『さりと12のひみつ』第4話「まさつのひみつ」の裏話2 | ひろじの物理ブログ ミオくんとなんでも科学探究隊

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さり「またまた、遊びに来ました〜」

ひろじ「ああ、こんにちは」

さり「わたし、ちょっと、気がついたことがあります〜」

ひろじ「何?」

さり「裏話シリーズって、ほかのはひろじさんが1人でつぶやいてる構成になっているのに、この回は、わたしや科探隊のみんなで話してますよね〜」

ひろじ「いやあ、それはあまり考えなかったんだけど・・・前の構成を忘れていたっていうか・・・」

さり「あー、それ、いっちゃいけないやつですます〜」

ミオ「やほやほ〜」

さり「ミオくん、約束守ってくれたんですね!」

とっぴ「ぼくらも来たよ」

さり「【まさつはいたるところにある】ってセリフがかっこいい、とっぴさん」

とっぴ「えへへ、やっぱ、かっこよかった?」

さり「本でぶらさがっているの、どうやったんですか?」

ろだん「あれは、読み終わったマンガの週刊誌2冊を、1ページずつ重ね合わせたんだ」

さり「すっごく根気がいりますね」

ろだん「まあ、とっぴにはできないな」

とっぴ「ぼくがやったのは、こうなっちゃった・・・」

 

 

あかね「とっぴがよく考えないでやったからでしょ」

ろだん「ふちのページから重ねる方がかんたんに見えるけど、だんだん上の方がふくらんできちゃうからな。まんなかのページから重ねはじめないとダメなんだ。ほら、こんなふうに」

 

 

さり「へえ! ろだんさんって、実験の匠(たくみ)って感じですね」

ろだん「それほどでもないけどな」

さり「ひもはどうやって通すんですか」

ろだん「電動ドリルで穴を開ける。これは、ドリル使いなれてないとむつかしいかもな。さりちゃんがやるときは、穴を開けるのだけ、大人にやってもらうといい。もし作ってみたいなら、うちの部室に遊びに来たときに、おれがやってやるよ」

さり「うわあ! 行く行く行きます! ほかの子もいっしょに!」

 

 

ろだん「こんな感じな。ロープは人間がぶら下がれるくらいじょうぶなのがいい。ホームセンターに行けば手に入る」

さり「これ、どのくらいぶら下がれるんですか?」

ろだん「前にやったときは、子どもが何人かぶら下がれたな。まあ、作って、じっさいに試した方が早い。ただし、落ちたらあぶないから、あまり高い鉄棒は使うなよ」

 

 

とっぴ「こんな感じに、ひざ曲げてぶら下がるくらいが安全だよ」

さり「うわあ、おもしろそう! ぜったいに作りますです! まさつの実験って、ほかにもありますか?」

ひろじ「磁石で冷蔵庫なんかにくっつけて使うフック、知ってる?」

さり「あ、うちでも使ってますです」

ひろじ「あれ、磁力でくっついてると思う?」

とっぴ「そりゃ、そうだよ!」

ひろじ「磁石のところに、サラダ油をたらして・・・冷蔵庫につけてみると・・・」

さり「あーっ、するする下がってきます!」

ろだん「じゃあ、磁石がくっついていたの、磁力というより、まさつだったんだな」

ミオ「磁力で、磁石と冷蔵庫が押しあう垂直抗力Nを作っているんだけど、まさつ力の最大値FはF=μNで、Nだけじゃなく、まさつ係数μでも決まるからね。油をぬってμを減らしたから、まさつ力が弱くなって、支えられなくなったのさ」

 

 

 

ファインマン「それと同じことが、油をわざわざぬらなくても、ふつうに起きているのが、まさつだよ」

あかね「え? どういうことですか」

ファインマン「まあ、ふつうのまさつ実験をしてみようか。この木のブロックを、木の板の上に置いて、バネで引っぱってみよう。バネをのばしていくと・・・」

さり「あっ、うごいた!」

ファインマン「このバネのノビが引っぱった力をあらわしている。じゃあ、今度は、板の別の場所に置いて、同じ実験をしてみよう・・・」

さり「あーっ! 今度は、バネのノビがさっきより小さいです!」

ファインマン「板の状態が、場所によってちがうからね。木と木ならまさつ係数μの値はこれこれなんていう数値が、いかに当てにならないかわかるだろ?」

ろだん「うん、そうなんだ。おれは、まさつ係数を測定するときは、板のどこに置くか決めて、やるようにしてる。そうしないと、毎回、測定値が変わるからな」

 

むんく「あの〜・・・質問が・・・」

ファインマン「なんだね」

むんく「【まさつのひみつ】では、まさつマシンでレベルを上げていくと、道路にザバッと入っちゃうけど・・・あれは道路が液体化したということで・・・」

ミオ「そうだよ。まさつマシンで、道路の分子間力を弱めたんだ。だから、原子のつながりが弱くなって、固体が液体になった」

むんく「そうすると、バイクも液体化したのかな・・・」

ミオ「そうなるけど、ダークミオが途中で気づいて、マシンのレベルをもどしたんだよ。だから、ダークミオもバイクも液体化せずにすんだ」

 

 

ファインマン「あれは、危険なカケだったね。もし、あのまさつマシンでもっとレベルを上げていたら、分子間力がもっと弱くなったんだろ?」

ミオ「うん。原子のつながりが無くなってしまうから、気体みたいになってしまうし、さらにレベルを上げると、分子間力の原因である電気力が弱くなってしまうので、その場合は、原子核と電子の結びつきがなくなって、原子のままでいられなくなる」

とっぴ「ひえ〜〜!」

さり「ええと、どうなるんですか?」

あかね「・・・こんな感じかしら。チリになって消えちゃうって・・・」

 

 

 

とっぴ「ちょ、ちょっと! ぼくを例にしないでよ!」

さり「まさつって、つきつめるとコワイです」

あかね「そうね。まさつのもとは電気の力だから・・・」

ファインマン「われわれの身の回りにある現象は、ほとんどが電気現象だからね。それに、電気と磁気は同じ力の裏表だから、電気が消えれば磁気も消えるしね」

ろだん「残るのは・・・重力か」

むんく「あと、つよい力とよわい力」

さり「なんですか、それ?」

むんく「原子力・・・」

ファインマン「今回は、その話は脱線しすぎてしまうから、やめておいたら? また、そういう話題のときは、ぼくを読んでくれてもいいからさ」

さり「あー、呼びますです。ぜひぜひ!」

あかね「まさつを弱める話は、このくらいでとどめておくのがいいかしら・・・」

 

 

とっぴ「また、ぼくを使う〜!」

ミオ「じゃあ、またね〜」

さり「きっと、きっとですよ!」

 

 

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