りに凝っていた時もあるけど、自然消滅してしまったのはそのせい。ミキサーの入れ物と刃をきれいに洗い上げることを考えるだけで憂鬱になるんである。


思えば、お菓子作りにトライしていたこともあった。でもあれは使う用具も多いし、粉が飛び散ることも、バターやらのオイルがこびりつくことも、はたまた焼け焦げる可能性も大。その後片付けは私にとってひとかたならぬ重労働だった。だから、餅焼き網やらザルやらもめったに使わない。

 

要は洗い物が嫌いなせいでレパートリーが狭まっているのかも。世の中のお料理好きな方は、そういうことを面倒だと思わないのかなあ。

 

私の作るのは、なるたけ簡単で洗い物が少なく(食器含めて)短い時間で出来上がるものばかり。結果一皿物が実に多くなっている。

 

手の込んだ超美味しいものを食べたくなったらプロの作るお料理を。つまり外食する。ちょっと目先を変えたくなったり品数が少ないと思ったら、出来合いの総菜を買う。それでいいんじゃないかな。


冷ややかな目で見られても呆れられても動じない。このところ、開き直りだけは上手くなってきた。苦手なことを長く続けるにはそれが一番大事よね、と思う。……これも一種の開き直りか。

 

(了)

 

 

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このところのコロナ騒ぎで、身の回りのケアが本当に煩わしい。

 

外出時には常にマスク。メガネをかけている身には地味に耳が痛くなり、頭痛に発展しつつある。


通勤電車はなるべく人の少ない時間場所を選ぶ。でも、私もそうだが誰もつり革手すりに触らない。急停車したときどうなるか怖い。


石鹼手洗い→アルコール消毒→ハンドクリームを激しく繰り返すので、手はあかぎれし血にまみれてきた。それでも一般市民にできる数少ない対策の1つなのでやめるわけにはいかない。


そして家族全員帰宅後には、家のドアノブや電気スイッチやリモコンを消毒シートで拭いまくる。


ああもう嫌になる。

 

どこまで気を付けてどこまで消毒やお掃除をすればいいのか。服とかお金とか髪の毛とか。気にし始めたらあそこもここも、あっちもこっちも際限ない……。


でも、旦那さんのテレワークや子供の休校が加わってストレス爆発している知り合いを見ると、それがない身でキレるのも申し訳ない……。

 

こんな異常に神経質になるしかない毎日で、思い出したのが1997年の映画「ガタカ」(アメリカ、主演:イーサン・ホーク)。


遺伝子ですべてが管理される近未来、エリートかどうかは生まれながらに決まっている。そんな中、劣性遺伝子を持つビンセントが優秀な遺伝子の男に成りすまし、エリート社会に紛れ込む。が、彼の正体を疑う人間が殺される事件が起き……といった話だったように思う。

 

ストーリー自体はもうおぼろげだけど、鮮明に覚えているのが、このビンセントの涙ぐましい努力。厳重に遺伝子を管理されるので、偽物とバレないためには、髪の毛一本、皮膚ひとかけらも落とせない。涙、汗、血液、唾液。トイレやお風呂も油断できない。いつもピンセットやら消毒布やらで拾い集め拭いまくり。


その、始終気を張って細かく神経を尖らせなければならない日常は、おおざっぱな私なら気が変になると思った。いっそエリートになんかならない方が幸せなんじゃないの? とも。

 

観た当時は、こんな神経質な未来は無理、と一刀両断して済んだ。でも今現在のコロナウィルス防御対策がこれに重なって思え、あの時思った以上にすり減ると痛感している。

 

他にも思い出した映画がある。

1995年の「アウトブレイク」(アメリカ、主演:ダスティン・ホフマン)。


空気感染する未知のウィルスが蔓延していく話だった。その感染の広がり方の描写がリアルで、現場の医師や研究者たちの執念やプロ意識が素晴らしく、とても観応えがあった。好きな映画なので何度か観ている。


けれど、現在の現実が似すぎていて今は観返す気になれない。ただ、この映画のラストは血清を作ることに成功して収束した。現実も早くそうなってほしい。

 

