フレッシュな日常用から重厚な辛口、そして貴腐ワインやアイスワインなど高貴な甘口にまで至る多彩な味わい。
しかも驚くほど長い年月をかけて熟成という名の美しい変貌を遂げていく(そうじゃないのもあるけれど)。
だが何よりもその見事に研ぎ澄まされた酸と煌めくようなミネラル、そして葡萄本来の果実味との究極の調和。
加えて 生まれ育った地所のテロワールを克明に描出するという点に於いてもこの葡萄の右に出るモノはない。
飲めば飲むほどに リースリングこそ世界最高の葡萄である という思いは確信へと変わっていくのである。
この拙い記録をきっかけに、リースリングという類まれなる葡萄から造られるワインを少しでも知っていただければ幸いである。
2009年9月・醸造所訪問&旅行記
モーゼル : アンスガー・クリュッセラート 特級畑 トリッテンハイマー・アポテーケ
ザール : シュロス・ザールシュタイン
ルーヴァー : マキシミン・グリュンハウス(フォン・シューベルト)
ナーエ : エムリッヒ・シェーンレーバー
2007年5月・醸造所訪問記
プファルツ : ミュラー・カトワール 、A・クリストマン 、ゲオルグ・モスバッハ 、ビュルクリン・ヴォルフ
ルーヴァー : カールスミューレ 、マキシミン・グリュンハウス(フォン・シューベルト)
ザール : シュロス・ザールシュタイン
これまでの記録 → (旧)緑家のリースリング日記
ヘクサマーの2つの土壌
初めて飲む造り手、ナーエのヘクサマー醸造所。
畑違いの辛口リースリングが2本揃っているのをこれ幸いとばかりにブラインドで。
シュロスベッケルハイマー・イン・デン・フェルゼンとメッダースハイム・アイゼンデル・アォフ・デア・ズュートザイテ
ともに2021年産のリースリング・トロッケン。長い名前だなぁ...
因みに醸造所はメッダースハイム(Meddersheim)とシュロスベッケルハイム(Schlossboeckelheim)に
合わせて33haの葡萄畑を所有しており、その70%でリースリングを、次いで10%でヴァィスブルグンダーを栽培。
また他のブルグンダー系品種(フリュー、シュペート、グラウ)やゲヴュルツトラミナー、ショイレーベ、
ソーヴィニョン・ブランなどの品種も栽培している。すべてが全房圧搾、天然酵母による発酵であり
リースリングはほぼステンレスタンクのみで生産する一方、ブルグンダー系品種にはオーク樽を使用している。
まずは1本目のスクリューキャップを開ける。
外観は黄色がかった少し輝きのあるレモンイエロー。グラス壁に細かい気泡がパラパラ付着。
パイナップルや熟したアプリコットを思わせるトロピカルな果実の香り。
香りに違わず少し蜂蜜を感じさせるジューシーで肉厚な果実味。
程好く凝縮されているが、果実味に比べるとどうしても地味に感じられる酸。
これまた果実味に包まれて目立たないが、舌にピリッと来る苦汁系のミネラル味。
果実味主体のバランスだが悪くない。若干残糖は多めか?酸は若干周囲へと拡がる、発散する感覚。
2杯目に入ると俄然硬くなって来た。ナーエ産らしい豊かな果実味に隠されたゴツゴツしたミネラル感。
そして苦汁っぽいアフター。果実味に恵まれたところは粘土や溶岩系土壌を思わせるが
ゴツゴツしたミネラル感は火成岩の存在を思わせる。
シュロスベッケルハイムにあるイン・デン・フェルゼン(In den Felsen)という畑は
ナーエ川の上のゴツゴツした岩のある斜面の高台にあり、岩だらけの斑岩で構成された火山性の土壌。
総面積6.9haという小さな畑だが、うち6.3haをヘクサマーが所有しているという。
開栓2日目。もう一方のアイゼンデルの後に飲むと、柔らかくてミネラル感に乏しい。
ジューシーでふっくらとした果実味。昨日2杯目以降に感じたあのゴツゴツしたミネラル感は何だったんだろう。
86-/100
2021 Schlossboeckelheimer In den Felsen Riesling Qualitaetswein trocken
Weingut Hexamer (Meddersheim/Nahe)
A P Nr 7 745 028 014 22,Alc 12.5%vol
*
2本目もスクリューキャップ。
軽く黄色がかったレモンイエロー。グラス壁に細かい気泡がパラパラ付着。
