見事に瓶熟17年余
さて、お盆休みも最終日になってようやくじっくりリースリングを愉しむことが出来るようになった。
先月末にも1本開けたが、17年前に醸造所で試飲して買って帰ったボトルを開けることにしよう。
マキシミン・グリュンハウスの2006年産リースリング・カビネット・トロッケン...敢えて畑名は確認せず。
少しオレンジ色がかった黄金色。蜂蜜の香りがメインで、次いでペトロールや干しあんず、完熟リンゴ、
湿った木などを感じさせる上質な熟成香だが、意外にさほど開いて来ない。まだちょっと早いってことか?
シャープな酸のアタックが印象的で、スーッと綺麗に伸びて上品な酸の後味へと持続する。
僅かに酸化したニュアンスとともに、程好くナッティーで土臭さのあるミネラル感。
果実味はスマートで、ビシッと綺麗な柑橘感のある酸が効いた実に優美な味わい。
しかもこの生産者やこの地域に有りがちな「辛口とは言え若干甘いなぁ」なんてことはまったくなく
残糖は気にならないレベルにある。それにしても2006ってこんなにエレガントだったっけ?
決して大きなワインではないが、瓶熟17年余...
「エレガントでしかも引き締まり、卓抜した繊細さを持つ辛口および甘口のワインは20余年をかけて熟成」
ヒュー・ジョンソンのポケットワインブックにこう記述されている文言は、正にこのワインを指すのではなかろうか。
飲んでいながら何の疑いも無く「アプツベルクだろうなぁ」と思ってエティケットを見ると、なんとヘレンベルク!
時間とともにどんどん土の風味が増して行き、酸もますます繊細さを増して行く。
抜栓4日目。どことなく「枯れゆく柑橘感」という雰囲気の綺麗な古酒の香味は健在。
それにしても見事な熟成である...調べてみると、4本買って、開けるのはこれが3本目になるようだが
当初から持続の長い酸は素晴らしかったようで、やはり「長熟の秘訣は秀酸にあり」ということなのだろう。
ここから更にもう10年保つかな?飲み手の身体の方が心許無いぐらいで、ヘレンベルク恐るべし。88/100
2006 Maximin Gruenhaeuser Herrenberg Riesling Kabinett trocken
Weingut Maximin Gruenhaus (Mertesdorf/Ruwer)
A P Nr 3 536 014-08-07,Alc 11%vol