※登場人物
・井口達也(バカ・北海道へ向けて配達中)
・大関(友人・トラック運ちゃん)
・信永(友人・何でも屋)
・黒田(依頼物の受取人ａｔ北海道)
・依頼主(信永にブツの運びを依頼)
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---本編ここから---
「こんばんわぁ」
近付いてきたミニスカ女はいきなり声をかけてきた。
スカートから視線を上げ、顔を確認した。
辺りは夜だが、サービスエリアの明かりに照らされてはっきりと顔を見る事ができた。
ストレートのロングヘアーで、茶髪。
ダウンジャケットを羽織っている。
ダウンを着る位寒いならミニスカなんて穿かなければいいのに…
とは思わなかった。
よくぞ穿いてくれた。
おかげで長旅の眼の保養になる。
女は俺が顔をあげると人懐っこい表情で微笑んだ。
鼻筋が立って美形。
頑張れば鈴木保奈美に見えなくもない。
一体こんな時間に何だと思っていたが、女は俺の頭の中など気にもしないように隣に座った。
そして「おにいさんのトラックはどれ？」と言った。
「へ？」
何この、なれなれしさというか、壁の無さというか…。
「あれだけど」
俺は乗ってきたトラックを指差した。
あたかも自分のトラックのように。
「カッコいいね。どこまで行くの？」
「んー、秋田、だったかな」
俺がそう言うと女はくすりと笑った。
「行き先分からないのぉ？」
「俺としては北海道に行きたいんだけどさ」
「そっかぁ。咲も北海道に行きたいな」
自分の事を名前で言う女は嫌いじゃない。
少し心惹かれた。
しかし咲が何故俺に話しかけてきたのか分からない。
そこに、トイレを済ました大関が帰ってきた。
井口達也
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