これまた熟したリンゴ系のジューシーな果実香に、一瞬埃っぽい土のニュアンス。
口当たりは相対的に若干引き締まった印象で、実の詰まった果実味、程好い量感の酸、
サクッと噛み応えのあるミネラル感。標高の高い水捌けの良い畑を想像させる。時折燻製風味を感じる。
メッダースハイムにあるライングラ―フェンベルク(Rheingrafenberg)という畑の一区画である
アイゼンデル・アォフ・デア・ズュートザイテ(Eisendell auf der Suedseite)は
その名の通り南向きの斜面である。ライングラ―フェンベルクのテロワールは
粗い赤い砂岩であるオーバーロートリーゲンデンが特徴で、表面が風化して痩せているが骨格に富み
多くの石が点在し、主に珪岩の砂利と砂で構成されている土壌である。
開栓2日目。黄桃っぽい果実香。初日より濃厚に感じられ如何にもナーエ産らしい。
それでも比較的軽めの土壌のせいか、味わいはさほど重くなく、相変わらず噛み応えのあるミネラル感が明瞭。
個人的にはこっちの方が好みかな。86/100
2021 Meddersheim Eisendell auf der Suedseite Riesling Qualitaetswein trocken
Weingut Hexamer (Meddersheim/Nahe)
A P Nr 7 745 028 013 22,Alc 12%vol
見事に瓶熟17年余
さて、お盆休みも最終日になってようやくじっくりリースリングを愉しむことが出来るようになった。
先月末にも1本開けたが、17年前に醸造所で試飲して買って帰ったボトルを開けることにしよう。
マキシミン・グリュンハウスの2006年産リースリング・カビネット・トロッケン...敢えて畑名は確認せず。
少しオレンジ色がかった黄金色。蜂蜜の香りがメインで、次いでペトロールや干しあんず、完熟リンゴ、
湿った木などを感じさせる上質な熟成香だが、意外にさほど開いて来ない。まだちょっと早いってことか?
シャープな酸のアタックが印象的で、スーッと綺麗に伸びて上品な酸の後味へと持続する。
僅かに酸化したニュアンスとともに、程好くナッティーで土臭さのあるミネラル感。
果実味はスマートで、ビシッと綺麗な柑橘感のある酸が効いた実に優美な味わい。
しかもこの生産者やこの地域に有りがちな「辛口とは言え若干甘いなぁ」なんてことはまったくなく
残糖は気にならないレベルにある。それにしても2006ってこんなにエレガントだったっけ?
決して大きなワインではないが、瓶熟17年余...
「エレガントでしかも引き締まり、卓抜した繊細さを持つ辛口および甘口のワインは20余年をかけて熟成」
ヒュー・ジョンソンのポケットワインブックにこう記述されている文言は、正にこのワインを指すのではなかろうか。
飲んでいながら何の疑いも無く「アプツベルクだろうなぁ」と思ってエティケットを見ると、なんとヘレンベルク!
時間とともにどんどん土の風味が増して行き、酸もますます繊細さを増して行く。
抜栓4日目。どことなく「枯れゆく柑橘感」という雰囲気の綺麗な古酒の香味は健在。
それにしても見事な熟成である...調べてみると、4本買って、開けるのはこれが3本目になるようだが
当初から持続の長い酸は素晴らしかったようで、やはり「長熟の秘訣は秀酸にあり」ということなのだろう。
ここから更にもう10年保つかな?飲み手の身体の方が心許無いぐらいで、ヘレンベルク恐るべし。88/100
2006 Maximin Gruenhaeuser Herrenberg Riesling Kabinett trocken
Weingut Maximin Gruenhaus (Mertesdorf/Ruwer)
A P Nr 3 536 014-08-07,Alc 11%vol
ビオっぽくなくて好印象
最近なかなかリースリング修行が捗らないのがもどかしいが、牛肉系の惣菜だったので今夜も非リースリング。
ラインヘッセンのグッツラー醸造所、2020年産シュペートブルグンダー・トロッケン。
輸入元のヴァインベルクさんの解説によると
「ヴェストホーフェンのGGのワインにすることが出来る石灰岩土壌の畑の葡萄も含まれており
その他のエリアはレスロームの土壌。
半分がバリック(225リットル)、残り半分がトノー(500リットル)の古樽の木樽にて熟成されている」とのこと。