日本でも「感染列島」という映画が2008年にあった(主演:妻夫木聡)。


「アウトブレイク」の日本バージョンという感じだったが、出来はあまりに悪かった。「アウトブレイク」は良質のサスペンスだったけれど、こちらはただむやみに怖がらせようとするだけの安い内容。そういう意味で、今だからというわけではなく、今後も観ないと思う。

 

様々なイベントも次々中止になり、不要不急の外出も避けようとなると、家で映画を観るくらいしか思いつかない。では何を? これ以上すり減りたくはない。

こういうときはリアルなものより、アニメとかファンタジーとか、そういった非現実に逃げたくなる。

 

(了)

 

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昔、保健所でバイトしていたことがある。ちびっ子達の健診の受付が主な業務だった。

 

生まれて3か月とか1年6か月等の節目で、身長体重を測ったり歯の検査をしたりと、順調に成長しているかをチェックするための、国が定めた健診である。

 

走り回り続けママに追いかけさせ続ける子、大泣きを周りに伝染させる子、繰り返し絵本を読み直す子。いろんなタイプのお子さんがいて、見ていて微笑ましかった。

 

平日にも関わらず付き添いはご両親お二人でとか、パパが連れてくるパターンもあって、時代は変わったなあと思わされる風景。

 

そんなちびっ子達と保護者の方、時には兄弟姉妹や祖父母までが一堂に会するので、かなり騒々しい。受付のこちらも声を大にしてお名前を呼んだり説明したり案内したりする必要があった。

 

私の場合、普段から声がこもって通らないので、とにかくまず相手に届くようにしゃべるのに必死だった。なので他の細かい心配りがついうかつになってしまうことが結構あった。中でも今でも申し訳ないと心に引っかかっている失敗がある。

 

受付のたびに「お子さんに食べ物の好き嫌いはありますか」「お母さんは空いているお席におかけになってお待ちくださいね」とか呼びかけるわけだけど、その方には平然と言ってしまったのだ。

「お父さん、こちらにご記入をお願いします」

 

するとその方、変な顔をして「あの」と言った。「私、母なんですけど」と。

 

一瞬意味がわからなかった。ショートカットで、たっぷりしたジャケットにパンツをかっこよく着こなしていた。何かスポーツをされているのか、すらりと細身で足取りも軽快。1ミリも疑わなかった。現代らしい「イクメン」がいる、と。

 

違う。とってもボーイッシュなママだったのだ。

 

笑って聞き流してくれたら忘れてしまっていただろうけど、今でも「ごめんなさい、すみません、ごめんなさいっ!」と10000回でも叫びたくなるほど、そのお母さんは傷ついた顔をしていた。

 

言い訳をさせてもらうなら、その間違いは侮辱や誹りとかではなく、さばさばしたかっこよさがあって好感度が高かったせい。ソフトボールの上野さんとか女子サッカーの澤さんみたいな。私はそういうのに憧れてしまう部分があるのだろう。後に宝塚に走る自分を予言しているかのようである。

 

でも、そのお母さんにとっては誉め言葉ではなかったのだろう(動揺した私、何とも言い訳もできずにその場を終わってしまったし……)。本当に申し訳ないと今でも思っているのだが、……そのちびっ子ももう中学生か高校生になっている頃。お母さんがかっこいいことに気付いているかもしれない。だとしたら、あの時そう告げられなかった私の代わりに声を大にして伝えて欲しいと願っている。

 

(了)

 

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宝塚ファン歴たった1年弱の、ほぼ初心者の私でもショックだった。2/18に発表された雪組トップ望海風斗さんの退団である。

 

私がハマってからの短い期間にも、星組の紅ゆずるさん、花組の明日海りおさん、と男役トップの方の退団があった。トップでない方の退団もどんどんある。時期はそれぞれだが、みなさんそのように普通に卒業していく。だから、5組のトップの中で今最も上級生である望海さんの退団も、おそらくそう遠くないとファンの方々は覚悟していたはず。

 

