笑顔のたつ子さんに会えました
前回のお話
エピソード⑬（感情伝染）
エピソード⑭（共にいる事がケアの原点）
エピソード⑮（たつ子さんの生き様）
先週末
たつ子さんの
通夜・葬儀が
無事に執り行われました
せめてお悔みだけでも・・・
と思っていましたが
私のシフトが
ちょうど夜勤と重なり
行けませんでした
お悔みに伺った
他のスタッフから
様子を聞くと
ご家族様も
落ち着いておられる様子で
少し安心しました
たつ子さんの
お看取り介護に
悔いはなかったけれど
私の心は
ずっと晴れず
ここ数日間
モヤモヤが
続いていました
人の死に立ち会うと
後からじわじわと
悲しみが
襲ってきます
父の看取り介護をした際
感じました
お部屋の表札には
まだたつ子さんの
写真が飾ったままです
いるはずもないのに
ノック
お部屋の前を
通るたび
ついつい
ノックしていました
今年のお正月
たつ子さんが書いた絵馬も
残っています
脳梗塞で入院し
変わり果てた姿で
施設に戻られたたつ子さん
もう二度と
「おい、あんた」って
呼んでくれることはない
あるはずがありません
そんな気持ちで
ここ数日
過ごしていました
明け方
夢を見ました
車椅子介助で
たつ子さんを
トイレ誘導する
自身の姿でした
トイレの前で
たつ子さんが
後ろを振り返り
ほんの一瞬の夢
「おい、あんた」
って微笑まれました
夢の中の
たつ子さんは
とても優しい眼差しで
絵馬にお願いした
「体の痛みがなくなりますように」
願いが叶った
お元気そうなたつ子さんでした
いつまでも
くよくよしていては
たつ子さんに
怒られちゃうな
最期の最後まで
たつ子さんに
助けられた私です
まだまだ未熟な
介護士
これから先も
様々な苦労や困難が
あると思いますが
これからも
施設の皆様と一緒に
心穏やかに
過ごせたらいいなと
願っています
「たつ子さん
行ってきます
いつもありがとうね」
たつ子さんのお看取りを通し感じたこと
最期までコミュニケーションを
意識を失っても
耳は聞こえていたと思います
家族や親しい人が
枕元で話しかけることで
お別れ前の
有意義な時間を過ごせたと
思っています
最期のときまで諦めることなく
感謝の言葉や
力づけるような言葉を
ご家族様や職員も
伝えることができたと思っています
亡くなってから
「ちゃんと気持ちを伝えれば良かった」と
後悔をするのは、とても悲しいこと・・・
想いをすべて口にできるよう意識すれば
きっと大切な人へ届き
最期の瞬間も安らかな気持ちで
いられると思います
たつ子さん
(享年92才)
たつ子さんのエピソードは今回で終わりになります
お読みくださった方々
本当にありがとうございました
コメント・いいね！をたくさんいただき
大変励みになりました
これからもお付き合いのほど
よろしくお願いいたします
ひーちん@介護士
たつ子さんエピソード
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