スクリューキャップ。紫色がかったやや暗い色調のルビー。
赤~紫色の花や香木、チェリー系の赤果実などの香り。
旨味に富んだジューシーな果実味と、不足は無いが比較的マイルドな酸、まだまだ若くて粗削りなタンニン。
ミネラル感は吟味し辛いかな。でも味わいに奥行きがあって、鉛筆の芯のニュアンスや茎っぽい青臭さ、
色の濃いサクランボなどを感じつつ、小さな幸せを感じられる1本。
ビオ生産者だけどビオビオしていないところも好印象。
開栓2日目。酸が伸びを増しているが、果実味は2日先に開けていたリューデスハイムのピノノワールより
スマートなのが意外。まぁこの日はちょっと平凡かな。85+/100
2020 Spaetburgunder Qualitaetswein trocken
Weingut Gutzler (Gundheim/Rheinhessen)
A P Nr 4 291 104 26 22,Alc 12.5%vol
ジルヴァーナーのゼクト2本
1週間遅れの次男の誕生日祝いってことで(単なる口実)、今夜はゼクトを。
ホルスト・ザウアー醸造所の2021年産ジルヴァーナー・ゼクト・ブリュット。
アテはマグロの中トロや太刀魚の刺身、そして太刀魚の塩焼きにカボスをギュッと絞って...
2021 Silvaner Sekt Brut
Weingut Horst Sauer (Escherndorf/Franken)
A P Nr 4397-034-23,Alc 12%vol
少し黄金色がかったレモンイエロー。ジルヴァーナーらしい熟したリンゴやバナナの香り。
しっかりしたボディ感のある果実味と、意外に穏やかな酸
そしてミネラル感なのか品種の特性なのか、お馴染みのホロ苦いアフター。
肉厚な果実味と、生系の魚料理にも万能のマリアージュでスイスイ杯が進んでたちまち空っぽに。86/100
(過去のヴィンテージ→2019年産、2018年産、2015年産、2014年産、2012年産、2011年産、2009年産)
全然足りないのでもう1本開けよう...
たまたまセラーにスタンバってた、同じジルヴァーナー・ブリュットの2019年産。
抜栓して驚いたことに、コルクが全然違う!
2019 Silvaner Sekt Brut
Weingut Horst Sauer (Escherndorf/Franken)
A P Nr 4397-066-21,Alc 13%vol
まとめて半ケース買って開けるのはこれが4~5本目になるが、2021年産に比べるとかなりスマート。
相対的にミネラリッシュで、酸もそこそこ刺激的で、若干ミルキー。
ちゃんと吟味せずに空けてしまったが、飲む度に印象が全然違う(→11ヶ月前、15ヶ月前)。85/100
さすがに飲む人が4人ともなると、2本あってもあっと言う間に空っぽだなぁ。
おまけ...今夜の太刀魚の刺身。
リューデスハイムのピノノワール
せっかくのお盆休みなのに、またもやギックリ腰になって気分は超ブルー。
あまり動けないので飲み食いしか楽しみが無く...そんな折、次男が帰って来るってことで今夜はステーキに。
ヴァインベルクさんで買ったラインガウのピノ・ノワールを開けてみることにしよう。
ビシェフリッヒェス・ヴァイングート・リューデスハイムの2020年産ピノ・ノワール・トロッケン。
外観は軽く赤紫色がかった綺麗なルビー。
香りは赤い花やチェリー系の赤果実、軽くスパイシーで少しツンと来るアルコールの揮発感。
程好い肉付きの果実味と凝縮感のある酸、苦み走ったミネラル感がやや目立つがタンニンは適量。
しっかりとした辛口。飲み易くて、それなりに飲み応えもあって、コスパも文句無し。
抜栓4日目。程好くシャープな酸が健在で、タンニンとのバランスも良し。
もちろん果実味も不足の無い肉付き。なかなか完成度高いなぁ。85/100
2020 Ruedesheim Pinot Noir Qualitaetswein trocken
Bischoefliches Weingut Ruedesheim (Ruedesheim/Rheingau)
A P Nr 24 068 19 22,Alc 13.5%vol
酸の映える雑色砂岩
端くれではあっても一応マニアなので、「土壌名」が付いているワインには滅法弱い。
たとえそれがジルヴァーナーであっても...である。