でも、ファンの入口に立ったばかりの私ですらこの衝撃……。

 

望海さんの存在感は格別だった。観ずにはいられない、好きにならずにはいられないオーラがあった。つい先だって、オリンピックの聖火ランナーに決まったと聞いて感極まり、そのたった200メートルを見に行こうかと本気で悩んでいた私である。

 

歌、踊り、お芝居、と三拍子そろった素晴らしい男役なのである。初めて望海さんの出演作をDVDで観たのは半年くらい前だけど、その印象たるや強烈だった。たちどころに引き込まれた。その後憑かれたようにいくつか続けざまに観たが、どのお役も計り知れない力強さがあった。

 

「エリザベート」の犯人兼狂言回し、「オーシャンズ11」の邪悪なボス、「るろうに剣心」の仇奴。いやあ、そういう「悪い」奴らを、おっそろしく魅力的に見せてくれて、悪役好きな私はすっぽりハマったのでありました。

 

かと思えば、「ファントム」の孤独な音楽家や「壬生義士伝」の貧しい武士はチャーミングだった。純粋さや家族を守ろうとする愛に溢れていて、それまでの悪役ぶりがウソのような善玉で。振り幅の広い、七色の演技力に再び惚れ直したのでした。


去年のFNS歌謡祭で、ほんの一部披露してくれただけなのに濃い深い闇を広げたトート閣下も素晴らしかった。いつか「エリザベート」の舞台で全部通して観てみたかった。

 

望海さんはトークも楽しい。昔から宝塚オタクで、宝塚が大好きで大好きで仕方なかったそう。少女時代の日記は天海祐希さんへのお手紙としてしたためていたほどという。お芝居でもショーでもその大好きさが伝わってくる。実際ご苦労も多いはずなのに、楽しくてたまらないという気持ちがガンガン響いてくる。そんな方なのだ。

 

「オレは夢を売る男」と彼女が歌い上げたナンバーがある。「オーシャンズ11」での野望に満ちたカジノオーナーの持ち歌である。客にひととき大金持ちになる夢を見させてやるという、汚い金儲けに理屈をつけたものであるから、意味は違う。でも、望海さんは間違いなく舞台上で「夢をくれる男」である。3時間、必ず心踊り震える夢の中へ引っ張って行ってくれる。

 

退団会見の、すがすがしい笑顔がまたとても魅力的だった。寂しいけれど、10月までの舞台と、そして今後のご活躍を楽しみにしたいと思います。

 

(了)

 
 
 

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野村克也さんといえば、私にとってはフルーツサンドの人である。

 

もう10年以上も前になるけれど、何かのバラエティで野村夫婦の1日を追いかけるような番組をやっていた。そのとき妻の沙知代さんが朝食に作っていたのがフルーツサンド。栄養とノムさんの好みを考え、たっぷりスライスしたイチゴやバナナと生クリームをパンに挟み、それをホットサンドメーカーで焼く。

 

これがもう、ものすごく美味しそうでどうしてもどうしても食べたくなってしまい、その日のうちにホットサンドメーカーを購入した私……。

 

が、結局私がフルーツサンドを作ることはなかった。

 

最初にハムチーズサンドにトライしたのだが、この器械、ものすごく細いパンじゃないと入らない。ミミつき8枚切りなんかとても無理。ミミを落としても具材はそうそう詰め込めず、薄いハムとチーズだけでも溶けたチーズがはみ出てしまった。その焦げが器具内にこびりついて洗うのにめちゃくちゃ苦労したため、その後活躍することはなかったのだった……。

 

と、そんな風に家事力のない私、このホットサンドメーカーを使いこなし、更にはノムさんの栄養管理全般に行き届いている沙知代さんを尊敬したわけで。

 

ノムさんご本人の話に戻ると、三冠王、プレイングマネージャー、ID野球、ボヤキ、再生工場とキーワードがいくつもある。古田敦也さんや田中将大投手の育ての親としても有名で、それまでの野球の常識を破る数々の素晴らしい実績あふれる方。

 

