まん丸おにぎり
父は
私がまだ幼い頃
くれた
子煩悩で優しい父が
私は大好きでした
私が高3の春
父は職場の事故で
左手の指4本を
失いましたが
幸いにも
親指1本だけは
無事でした
当時は
切断された指を
縫い合わせる
手術は出来ず
腰骨の一部を切り取り
太ももの皮を剥ぎ
切り取った骨に
はぎ取った皮を巻き付け
その出来上がった
肉の棒を
無くなった指の代わりに
左手に移植したのです
この時父は
父:「ひーちんは
こんな俺とでも
一緒に歩いてくれるか?」
私:「当たり前だよ
お父さん
心配しないで」
6ヵ月かかり
やっと退院
しばらくの自宅療養中
父はよくおにぎりを
作ってくれました
部活でお腹が空く
私のために
三角から、まん丸へ
7本の指では
三角は作れません
不自由な手で
たくさんの愛情を
注いでくれました
思い出のつまった
夜勤の日は
必ず
丸いおにぎりを
持参します
職場の仲間から
「丸いおにぎりって
珍しいね」
と聞かれても
父の愛情と犠牲が
込められた
特別なおにぎりの意味を
説明することは難しいです
だから
「三角が苦手なんだ」
と答えます
父の手によって
形作られた丸いおにぎりは
私にとって
ただの食べ物ではなく
愛情と思い出の象徴
今日
ゆっくりと
写真の整理をしたら
懐かしい写真を
見つけました
この写真は、私が幼稚園の頃
父とアサリを取りに行った時のもの
父の背中にくっついて
バイクでよく出かけていました🏍
父が亡くなって2年・・・
亡くなった当初は
泣いてばかり
今はやっと
父の死を受け入れ
泣くことも
少なくなり
お陰様で
元気に暮らせています
けれども
父の動画は
未だに観れない
通話記録に残る
父の声も
まだ聴けていません
亡くなった後の方が
今まで以上に
強く、深く
愛情を感じます
もっといっぱい
親孝行しとけば良かった!
もっといっぱい
話をしたかったな
お父さん
メソメソしていた母も
ずいぶんと強くなりました
母は家族の歴史を刻む
アルバムを
今までに2冊作っています
母は現在83才
第3冊目は
今年いっぱいで
完成させるようです
父との思い出の詰まった
この家で
母との時間🍀
大切にしたいと
改めた感じた
アルバム整理でした
つけたら違いがわかります
乾燥機をかけてもOKなタイプ