今夜はフランケンのビッケル・シュトゥンプ醸造所の村名ワイン
2022年産テュンガースハイム・ジルヴァーナー・トロッケン「雑色砂岩」。
スクリューキャップ。少し緑色がかったライムイエロー。
熟したリンゴが僅かに香るが、香りは閉じ気味で少し埃っぽさあり。
香りに反して口当たりの凝縮された果実味が印象的で
酸も果実味に見合う量感があって、舌にピリピリと刺激的。サクッと淡白なミネラル感。
舌の上に残る酸の余韻が長い。
そう言えば我が家にあるジルヴァーナーと言えば、フランケンの貝殻石灰土壌のモノばかり。
今回開けたジルヴァーナーが普段飲み慣れた貝殻石灰ジルヴァーナーとはちょっと毛色が異なり
酸が周囲へ発散してやけに存在感があるのはやはり雑色砂岩という土壌のせいだろう。とにかく酸が強い。
開栓3日目。ヴュルツブルガー・シュタインのリースリングの後に飲むと、初日の印象はどこへやらで
さすがに酸は見劣りする。味や香りってものはつくづく相対的なモノなんだなぁと痛感。
開栓6日目になると果実味がグッと前に出て酸は目立たなくなっている。
でもこうなるとこのジルヴァーナーの美点が判り辛くなってしまうのよね~。ワインって難しいな。85+/100
2022 Thuengersheim Silvaner Qualitaetswein trocken - Buntsandstein -
Weingut Bickel-Stumpf (Frickenhausen/Franken)
A P Nr 3055-011-23,Alc 12%vol
初日は判り辛い?テロワール
今夜はビュルガーシュピタール醸造所の2022年産ヴュルツブルガー・シュタイン・リースリング・トロッケン。
ヴュルツブルガー・シュタイン(Wuerzburger Stein)は言わずと知れた
かつての原始の海に由来する堆積岩が風化した貝殻石灰土壌の葡萄畑で
総面積85haのうち3分の1の区画がこのビュルガーシュピタールの所有となっている。
スクリューキャップ。軽く緑色がかった輝きのあるレモンイエロー。注いだグラス壁には細かい気泡がビッシリ。
香りはパイナップルや熟したリンゴを思わせるが
スワーリングすると黄桃やバナナ、花梨などの果実が溢れ出すかの如く。
口当たりは柔らかで、豊かな果実味に旨味がいっぱい。
凝縮された酸は口当たりこそ穏やかだが、終盤グッと伸びて心地良い後味。
マイルドな果実味に包まれてミネラル感は吟味し辛いが、やや金属的で噛み応えがあって
酸と共鳴して柑橘の薄皮系のミネラリッシュな余韻が舌の上に持続する。残糖3.5g/l、酸量7.5g/l。
開栓5日目。良く伸びるシャープな酸が更に伸びを増して酸の独壇場。そして濃い。
開栓当日は感じ取れなかったフローラルな風味と、口の中が若干乾くようなミネラル感は
やっぱりテロワールの故かな。1日だけでは知る事が出来なかった面を発見出来るのが1本飲みの醍醐味。
86/100 (過去のヴィンテージ→2021年産、2020年産、2019年産、2018年産、2017年産)
2022 Wuerzburger Stein Riesling Qualitaetswein trocken
Weingut Buergerspital zum Heiligen Geist (Wuerzburg/Franken)
A P Nr 3003-035-23,Alc 12%vol
花崗岩2018
日曜とは言え、朝から夕刻まで何かと慌ただしかったので
夕食はスーパーで買って来たローストビーフと握り寿司その他で...今夜は赤にしよう。
フランケンシュタイン男爵家の村名ワイン、2018年産シュペートブルグンダー「グラニート(花崗岩)」。
風化した花崗岩土壌の畑からの葡萄、2週間のマセラシオン、熟成は使用済バリック25%とステンレスタンク75%。
スクリューキャップ。少し赤みがかった暗い色調のルビー。
香りは上品な赤い花をメインに、ビターチョコ、アメリカンチェリー、なめし革など。
口当たりからなかなかタニックで、果実味は中肉、遅れて伸びる酸とその余韻。
ローストビーフを食べながらすいすいグラスが進む。
開栓3日目。キリッとした酸とそれに見合う果実味があって、程好くタンニン多め。
土壌感なんて小難しいこと考えないで、食事を愉しみながら気楽に飲むには最高だな。
(過去のヴィンテージ→2015年産)