でもONと同世代だったため、すごい記録やプレイでも、彼らの活躍の陰に隠れてしまった。だから「月見草」と自らを呼んだ。そういう気持ちは大した才能も実績もない私にだってよくわかる。

 

それでも、ノムさんが野球に関してトップオブトップだったことは間違いない。それはファンサービスにおいてもそうだった。

 

ノムさんが楽天の監督をしていたとき、試合帰りのバスに出くわしたことがある。選手達は疲れていたのか、誰も顔を見せてはくれなかった。でもノムさんだけは窓を開け、笑顔で手を振り続けてくれた。

 

そのときの私は相手チームの応援のために球場に出向いていたので、出てきたバスが楽天のものだと分かった途端、一瞬がっかりした。でもその対応に、「ノムさん、どんだけプロなんだ」と心が晴れたっけ。

 

「マー君神の子不思議な子」

ノムさんが田中将大投手をそう評したことがある。でも、ノムさん自身、野球の神様の子供なんじゃないか。そう言ったって、誰も否定しないと思う。

 

今頃は、沙知代さんと天国でフルーツサンドを食べているといいな。

 

心よりご冥福をお祈り申し上げます。
 
(了)
 
 
 

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私の自慢。

それは何年にも渡って投稿し続けた、シナリオ、小説、その数である。

 

乱投稿と言ってもいいくらい、もう数えることも諦めてしまったほどの量。郵便料金だって考えるのが怖いほど。それらのタイトルを並べたExcelの表は、ギッシリ行を詰めた2枚目がもうすぐ終わる。

 

そのほとんどが落選なわけだけど、下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる、こともある。ごくたま~に、一番ではないものの、当選したことも一応あるのである。

 

そうなると慣れないことを頼まれる。

「受賞の言葉」というやつを。

 

とにかく、落ちた量が多すぎるので、賞に残ったという実感が湧かない。夢か妄想かドッキリじゃないかとずっと疑っていた。

 

というようなことをつらつらと書いた。どのくらいの量を落ちたのか、どれだけの年数を物書くことに費やしたのか。何かの手違いで、「入選は間違いでした」などと再度連絡がくるのかも、と不安におののいたり。そのくらい、信じられないほど嬉しいと。

 

そして、授賞式というものにも参加させていただいた。とても和やかに、担当の方や選者の方、他の受賞者の方とお話できて、本当に楽しい時間だった。

 

と、その隙間時間に、こそっと担当の方から言われたのが。

「受賞の言葉、とてもうれしいお気持ちが伝わってきました。けれど、受賞作品はどういう思いを持って書かれたのかも知りたいです」と。

 

はっ……。


全くもって抜け落ちていた。その肝心な部分が。何てこと。物語ならば主題の部分だろう。こんなアホなものを書いて自分は物書きを目指していると言えようか……。

 

授賞式から帰ってすぐに書き直し、速攻で送った。その際、直す前の文章を読み返したわけだが、「受賞までの道のり」「どれだけ落ちたか選手権」みたいなとんちんかんな内容。顔から火が出そうだった。

 

それで思い出したことがある。


小学生の夏休み、読書感想文を書いた時のこと。


何の本かは忘れたが、「その本を読みたくて読みたくて探して探してようやく見つけました。とても面白かったです。おわり」というような内容で出した。先生も何とも評しようがなかったのだろう、ただ丸が一つついていただけだったように思う。

 

その時から全く成長していない……。投稿した数を数えるより、もう少し目を向けないといけない欠点、一つ見つけました……。


(了)

 
 

北海道から九州まで10分で行くとか、砲丸投げ500メートルとか、自分の足で車より速く走るとか。はたまた過去に戻るとか。

 

私が、物理的に不可能=「できない」と思っていることである。

 

「どこでもドア」や「タイムマシン」、あるいはサイボーグ的な技術革新が進み、いずれ夢やSFでもなくなるのかもしれない。でも、今のところはまだ「できない」と思われる。

 

そういう、今のところ、世界の殆どの人ができないだろうことは別にして、個人差でできる人とできない人がいる分野はある。

私の場合、それは「人の名前を覚える」という分野。

 

