北海道はでっかいどう①

北海道はでっかいどう②

北海道はでっかいどう③

北海道はでっかいどう④

北海道はでっかいどう⑤

北海道はでっかいどう⑥

北海道はでっかいどう⑦

北海道はでっかいどう⑧
北海道はでっかいどう⑨


※登場人物

・井口達也(バカ・北海道へ向けて配達中)

・大関(友人・トラック運ちゃん)

・咲(サービスエリアで出会った徘徊女)

・信永(友人・何でも屋)

・黒田(依頼物の受取人at北海道)

・依頼主(信永にブツの運びを依頼)


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---本編ここから---


「えー、なんでだろぉ」



咲はあっけらかんとした顔で答えた。



理由もなく、ただの思いつきで北を目指す理由は何なのか。



気にせず同乗させたが、ためらいもなく大金を大関に差し出した様子を見てどうしても気になってしまった。



「んー、なんとなくー」



ダメだこりゃ。



聞くだけ無駄だと思ったのでこれ以上の追求をやめた。



俺の仕事に害がなく、それでいてたまーにウハウハ出来るチャンスがあるならそれでいい。



今はまだ早朝といっていい時間帯。



今日中に北海道に入ってしまって、現地を満喫したい。



大関の仕事も片付き、俺たち三人は一路青森を目指した。



「なぁ大関、トラック運転手御用達のうめー定食屋とかねーの?朝飯食って一気に青森まで行こうぜ」



「ねーよ」



即答だった。



地方の隠れ家的な飲食店で現地のものを味わうのは旅の醍醐味。



嫌いじゃない。



しかし大関は俺の提案を瞬殺したのだった。



車内の空気が悪くなりかけていたら、咲が口をひらいた。



「あのねー、おごるから何かたべよーよ」



「ごちそーさん」俺が言葉をかぶせると、大関はコンビニにハンドルを切った。



どうやらこの男、どこまでも俺たちをさっさと送り届けて帰りたいようだ。



俺たちはコンビニで弁当を買い込んでトラックに戻った。



とほほな朝食を胃に流し込んでいると、咲が「北海道でジンギスカンを食べたいな」と言った。



「お前さ、ただの家出なのにマジで北海道まで行く気なんだな」大関が言った。



家出?初耳だ。



おそらく俺が寝ている間に二人で何かと話していたのだろう。



サービスエリアで彼氏と喧嘩をして置き去りにされ、俺たちをヒッチハイクし、北海道まで本当に行こうとしている。



やはりどこかネジが飛んでいる女だ。



「親は心配しねーのかよ」俺が言った。



「しないよー。親いないしー」



なんだか悪い事を聞いた気がした。



「いるけどね」



「どっちだよ!」



つかみどころがない女だ。



絡むと疲れる事はわかった。



「なぁ、青森から北海道って、ほら、なんだっけ。なんとかトンネルっつーので行くんだろ?」俺は話題を変えた。



「青函トンネルな」大関が答える。



「じゃあ、大関、北海道まで頼むな」



「ばぁか。電車が通るトンネルだっつーの」



フェリーか電車の二択に絞られた。



焦る必要はないが、間もなく青森に入る。



そろそろ観念してどちらかを決めなければいけない。



大関に聞くと、青森市から電車かフェリーを選ぶらしい。



下心もあって咲をここまで連れてきたが、咲とこの先二人で旅をする自信がない。



「大関、お前も北海道行かない?」



「ばぁか」



「そうだ!それいいねー」咲が話に入ってきた。



「俺はよぉ、お前らと違って仕事があるんだよ」



「えー!さっき週明けまで休みって言ってたじゃーん」咲が言った。



「バカ!おま…言うなって言っただろ!」取り乱す大関。



俺が寝ている間にこいつらは結構深い話をしていたのかもしれない。



俺が知らない話がポンポンと出てくる。



この二人に何があったのだろう。



クールを気取っている大関だったが、咲にはペラペラと口を滑らせているのは確かだ。



まさか、好みなのか。



まぁ、いい。



俺は咲の援護射撃にまわった。



「ほほう・・・大関くん、休みなんだねぇ」



「うんっ!さっきそう言ってたー」咲も追撃する。



すると大関は車内のBGMのボリュームを上げた。



すかさずボリュームを下げる咲。



「わかったー。大関くんのこれからの予定、咲が買ったー」



咲はそう言ってまた大金を出した。



今度は10枚はある。



大関からしたら普段の仕事より完全に割りのいい仕事だ。



俺と咲の面倒を見るという大仕事ではあるが。



「ばか…トラックはどうするんだよ」大関がつぶやいた。



きた。



大関は揺れている。



すると咲がそっと大関のふとももに手を乗せた。



「いこっ」



咲が言った。



出会って初めてキュンとする、男心を鷲掴みにする言い方だった。




井口達也



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北海道はでっかいどう①

北海道はでっかいどう②

北海道はでっかいどう③

北海道はでっかいどう④


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