2018 Zell-Weierbach Spaetburgunder Qualitaetswein trocken - Granit -
Weingut Freiherr von und zu Franckenstein (Offenburg/Baden)
A P Nr 506/13/21,Alc 13.5%vol
ヘレンかと思ったらブルーダー
リビングのセラーには、若いワインや近々開けるつもりの熟成リースリングなどが適当に詰め込んである。
もちろんグリュンハウスの若い2022年産GGも入っているが
こないだアプツベルクを1本開けたので、ヘレンベルクとブルーダーベルクがまだ残っているはず。
この状態で、どちらか判らないまま1本引っ張り出して開ける。何よりも日々の鍛錬が大切なのだ。
薄めのレモンイエロー。注いだグラス底には若干の細かい気泡。
トップは軽いSchieferwuerzeで、熟したリンゴやパイナップル系の果実香、少し柑橘、
スワーリングすると香りは少しミルキーに変化。
ジューシーで凝縮感のある果実味と、これまた存在感のあるミネラル感。
酸にはボリューム感があるが、果実味やミネラル味に比べるとやや存在感は地味。
それでも八朔や夏蜜柑を思わせる柑橘味で、舌の上に柑橘の薄皮系のミネラリッシュな余韻。
どちらかと言うと平板な味わいで、「あ~、こりゃヘレンベルクだろう」なんて
すっかりその気で飲んでて、ふとエティケットを確認してみると...
ゲッ!これブルーダーベルクなん?😓
時間とともに酸が前に出てミネラル味と共鳴してますます柑橘感が増す。
2杯目に入ると凝縮感も増して来て、柑橘感たっぷり。ふ~む、だんだんブルーダーベルクな気がして来た。
エエ加減と言うか何と言うか、何年飲んでもちっとも上達しないなぁ...我ながら情けない体たらくである。
抜栓3日目も軽いSchieferwuerze。
果実味がスマートになって、若干シャープさを増した酸が前に出た細身の味わい。
昨年末に開けた時よりは若干良いかな。88/100
2022 Maximin Gruenhaus Bruderberg Riesling trocken Grosses Gewaechs
Weingut Maximin Gruenhaus (Mertesdorf/Ruwer)
A P Nr 3 536 014 12 23,Alc 12%vol
熟成もしなけりゃ枯れもせず
今月は外で日本酒を飲む機会が多く、なかなかリースリング修行が進まなかったが
ちょっとは在庫も消費しておかないと、保管場所の都合で新しいワインを買えないのよね。
今夜は17年前に醸造所を訪問した際に買って来たボトルを...もうそんなに経つのかぁ。😮
クリストマン醸造所の2006年産ケーニヒスバッハー・エルベルク・リースリング・シュペートレーゼ・トロッケン。
黄金色がかったイエロー。湿った木やローストナッツ、マンゴーなどの香りに仄かな土のニュアンス。
スワーリングするとペトロール香が拡がる。
もう少し甘いかと思ったが予想外に残糖は絞られており、ややポッチャリめの小ぶりな果実味、
意外に凛とした酸、そして舌にベタッと貼り付くような苦汁系のミネラル味。
粘土系と言うほどワインの味わいは重くないが、さりとて抜けが良いとも思えず
ミネラル感の輪郭が丸みを帯びているのは経年のせいか、或いは粘土系土壌のせいか。石灰感は無いなぁ。
16年前に開けた時とはもちろん、いろんな部分でそれぞれかなり印象は変わっているのだが
総合的にワインが良くなっているのかと言えば、それほど変わっていないかなと。
粘土系土壌のリースリングってそんなものなのだろうか?
抜栓2日目。初日より果実味が膨らんで、抜栓前に予想していたレベルの甘さ。
辛口と半辛口の中間ぐらいかな、酸が引っ込んだせいかも。こうなると土壌感は重めの粘土系。
抜栓3日目。程好い熟成感に程好い果実味、程好いミネラル感。逆に没個性的とも言える。
抜栓6日目は意外と辛口に感じる。味覚っていい加減なものだなぁ。86/100
2006 Koenigsbacher Oelberg Riesling Spaetlese trocken
Weingut A. Christmann (Gimmeldingen/Pfalz)
A P Nr 5 173 021 024 07,Alc 13%vol