そういうことに長けた方を、どれだけ尊敬し、羨んできたことか。私は若い頃から物覚えは悪く物忘れは得意。あんまりひどいので歳を取っても困らないと思っていたが、甘かった。そのレベルからでも見事にどんどん悪化するのである。


アーチスト、俳優、お笑いコンビ、アナウンサー。最近の新しい人ならともかく、昔からなじみの、ずっと好きだった俳優名まで出てこなかったときには愕然とした。

 

加えて普段仕事場でご一緒する方の名前まで。いや、直接は関わりがなくあまり話さなくても、社内で顔を合わせたり何かを取り次いだりもするわけで。お顔は存じていても名前が出てこないことが増えて、……ヤバすぎる、と震撼した。

 

が、最近はもう、愕然も震撼もしなくなった。笑顔と話術でごまかしたり、カンペを作って都度都度確認したりでやり過ごす。覚えられないんだから「できない」んだから仕方ない。ま、いっか、と。

 

けれど、こういう「できない」はウソである。最近気付いて更に慄然とした。

 

宝塚にハマって早10か月ほど。花月星雪宙の5組あってそれぞれに70~80人が在籍、他に10人ほどのベテランが組をまたいで出演する。そんな大人数の全員ではないが、少なくともそれぞれのトップ、二番手、三番手さん、他目立つ方なら大体わかるようになった。

 

で、そのお名前、元祖キラキラネームとでも言いましょうか、どの方も凝っている。どう読んでいいのかわからない漢字も多い。だから、一般的な佐藤とか鈴木とかよりとんと頭に入ってこない……と思っていたのに。

 

ええ、「好き」というのはめちゃくちゃ強い。覚えちゃいました、この凄まじく物覚えの悪い私が。更にこのキラキラネームは当然芸名で、ジェンヌさんには別にあだ名がある。


例えば、芹香斗亜さんならキキちゃん、月城かなとさんならレイコさん。望海風斗さんならだいもんさん、鳳月杏さんならちなつさん。本名にちなんだり等で芸名とは全く違うことが殆ど。それも……しっかり覚え込んだ。

 

すごいな、私。その気になればできるんじゃん……。

 

そういえば昔、「冬ソナ」ブームの頃、「ビデオとか機械全くダメ!」等と言っていた自称機械音痴主婦達が、ヨン様見たさにめっちゃ使いこなすようになった社会現象があったっけ。

 

「できない」も、うまく人参で釣ってみたら結構そうでもないのかも。

 

(了)

 

 

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初めて飛行機に乗ったのは、学生最後の冬だった。卒業旅行でヨーロッパへ出かけた時だ。

 

正確には覚えていないけれど、直行便ではなくどこかを経由したので、20時間とかかかったと思う。ただでさえ乗り物酔いしがちな私、初フライトがそんな長時間とはかなり酷で、着いた時には灰になっていた。

 

何がイヤかって、離陸の、目の裏から胸の奥のあたりがズレるような不快感。着陸なんかそれが10倍くらいになって、ガガーンなんて衝撃音と共に来るからズレるなんてもんじゃなく、前後上下左右がぶわっとぐちゃぐちゃになるような感じ……。

 

初フライト、それほど気分が悪くて何も考えられなかったのに、ものすごく印象に残っていることがある。

 

隣に座っていた外国人の40代くらいのおばさんである。


晩御飯の時、スチュワーデスさん(=CAさん 当時はそう呼ばれていた)に「fish or beef?」と聞かれ、そのおばさんは「fish」と答えた。が、ほとんど残した。ああ私より気分の悪い人がいる。やはり大量に残した私の罪悪感が少し薄まった。


のも束の間、そのおばさん、何やらスチュワーデスさんに英語でガチャガチャ絡み始めた。「beef」のみが聞き取れた私、まさかと思ったが、果たしてそのおばさんのところに「beef」が運ばれてきた。


えええ? 二度注文ありなのか? と思ったが、私にはそんな元気も図々しさも英語力もない。

 

でもそのおばさん、beefも結局ほぼ残した。かと思うと今度は揺れる飛行機に恐怖の悲鳴を上げ始めた。

 

勘弁してくれ。

 

こっちだって気分がすぐれず、食欲もないから眠りたいのに、その後も絶えずスッチーさんを呼び出してはガタガタまくし立てる。

 

そういうもんなのか? 飛行機というのは怖いし気分悪くなるしだから、スッチーさんに当たり散らす頼りまくるものなのか? 

