今日は休みで天気も冷たい雨なので、家で音楽鑑賞三昧です。

こうして音楽と好きなものに埋もれて、人知れず死んでゆくのさオレは・・・

 

なんて、そんなことはまあどうでもいいとして、今日チョイスしたこの1枚ですが、60年代中期から1970年年くらいまで活躍した、わたしの好きなイギリスのビートバンド、ザ・ムーブのシングルベスト盤、The Collection

 

ザ・ムーブはオリジナル・アルバムは3枚ほど出ていますが、このベスト盤はいい曲(まあ、全部いいのですが・・・)、聴くべき曲をほぼ網羅しているので、このアルバムを聴けばおおよそは把握できると思います。

 

 

とまあザ・ムーブと言うバンド、一般にはあまり馴染みが無いかもしれませんが、古いロックファンには、あのELOの母体になったグループとして有名ではないでしょうか。

と言っても、ELOのビートルズ関連やディランなんかとつるんでいて有名なリーダー?ジェフ・リンは、このバンドの最後の最後のあたりで加わった感じで、さほど存在感は大きくありません。

ザ・ムーブの主役はボーカル&ギター他マルチで、ほぼすべての曲を手掛けるロイ・ウッドです。

 

 

 

こんな感じで初期ムーブは、サイケ初期に出てきた典型的なイギリスのビートPOPバンドと言う感じです。

ロイ・ウッドの極めて覚えやすくpopなのに、マンネリ感を感じない、変調なども多用したちょい面白い楽曲構成や、長くダラダラしない、自然と体が動き口ずさんでしまうような受け入れやすい曲調で、ビートルズやキンクスが好きみたいな、コアなロックマニアでない人でも楽しめると思います。

 

本当に、ロイ・ウッドはPOPの奇才というイメージがピッタリで、覚えやすく歌いやすい、誰でも聴ける、かといって優等生的では無いちょっと絶妙にひねった曲作りをする、まさに天才だと感じます。

このバンド、さほど有名でないのがもったいないくらい、60年代ビート1級バンドに勝るとも劣らない、とても聴きごたえがあるいい曲が多い。

 

しかし典型的な60年代後期イギリスのバンドでありながら、なんとなくサージェントペッパー的な、他のサイケ期イギリス・ビートバンドとどこか違う感じがするのは、彼らが初期に主にアメリカの、バーズなんかのビートバンドをコピーしていたらしいところなのかなと思う。

確かに、実験的で少し風変りなサイケビート、でも歌えるpopsと言う点で、「霧の5次元」あたりのザ・バーズを彷彿とさせるものがあり、実際このアルバムにもバーズ中期の名曲カヴァー、「ロックンロールスター」のライブバージョンが収録されています。

 

その点、同じイギリスのグループで、アメリカのバンド、バッファロー・スプリングフィールドのコピーから入ったという、初期YESとも共通するものがあるのかなと思う。

 

YESはもう少し難解気味な感じに進みますが、後半になんとなくハードロック的なプログレ方向の曲が出たりなど、なんとなくの共通点を感じなくもないですが、やはりムーブは終始とっつきやすいPOPで、ELOへと進化します。

 

 

1969年のヒット曲、Blackberry Way

こちらはいかにもイギリスっぽい、サイケ的なサウンド、メロディー、アレンジですが、彼らの特徴ともいえる、サビが非常に覚えやすいキャッチーさで、POPな歌モノが大好きだけれど、どこかワイルドでひねくれてないと・・・みたいなわたしみたいな趣向人にはまさにズバリ直撃な曲です。

 

 

1970年の7分にも及ぶ大作、Cherry Blossom Clinic Revisited

サイケの香りを残しつつ、ジミヘンあたりにも影響されたようなハードなサウンドがカッコイイ。

コロコロ変化する展開はややプログレみたいな感じも。

でもやはりサビは思わず口ずさんでしまうキャッチーさと言う・・・

途中からの、イギリス民謡風になるアコースティックギターのフレーズも素晴らしい。

 

とまあ、この作品は全曲が素晴らしいので、全てを紹介したいくらいですが、これくらいにしておきます。

そんなわけで、やっぱり60,70年代ロックは素晴らしい!