今日のこの1枚 ブラッド・スウェット・アンド・ティアーズ/子供は人類の父である
うだる暑さの夏がようやく終わった感があり、なんとなく秋らしくなってきた昨今ですが!先日、仕事前にボーッとスマホでニュースを見ていたら、こんな記事が表示されて、思わず反応してしまいました↓映画『ブラッド・スウェット&ティアーズに何が起こったのか?』ブラッド・スウェット&ティアーズ(Blood, Sweat & Tears、BS&T)の映画。全米No.1バンドはなぜ失墜したのか? 決行された“鉄のカーテン”ツアー、分断のアメリカにおけるキャンセル・カルチャー、国務省の陰謀 冷戦から半世紀以上の時を経て発見されたツアー映像で紐解く、ロック史を超えた歴史的音楽ミステリー・ドキュメンタリー 2024年9月…www.bloodsweatandtearsmovie.com 1960年代後半から1970年代。シカゴ、チェイスなど、ホーンセクションを従えるバンドが一世を風靡することになるその時代、ブラスロックというジャンルを打ち立てたブラッド・スウェット&ティアーズは、ホーン入りバンドブームの先駆者となった。運命の1970年春も、彼らはグラミー賞を受賞したセカンドアルバム『Blood, Sweat & Tears(邦題:血と汗と涙)』と、〈You've Made Me So Very Happy〉〈And When I Die〉〈Spinning Wheel〉 といったヒットでチャートを席巻し、絶好調だった。 しかし彼らはこの年、アメリカ国務省が主催した、東欧諸国を回る“鉄のカーテンツアー”の直後、二分化した大衆の社会騒乱に巻き込まれ、人気絶頂から転落していく――。 国務省側が手配した撮影スタッフもバンドに同行したが、このドキュメンタリーは未完のまま隠され、陽の目を見ることはなかった。しかしそれらが奇跡的に発掘され、半世紀以上の時を経て初公開となった。鉄のカーテンの向こう側で撮影された門外不出のフィルム、当時の関係者から提供された数多くの写真、ニクソンとヘンリー・キッシンジャー国務長官との間のホワイトハウスでのやり取りを含むアメリカ政府文書、ユーゴスラビアとドイツのテレビ局向けのパフォーマンス映像、ルーマニアの秘密警察からのファイル――これまで明らかになっていなかった数多の機密データが、不都合な歴史の真実をあぶり出す。 全米No.1まで昇りつめながら突如として陥落した人気バンドに一体何が起こったのか? 彼らが鉄のカーテンで目撃してしまったもの、そして、それ故に帰国した彼らを待ち受けていた事は――? 当事者であるBS&Tメンバーの全面協力のもと、ロック史のみならず現代の世界史にも繋がっている大国アメリカの闇と分断を垣間見る、壮大な音楽サスペンス・ドキュメンタリーが日本に上陸。東欧を回って、より酷い独裁共産圏を見たがために・・・みたいなこともニュースには書いてありましたが、そういえば彼らが活躍した時代に出た、ジョン・レノンの有名な独白インタビューがあり、このバンドを「くだらない、嫌い」と酷くけなしていました。別にジョン・レノンが嫌悪感を示すのもわかる・・・・というような音楽性でもないと思うのに、なんでそんなに彼らを貶すのだろう?と長年疑問でしたが、なるほど、反体制、反骨気味の活動をしていた当時のジョンから見たら、「体制に寝返った犬ども」だったわけか・・・。なんか音楽全然関係ないじゃん・・・と思わないでもないですが。映画、見てみたいなぁ~うちの近くでやってないな・・・かと言って今レンタル店はジャンジャン潰れているので、将来レンタルで借りるという「平成カルチャー」は過去の遺物化しているし、私もいい加減、時代に乗って配信先と契約するかな。。。ということで、前置きが長くなりましたが、このニュースを聞いて、久々にブラッド・スウェット&ティアーズが聴きたくなり、彼らの名盤とよく言われるのはセカンドアルバムで、本当はそこからまずは紹介するべきなんですが、わたしはアル・クーパーが参加しているファーストが結構好きで、そんなファーストアルバム、Child Is Father to the Man、邦題「 子供は人類の父である」を本日はチョイスしてみました。なんか昭和のムード歌謡みたいな、ブラスのイントロで始まる、My Days Are Numberedムーディーな酒場の雰囲気から、途中ドラマチックに変化するところがいいんですよね。全体的に穏やかな、Just One Smileブラスロックで想像するアクロバティックで疾走感のある雰囲気の曲は、そういえば彼らにはあんまりイメージがない気がします。ボーカルがワイルドで聴き入ってしまうI Can't Quit Herでも曲はやはり、攻撃的でないというか、このアルバム全体的に言えることですが、POPでどこか宗教的というのか、穏やかな良い雰囲気だ。若造の頃はこのしっとりした良さがわからなかったなぁ。一転、60年代のチープなPOPと言った感じのHouse in the Countryとまあ元々は、ボブ・ディラン一派から出て、ブルースに傾倒していたアル・クーパーがスタートアップで組んだバンドということで、ブルースやディラン風があるかと言えば、意外にもそういう雰囲気はほとんどないです。長い曲は無いですが、でも雰囲気的には後のプログレにもつながりそうなサウンドで、この後アル・クーパーが抜けた(排除された?)のも、その後のアル・クーパーのソロを聴けば、なんとなくわかるかなという感じです。ということで、ジョン・レノンがくだらないと言おうが、好きなものは好き!ブラッド・スウェット・アンド・ティアーズ 、60年代から70年代になるあたりの、いいバンドですので、古いロック好きな方は聴かれてみたらいかがでしょうか。