※登場人物

・井口達也(バカ・北海道へ向けて配達中)

・大関(友人・トラック運ちゃん)

・咲(サービスエリアで出会った徘徊女)

・信永(友人・何でも屋)

・黒田(依頼物の受取人at北海道)

・依頼主(信永にブツの運びを依頼)


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北海道はでっかいどう①

北海道はでっかいどう②

北海道はでっかいどう③

北海道はでっかいどう④

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北海道はでっかいどう⑦

北海道はでっかいどう⑧
北海道はでっかいどう⑨

北海道はでっかいどう10

北海道はでっかいどう11
北海道はでっかいどう12

北海道はでっかいどう13

北海道はでっかいどう14

北海道はでっかいどう15

北海道はでっかいどう16

※北海道はでっかいどう17

※北海道はでっかいどう18

ーーー19話ここからーーー

「黒田」という名前が出た俺は隣の席に聞き耳を立てたが、店内ではカラオケが始まり、その後の会話が聞こえない。


見るからにヤーさん風のグループにむやみに接近するわけにもいかず、気のせいかと思い飲み続けた。


カラオケが終わり、また隣の会話が聞こえてくると、やはり黒田がどうのこうのと会話をしている。


俺の荷物を受け取る黒田は札幌の人間。


ここ函館のスナックで出る名前だとは思えなかったが、裏の世界は、広いようで狭い。


案の定、「札幌」というキーワードが会話の中に聞こえてきたのだった。



会話から察するに、どうやら俺が荷物を届ける男、黒田という人物は、表の世界の人間ではなさそうだ。


隣の席で語られている黒田という人間が本当に荷物の受取人であるならば、だが。


驚きはしなかった。


こういう仕事を受けた場合、大抵の場合は表の人間だった試しがない。


大関も隣の会話に気がついたようで、素っ気なくしながらも聞き耳を立てているようだった。



しかし俺は酔っている。



チラチラと見てしまっていた。


すると隣の席の男が、「あんちゃん、何か用か」と声をかけてきたのだった。



~つづく~


井口達也

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