 

と、無理やり目を閉じながら(眠れないけどそのおばさんの行動を見たくない故)グルグル回った思考は、忘れられない思い出となった……。

 

そんな悪印象のせいか、今でも飛行機はあまり得意じゃない。

 

まずあの閉塞感、拘束感にいやあな気分を覚える。座ったが最後、トイレすらなかなか立ちにくい状況。食事や飲み物の提供時間には通路を通れないし、窓は開けられない、絶えず轟音に包まれている。しかも大体長時間である。


降りる順番争いも疲れる。上の荷棚を開けながら通路を確保し後ろをけん制する輩。預けた荷物の受け取りも、1つ目はすぐにコンベアに出てきたと喜んでも、あと1つが延々出てこない、なんてことも多い。グループごとにまとめて出してくれないものかといつも思う。

 

そんなこんなで私には苦手意識の強い空の旅。少しでも快適に過ごせる小技などをお持ちの方、是非教えていただきたいです。


(了)

 

 

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インスタグラムというものを始めて、もうすぐ2年くらいになる。


ちょっと心踊った小物、美味しかったもの、安らいだ景色。そんな写真を撮って投稿するのが結構楽しい。そして、コメントや「いいね」をくださる方がいらっしゃるのがまた嬉しい。


私の方もたくさんの方のフォロワーになり、あちこちで「いいね」を押す。


景色。

~これは外国の方の写真に多いのだけど、あまりにも異文化だったり壮大さだったりに驚き、ワクワクするもの。


~カメラがご趣味で飛び歩いている方の、ご本人も興味津々なのが伝わってくる深みのある情景。


ぬい撮り。

~これはぬいぐるみか、または人形も含むと思うのだけど、あたかも彼らが何かをしているような写真。旅行だったり木登りだったり食べ歩きだったり。ツボな写真がやたらある。


キャラ弁。

~もう、どんだけお料理得意なんですか? 私にも作って欲しい! 毎日こんな凝ったの作れるなんて本当に尊敬します、といった子供のお弁当の写真。


~他にも、売り物にしてくれないかな、といったハイレベルな模様パンや、手作りおやつ。ネットショッピングしてください! の思いを込めて「いいね」する。


喫茶、飲み屋。

~美味しそうなコーヒー紅茶ケーキ、お酒につまみ、お料理。ヨダレが出そうになりながら「いいね」。


こうして書くと、やたらに「いいね」しているようだけど、その手が止まる自分基準がある。


たとえば、私はゆるキャラやサンリオ好きなのだが、ぬいぐるみを支える手が写っていたりすると、その世界に入れなくなって「いいね」できない。


いくら可愛くても頭にかぶる系のものが得意でない。で、この類いもやはり「いいね」しない。


それから、ご本人やお友達の顔出ししているもの。昨今いろいろある事件を考えると心配になり、「いいね」できない。


かといって、何とかアプリで目や輪郭を操作した人物などは、人形みたいに見えて、これまたいいとは思えない。


あとは、雑さが感じられるもの。とにかく撮った。記録した。ノリだけの、通りすがり的な感じがするもの。心が動かない。


写真というもの、以前は現実世界のただの切り取りだと思っていた。

でも、こうして日常的にいろいろな写真を見るようになって、ちょっと感じ方が変わった。


撮った人の感性がにじみ出るものなのだなあと。


丁寧な構図、柔らかな目線、被写体への愛着、優しさ。そんなものが伝わってくる写真がある。多分、写っていないけど感じられるそういう思いが「いいね」を押させる気がする。


自分がアップする写真も、そんな風に大事に何かを切り取りたい、と思うようになった今日この頃。


(了)

 

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